ほんやくネット

巻二(全)

巻二第三十七話 全身から炎を出し咆哮する餓鬼の話

巻2第37話 満足尊者至餓鬼界語 第(卅七) 今は昔、仏の御弟子である満足尊者が神通をもって、餓鬼界に行き、ひとりの餓鬼を見ました。たいへんに恐怖(おそろ)しい形をしていて。身の毛が竪(よだ)ち、心迷(まど)うものでした。身から火を出し、...
巻十一(全)

巻十一第二十四話 女の色香に惑いただの人になった久米仙人の話

巻11第24話 久米仙人始造久米寺語 第廿四 今は昔、大和国吉野の郡(奈良県吉野郡)に龍門寺という寺がありました。寺には二人が籠って、仙の法を修行していました。一人をあづみ、一人を久米といいます。あづみは先に修行を完成させ、仙人となり、空...
巻二(全)

巻二第三十六話 糞尿を食べる奇怪な子の話

巻2第36話 天竺遮羅長者子閻婆羅語 第(卅六) 今は昔、天竺の毗舎離城(びしゃりじょう、バイシャリ)に長者がありました。名を遮羅(しやら)といいます。その妻は、懐任した後、身が臭く穢れて、すべての人が近づかなくなりました。月が満ちて、男...
巻二十(全)

巻二十第四十五話 小野篁、右大臣の良相を蘇生させる

巻20第45話 小野篁依情助西三条大臣語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 まだ学生の身分だったとき、あることで朝廷が篁を処罰したのですが、当時、西三条大臣(にしさんじょうのおとど)・良相(よしみ、藤原良相・冬嗣の五...
巻六(全)

巻六第三十七話 今は死ぬ時期ではないと伝えられた僧の話

巻6第37話 震旦并州道如書写方等生浄土語 第卅七 今は昔、震旦(中国)の并州(山西省太原市)に一人の僧がありました。名を道如といいます。この州の人の慣習として、七歳以後はみな念仏を修していました。しかし道如は念仏を修せず、戒をたもたず、...
巻二十四

巻二十四第四十四話 阿倍仲麻呂、唐で故郷を思う歌

巻24第44話 安陪仲麿於唐読和歌語 今は昔、安陪仲麿(あべのなかまろ、仲麻呂。百人一首でも仲麿と表記)という人がいました。 遣唐使として、さまざまなことを習うために、かの国へ渡りました。 長年、帰国できませんでしたが、その後また、日...
巻十七(全)

巻十七第四十五話 吉祥天女を犯してしまった男の話

巻17第45話 吉祥天女𡓳像奉犯蒙罸語 第四十五 今は昔、聖武天皇の御代に、和泉の国和泉国の郡(大阪府和泉市)の血渟上山寺(ちぬかみのやまでら)に、吉祥天女の像(塑像)がありました。同じころ、信濃の国(長野県)から、縁あってその国に来たひ...
巻十一(全)

巻十一第二十三話 夜の海に光り音を奏でる霊木の話

巻11第23話 建現光寺安置霊仏語 第廿三 今は昔、敏達天皇の御代に、河内国和泉の郡(大阪府和泉市)の前の海の沖(大阪湾)に、楽器の音がきこえました。箏・笛・琴・箜篌(くご)などの音のようでした。雷のとどろきのようでした。また、光がありま...
巻三

巻三第十二話 法を聞くオウムの来世の話

巻3第12話 須達長者家鸚鵡語 第(十二) 今は昔、天竺に須達(スダッタ)長者という長者がいました。仏法を信じ敬い、多くの比丘の檀徒として常に比丘を供養していました。長者の家の中には二羽の鸚鵡がいました。一羽は律提(りつだい)といい、もう...
巻二(全)

巻二第三十五話 猪の頭をもつ異形の天人の話

巻2第35話 天竺異形天人降語 第(卅五) 今は昔、天竺に一人の天人が降りたちました。全身は金色に輝いていましたが、頭は猪の頭でした。不浄の所から生ずるさまざまな生物を求めて食していました。 人々はこの天人を見て、奇異に思い、仏にたずね...
巻二(全)

巻二第三十四話 牛・馬・猪・羊・犬などの頭を備えた不気味な魚の話

巻2第34話 畜生具百頭魚語 第(卅四) 今は昔、天竺で、仏が諸の比丘(僧、弟子)とともに、梨越河(カシミール地方にある川)のほとりを行くことがありました。 その河に人が集まって、魚を捕っていました。網に魚を得たのです。そのは魚は、駝・...
巻六(全)

巻六第三十六話 阿含経を軽んじた新羅の僧の話

巻6第36話 新羅僧愈受持阿含経語 第卅六 今は昔、新羅国(朝鮮半島)に僧がありました。名を僧愈といいます。幼少時にて出家してから、戒めを犯すところはなく、常に浄土のありさまを観相していました。大乗を貴び、小乗を崇めませんでした。阿含の経...
巻二(全)

巻二第三十三話 目も耳も舌もなく生まれた子が財を得た話

巻2第33話 天竺女子不伝父財宝国語 第(卅三) 今は昔、天竺(インド)に国がありました。その国の習いとして、女子は家の財宝を得る権利を持っていませんでした。相続の権利を持っていたのは男子だけでした。もし、その家に男子がなければ(死んでし...
巻二十四

巻二十四第四十三話 紀貫之が死んだ子を悼み歌を詠んだ話

巻24第43話 土佐守紀貫之子死読和歌語 第四十三 今は昔、紀貫之※1という歌人がいました。土佐守になってその国に下っていましたが、やがて任期が終わりました。 貫之には、年の頃七つ八つばかりの男の子※2がいて、かわいらしい子であったので...
巻十七(全)

巻十七第四十四話 美少年に化けて僧に近づいた女の話

巻17第44話 僧依毘沙門助令産金得便語 第四十四 今は昔、比叡の山に僧がありました。やんごとなき学生(がくしょう)でしたが、とても貧しい人でした。裕福な檀家なども持たなかったので、比叡山にはいられなくなって、京に下って、雲林院というとこ...
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