ほんやくネット

巻二(全)

巻二第四十話 聖者になった奴隷の話

巻2第40話 曇摩美長者奴富那奇語 第(四十) 今は昔、天竺(インド)に放鉢国(ほうはちこく)という国がありました。その国に一人の長者があり、名を曇摩美(どんまみ)といいました。たいへんな富豪で、その国第一の人でした。二人の子があって、兄...
巻十七(全)

巻十七第四十七話 吉祥天女に米が尽きない袋をもらった話

巻17第47話 生江世経仕吉祥天女得富語 第四十七 今は昔、越前の国(福井県)に生江世経という人がありました。加賀(石川県)の掾(第三等官)でした。はじめはとても貧しく、食べることさえ難しいほどであったのに、とくに吉祥天女にねんごろに仕え...
巻六(全)

巻六第四十話 阿弥陀経を読まず往生できなかった話

巻6第40話 震旦道珍始読阿弥陀経語 第四十 今は昔、震旦(中国)の梁の代に僧がありました。名を道珍といいます。念仏を修し、水想観(清水を念ずることからはじまる浄土観相法)をしていました。 あるとき、道珍は夢に水を見ることがありました。...
巻三

巻三第十三話 妻が不在の間にひとりで亀肉を食べた王子の話

巻3第13話 仏耶説輸多羅宿業給語 第(十三) 今は昔、仏が悉達太子(シッダールタ)と申されていたときに、三人の妻がいらして、その中のお一人に耶輸多羅(やしゅだら、ヤショーダラー)と申される方がおりました。太子はその方を大層大事にされまし...
巻十四

巻十四第二話 殺し合い続けた鼠と蛇の話

巻14第2話 信濃守為蛇鼠写法花救苦語 第二 今は昔、信濃守の□という人がありました。 任国の信濃(長野県)の任期を終えて、京ににのぼるとき、大きな蛇がお供についてきました。一行がとどまると蛇もとどまり、薮の中におりました。昼は、前にな...
巻十一(全)

巻十一第二十七話 慈覚大師円仁が比叡山を受け継いだ話

巻11第27話 慈覚大師始建楞厳院語 第廿七 今は昔、慈覚大師(円仁)は伝教大師(最澄)の入室写瓶の(瓶の水をうつすように教えを得た)弟子として、比叡山を受け継ぎました。仏法興隆の志はことに深いものでした。首楞厳院を建立して中堂を建て、観...
巻十一(全)

巻十一第二十六話 伝教大師最澄が比叡山を開いた話

巻11第26話 伝教大師始建比叡山語 第廿六 今は昔、伝教大師は比叡山を開き、根本中堂にみずから薬師如来の像をつくり、安置しました。天台宗を立て、智者大師(智顗)の教えをひろめました。 弘仁三年(812年)七月、法華三昧堂を...
巻二(全)

巻二第三十九話 何をしても食べることができず餓死に追い込まれた僧の話

巻2第39話 天竺利群史比丘語 第(卅九) 今は昔、天竺(インド)に利群史という比丘(僧)がありました。この人は在家(出家する前)のときにも、衣食に乏しく貧しかったのですが、比丘になっても、さらに衣食を得ることができませんでした。 ある...
巻二十(全)

巻二十第四十六話 能登守の善政の話

巻20第46話 能登守依直心息国得財語 第四十六 今は昔、能登(石川県北部)の守(かみ、国司)□という人がありました。心がまっすぐで、よく国を治めていました。また、国内の仏神を崇め、ねんごろに仕えていました。国内は平穏で、雨風も時節にした...
巻十一(全)

巻十一第二十五話 弘法大師空海が高野山を開いた話

巻11第25話 弘法大師始建高野山語 第廿五 今は昔、弘法大師(空海)は、真言の教え(密教)をさまざまな所に弘め、老に臨むと、多くの弟子に寺をゆずりました。 「私が唐にいたとき投げた三鈷が落ちたところに向かおう」 弘仁七年...
巻十七(全)

巻十七第四十六話 吉祥天女が食をふるまってくれた話

巻17第46話 王衆女仕吉祥天女得富語 第四十六 今は昔、聖武天皇の御代に、二十三人の王衆(王族)がありました。順に食事をふるまい、宴を催すことが決まりました。 二十三人の中に、一人の女王がありました。とても貧しく、みなに食事をふるまう...
巻二(全)

巻二第三十八話 盲目の物乞いに生まれ変わった大金持ちの話

巻2第38話 天竺祖子二人長者慳貪語 第(卅八) 今は昔、天竺(インド)に親子の長者がありました。父も子もともに家は大いに富み、ゆたかな財宝をもっていました。しかし、たいへんな慳貪(吝嗇)で、施の心は全くありませんでした。たまに物乞いが家...
巻六(全)

巻六第三十九話 地獄で首楞厳経を講じた法師の話

巻6第39話 震旦法祖於閻魔王宮講楞厳経語 第卅九 今は昔、震旦に僧がありました。名を法祖といいます。河内(かだい)の人です。幼少時に出家して道を行いました。長安に寺をつくり、その寺で首楞厳経(しゅりょうごんきょう)を講ずるのを仕事として...
巻二十四

巻二十四第四十五話 小野篁、隠岐に流され歌を詠む

巻24第45話 小野篁被流隠岐国時読和歌語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 ある罪により、隠岐国(おきのくに・現在の島根県隠岐諸島、中世まで流刑地)に流されたとき、船に乗って出発しようとして、京の知人の許に、こう詠...
巻六(全)

巻六第三十八話 維摩経を書写し父母を救った書生の話

巻6第38話 震旦会稽山陰県書生書写維摩経生浄土語 第卅八 今は昔、震旦(中国)の会稽山の陰県(会稽郡山陰県)に、一人の書生がありました。姓名はわかりません。身の病(持病)があるゆえに、願を発して、維摩経を書写しました。題を書くとき、その...
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