ほんやくネット

巻二十四

巻二十四第七話 医師の宴に現れた体を腫らした女の話

巻24第7話 行典薬寮治病女語 第七 今は昔、典薬頭(てんやくのかみ・医薬のことをつかさどる典薬寮の長官)□□という人がいました。 医薬の道については、すぐれた医師(くすし)であるので、公私にわたって重んじられていました。 ある年の七...
巻四(全)

巻四第十七話 仏の宝玉をとったスリランカの盗人の話

巻4第17話 天竺仏為盗人低被取眉間玉語 第十七 今は昔、天竺の僧迦羅国(そうからこく、スリランカ)に、小伽藍がありました。その寺に、等身大の仏がありました。寺は前の王の願いで建てられたものです。仏の御頭(みぐし)の眉間には玉(宝玉)が入...
巻一(全)

巻一第二十一話 出家する王族、奴隷がもっとも重んじられた

巻1第21話 阿那律跋提出家語 第廿一 今は昔、釈迦仏の父・浄飯王(じょうぼんおう)の弟で、斛飯王(こくぼんのう、ドローノーダナ)という人がありました。 斛飯王には二人の子がありました。兄を摩訶男(まかなん、マハーナーマン)、弟を阿那律...
巻二十四

巻二十四第六話 碁打ち・寛蓮の話

巻24第6話 碁擲寛蓮値碁擲女語 第六 今は昔、第六十代醍醐天皇の御代に、碁勢(ごせい)と寛蓮(かんれん)という、碁の名人である二人の僧がいました。 寛蓮は家柄も卑しくなく、宇多院の殿上法師であったので、天皇も常に召して碁のお相手になさ...
巻二十四

巻二十四第五話 百済川成が飛弾の工に挑んだ話 

巻24第5話 百済川成飛騨工挑語 第五 今は昔、百済川成(くだらのかわなり)※1と呼ばれる絵師がいました。世に並ぶものが無いほどの名人でした。滝殿(たきどの)※2の石もこの川成が設計したものです。同じ御堂の壁の絵も、この川成が描いたもので...
巻十九

巻十九第一話 妻子を捨てて家を出た少将の話

巻19第1話 頭少将良峯宗貞出家語 第一 今は昔、深草の天皇(仁明天皇。深草は御陵の名)の御代に、蔵人(天皇の秘書)の頭で右近の少将、良峯宗貞という人がありました。大納言康世という人の子です。姿かたちは美麗で、まっすぐな心をもっていました...
巻二十四

巻二十四第四話 袖から何十本も針を抜き出し立ててみせる老婆の話

巻24第4話 於爪上勁刷返男針返女語 第四 今は昔、□天皇の御代に、右近の陣に□の春近という舎人がありました。蹴鞠を得意としていました。 その春近が後の町(后町)の井の井筒によりかって、若い女たちが水汲みにたくさんやってくるのに見せようと...
巻二十四

巻二十四第三話 小野宮の饗宴で九条大臣が素晴らしい衣を授かった話

巻24第3話 小野宮大饗九条大臣得打衣語 第三 今は昔、小野宮大臣が、大宴会を催したとき、九条大臣が主賓としてお越しになりました。 宴の引き出物は、女物の装束ひとそろいでした。それには砧で打った紅色の細長が添えられておりました。前駆が手...
巻二十(全)

巻二十第八話 良源僧正の霊が余慶僧正を伏した話(欠話)

巻20第8話 良源僧正成霊来観音院伏余慶僧正語 第八(欠文) 【解説】草野真一 下の護符は、良源僧正の二態をあらわしている。(クリックすると拡大) 左は元三大師(がんざんだいし)、天台宗最高位の天台座主まで上り詰めた良源の肖像であ...
巻四(全)

巻四第十六話 二つにわかれたガンダーラの仏画の話

巻4第16話 天竺乾陀羅国絵仏為二人女成半身語 第十六 今は昔、天竺の乾陀羅国(けんだらこく、ガンダーラ)に大王がありました。波斯利迦王(はしりかおう、カニシカ王)といいます。王は七重の宝塔を建てました。その東に一里(約400メートル)行...
巻二十四

巻二十四第二話 高陽親王が作ったからくり人形の話

巻24第2話 高陽親王造人形立田中語 第二 今は昔。高陽親王(かやしんのう)という方がいらっしゃいました。桓武天皇の皇子で、とても優れた工芸家として有名な方でした。京都に京極寺という寺院がありますが、これはこの高陽親王が建立したお寺です。...
巻二十四

巻二十四第一話 優れた人たちが不思議なものを目撃する話

巻24第1話 北辺大臣長谷雄中納言語 第一 今は昔、北辺の左大臣という方がいらっしゃいました。嵯峨天皇の皇子で、信(まこと)という名前でした。 一条の北のあたりに住んでいらっしゃったので、北辺の大臣と呼ばれていました。 いろいろなこと...
巻十七(全)

巻十七第六話 地蔵が火事を知らせた話

巻17第6話 地蔵菩薩値火難自出堂語 第六 今は昔、土佐の国に室戸津(高知県室戸市)というところがありました。草堂があり、津寺と呼んでいました。その堂の檐(たる、日除け)はすべて焼け焦げていました。堂は人里から遠く離れた海岸にありました。...
巻四(全)

巻四第十五話 尽きない桶の飯、貧しい老人が富む話

巻4第15話 天竺舎衛国髪起長者語 第十五 今は昔、天竺の舎衛国(コーサラ国)に一人の翁がありました。八十歳にして、とても貧しい人でした。物乞いをして生きていました。この翁に妻がありました。妻はとても髪が長く、彼女より長い髪を持つ者はあり...
巻二十(全)

巻二十第七話 鬼と交わり続けた皇后の話

巻20第7話 染殿后為天狗被嬈乱語 第七 今は昔、染殿后といい、文徳天皇の母(実際には后)であり、藤原良房太政大臣(関白)の娘にあたる人の話です。比するもののない妙なる美しさを備えた方でした。 この后は、常にもののけの病を患...
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