ほんやくネット

巻二十(全)

巻二十第十話 性器を消失させる術を習う話

巻20第10話 陽成院御代滝口行金使習外術語 第十 今は昔、陽成天皇の御代(876-884)に、滝口の武士(宮中警護部隊)で、陸奥の国に金(砂金)を得るために遣わされた道範という者がありました。道中、信濃国のとある郡司の家に宿泊しました。...
巻五(全)

巻五第十二話 五百人の皇子、国王の行幸中に皆そろって出家してしまう話

巻5第12話 五百皇子国王御行皆忽出家語 第十二 今は昔、天竺に国王がありました。五百人の皇子を持っていました。 あるときの行幸のことです。国王は五百人の皇子を前に立たせて進んでいくと、たまたま一人の比丘(僧侶)が、琴を弾きながら皇子たちの...
巻一(全)

巻一第二十五話 財宝を川に流した男の話

巻1第25話 和羅多出家成仏弟子語 第廿五 今は昔、天竺に和羅多(わらた)という人がありました。和羅多の父母はたいへん富裕で、家は財宝に満ちており、不足を感じたことはありませんでした。 和羅多は道心深く、「私は出家して、仏の御弟子となり...
巻二十四

巻二十四第十三話 地神に追われた陰陽師の話

巻24第13話 慈岳川人被追地神語 第十三 今は昔、文徳天皇が崩御されました。陵墓の地を定める勅命を受けて、大納言安陪安仁が従者を連れて御陵の地に赴きました。 その時、慈岳(しげをか)の川人(かわひと)という陰陽師がいました。陰陽道にお...
巻二十四

巻二十四第十二話 医師・雅忠、家の様子を見て、瘡病の人がいることを言い当てる (欠話)

巻24第12話 雅忠見人家指有瘡病語 第十二(欠文) 【解説】柳瀬照美 表題より内容を察するに、忠明の子・雅忠が外部から家の様子をうかがい見ただけで、家の内に瘡(かさ・皮膚病)の病を患う人がいることを言い当てたという話。 前話に登場した...
巻十九

巻十九第四話 源満仲の出家(その1)

巻19第4話 摂津守源満仲出家語 第四 今は昔、円融天皇(えんゆうてんのう・第64代天皇、村上天皇の皇子)の御代に、左馬頭(さまのかみ・官馬に関する一切のことを司る馬寮の長官)源満仲(みなもとのみつなか)という人がいました。筑前守(ちくぜ...
巻二十七(全)

巻二十七第三話 桃園の柱の穴から幼児の手が出てきて人を呼ぶ話

巻27第3話 桃園柱穴指出児手招人語 第三 今は昔、桃園という所は今の世尊寺でした。元々は寺でもなかった時に、西宮の左大臣(源高明)がお住みになられていました。 その時に寝殿の東北の母屋の柱に、木に節穴が開いていました。夜になると、そ...
巻十七(全)

巻十七第八話 姿を消した美しい僧の話

巻17第8話 沙弥蔵念世称地蔵変化語 第八 今は昔、陸奥の国の国府に小松寺という寺がありました。ひとりの沙弥(しゃみ、正式な認可を受けていない僧)がその寺に住んでいました。名を蔵念といいます。平将門の孫である良門の子です。良門は金泥の大般...
巻四(全)

巻四第二十話 妻を欲する王と鬼神の道をたどった夫の話

巻4第20話 天竺人為国王被召妻人依唱三帰免蛇害語 第二十 今は昔、天竺のひなびた田舎に一人の人がありました。端正美麗な妻をもっていました。夫婦はとても仲がよく、ともに住み、深く結びついていました。 あるとき、国王は思いました。「国内で端...
巻一(全)

巻一第二十四話 郁伽長者が五人の妻を捨て出家した話(欠話)

巻1第24話 郁伽長者詣仏所出家語 第廿四(欠文) 【解説】 草野真一 郁伽(ゆが、ウッガ、ウッガハ)長者は在家信者として有名な人であり、たいへんな資産家であった。原始仏典の登場人物だから、実在した人である可能性が高い。商業都市ヴァイ...
巻五(全)

巻五第十一話 小僧の血が五百の旅人を救った話

巻5第11話 五百人商人通山餓水語 第十一 今は昔、天竺に五百人の商人があり、商用で他国に行く途中にある山を通りました。かれらは一人の小僧(沙弥、しゃみ、年少の僧)を連れていました。 間違った方向に足をすすめ、山深い場所に迷い込んでしまいま...
巻一(全)

巻一第二十三話② 旅路の果てに道を求めた王の話

巻1第23話 仙道王詣仏所出家語 第廿三 (巻一第二十三話①より続く) 仙道王は影勝王に書状を送りました。 「私はあなたのおかげで真諦(真理)を得ました。願わくは、比丘(僧)に会ってみたいと思っています。わが国に呼んでいただけますでし...
巻二十四

巻二十四第十一話 竜を見た男を治した名医の話

巻24第11話 忠明治値竜者語 第十一 今は昔、□□天皇の御代に、天皇が内裏においでになっている間、ちょうど夏の頃のことで、涼もうと、滝口(たきぐち・宮中警護の武士)の侍たちの多くが八省(はっしょう・八省院のこと。朝堂院ともいい、中央行政...
巻一(全)

巻一第二十三話① 仏の絵に怒り、攻め入ろうとした王の話

巻1第23話 仙道王詣仏所出家語 第廿三 今は昔、天竺に都城がふたつありました。それぞれ花子城(けしじょう)、勝音城(しょうおんじょう)といいました。ふたつの都城は、栄えたり衰えたりしました。 あるとき、勝音城の人がみな富んで楽しむこと...
巻二十七(全)

巻二十七第二話 宇多院が霊と対話した話

巻27第2話 川原院融左大臣霊宇陀院見給語 第二 今は昔、川原院は、融の左大臣(源融)が造ってお住まいなされた家でした。陸奥国(東北地方)の塩窯の塩水を汲み、池に湛えさせた様子は、様々になんとも言いようのないくらい素晴らしい風流なもの...
タイトルとURLをコピーしました