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巻二十四

巻二十四第三十五話 在原業平が東国に下った話

巻24第35話 在原業平中将行東方読和歌語 第卅五  今は昔、在原業平中将(ありはらのなりひらのちゅうじょう)という人がいました。世に知られた␣(欠字。おそらく「好き」)者でした。しかし、自分は、わが身はこの世に生きていて甲斐のないもの者...
巻二(全)

巻二第三十話 三十二人の子を殺した王の話

巻2第30話 波斯匿王殺毗舎離卅二子語 第(三十) 今は昔、天竺の舎衛国(コーサラ国、祇園精舎がある)に長者がありました。名を梨耆弥(りきみ)といいます。七人の子がありました。それぞれが成長し、夫・妻を持つほどになりました。第七の女子を毗...
巻二十四

巻二十四第三十四話 公任の大納言、白川の家で歌を詠む

巻24第34話 公任大納言於白川家読和歌語 今は昔、公任大納言(きんとうのだいなごん)が春のころ、白川の家(山荘)へおいでになっていたとき、そこへしかるべき殿上人(てんじょうびと)が四、五人訪れてきて、「花がたいへんきれいなので、見にうか...
巻十一(全)

巻十一第十八話 高野姫天皇(称徳天皇)が西大寺をつくった話

巻11第18話 高野姫天皇造西大寺語 第十八 今は昔、高野姫天皇(称徳天皇)は聖武天皇の御娘でいらっしゃいました。女性ではありましたが、広い知識をもち、文の道をきわめていらっしゃいました。また、仏法を知り、「道場を建立したい」といまだ天皇...
巻三

巻三第九話 金翅鳥から竜の子を守った袈裟の話

巻3第9話 竜子免金翅鳥難語 第(九) 今は昔、全ての竜王は大海の底を住処としていましたが、彼らは必ず金翅鳥(こんじちょう)から恐怖を受けていました。無熱池(あらゆる川の源)という池がありましたが、そこだけは金翅鳥の難はありませんでした。...
巻十七(全)

巻十七第四十二話 山寺の人喰い鬼を退治した毘沙門天の話

巻17第42話 於但馬国古寺毘沙門伏牛頭鬼助僧語 第四十二 今は昔、但馬の国(兵庫県)に山寺がありました。創立後、百余年が経っていました。やがて、その寺に鬼が住むようになりました。人はまったく寄りつきませんでした。 旅の二人の僧がその寺...
巻六(全)

巻六第二十九話 金剛界曼荼羅を拝して生き返った女の話

巻6第29話 震旦汴州女礼拝金剛界得活語 第廿九 今は昔、震旦(中国)の汴州(べんしゅう、現在は河南省。後梁・後晋・後漢・後周・宋の都)に一人の女がありました。愚痴・不信であり、因果を知りませんでした。 五十七歳になった年、ひどく重い病...
巻十一(全)

巻十一第十七話 天武天皇が薬師寺を築いた話(薬師寺の由来)

巻11第17話 天智天皇造薬師寺語 第十七 今は昔、天武天皇が位につきました。つづいて、持統天皇という女帝が即位しました。 高市の郡(奈良県橿原市)に寺をつくり、薬師仏を安置しました。奈良の都の時代に、元明天皇という女帝が、西京の六条、...
巻十七(全)

巻十七第四十一話 白い象と拷問から解放された僧の話

巻17第41話 僧真遠依普賢助遁難語 第四十一 今は昔、比叡の山の西塔に真遠という僧がありました。参河(みかわ、愛知県)の人です。幼いうちに生国を去り、比叡山に登って出家して、受戒した後、師にしたがって法華経を学び、昼夜に読誦するうちに、...
巻二十四

巻二十四第三十三話 公任の大納言、屏風歌の席に遅刻する

巻24第33話 公任大納言読屏風和歌語 今は昔、一条天皇の御代、上東門院(じょうとうもんいん・藤原彰子)が初めて参内されることになったおり、御屏風を新調なさって、その色紙形に和歌を書かせるため、歌人たちに、「歌を詠んで奉るように」と仰せご...
巻二十(全)

巻二十第三十七話 朝になると首だけが残されていた初夜の娘の話

巻20第37話 耽財娘為鬼被?悔語 第卅七 今は昔、大和国十市の郡庵知の村(奈良県天理市庵治)の東の方に住む人がありました。家は大いに富んでいました。姓は鏡造、一人の娘がありました。娘はたいへん端正で美しく、田舎娘とは思えませんでした。 ...
巻六(全)

巻六第二十八話 木の葉に仏を見た話

巻6第28話 震旦興善寺含照礼千仏語 第廿八 今は昔、震旦の唐の代に大興善寺という寺がありました。その寺に一人の僧が住んでいました。名を含照といいました。願を発し、千仏の像を図絵しようと考えました。わずかに七仏の像を図絵しましたが、残り九...
巻十一(全)

巻十一第十六話 代々の天皇が受け継いだ大安寺

巻11第16話 代々天皇造大安寺所々語 第十六 今は昔、聖徳太子が熊凝の村(奈良県大和郡山市)に寺をつくりました。太子は完成を見ずに亡くなりました。推古天皇が後を継ぎました。推古天皇よりはじまり、聖武天皇に至るまで、九代の天皇が受け伝えつ...
巻十七(全)

巻十七第四十話 射られても死ななかった人が姿を消した話

巻17第40話 僧光空依普賢助存命語 第四十 今は昔、近江の国(滋賀県)に金勝寺という山寺がありました。その山寺に、光空という法華経持経者が住んでいました。長くこの山に住み、日夜に法華経を読誦して、おこたる事はありませんでした。その声は妙...
巻三

巻三第八話 洞窟の主となった竜の話

巻3第8話 瞿婆羅竜語 第(八) 今は昔、天竺に一人の牛飼いがおり、国王に乳酪を献上することを生業としていました。 あるとき、乳酪が全く作れないときがありどうしても献上ができませんでした。国王はこれに対して大変お怒りになり、牛飼いに使い...
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