巻二十四巻二十四第三十五話 在原業平が東国に下った話 巻24第35話 在原業平中将行東方読和歌語 第卅五 今は昔、在原業平中将(ありはらのなりひらのちゅうじょう)という人がいました。世に知られた␣(欠字。おそらく「好き」)者でした。しかし、自分は、わが身はこの世に生きていて甲斐のないもの者... 2021.08.21巻二十四
巻二十四巻二十四第三十四話 公任の大納言、白川の家で歌を詠む 巻24第34話 公任大納言於白川家読和歌語 今は昔、公任大納言(きんとうのだいなごん)が春のころ、白川の家(山荘)へおいでになっていたとき、そこへしかるべき殿上人(てんじょうびと)が四、五人訪れてきて、「花がたいへんきれいなので、見にうか... 2020.01.25巻二十四
巻二十四巻二十四第三十三話 公任の大納言、屏風歌の席に遅刻する 巻24第33話 公任大納言読屏風和歌語 今は昔、一条天皇の御代、上東門院(じょうとうもんいん・藤原彰子)が初めて参内されることになったおり、御屏風を新調なさって、その色紙形に和歌を書かせるため、歌人たちに、「歌を詠んで奉るように」と仰せご... 2020.01.24巻二十四
巻二十四巻二十四第三十二話 敦忠の中納言、左近の桜を歌に詠む 巻24第32話 敦忠中納言南殿桜読和歌語 第卅二 今は昔、小野宮(おののみや)の太政大臣(藤原実頼)がまだ左大臣でおられたとき、ちょうど三月中旬のころでありましたが、政務のため参内され、陣の座に着いておられると、上達部(かんだちめ・公卿)... 2019.12.04巻二十四
巻二十四巻二十四第三十話 藤原為時、詩作によって任官される 巻24第30話 藤原為時作詩任越前守語 第三十 今は昔、藤原為時(ふじわらのためとき)という人がいました。 一条天皇の御代に、式部丞(しきぶのじょう・式部省の三等官)を勤め上げた功労により、国司になりたいと願い出ましたが、除目(じもく・... 2023.06.04巻二十四
巻二十四巻二十四第二十九話 藤原義忠が藤原資業の詩を非難した話 巻24第29話 藤原資業作詩義忠難語 第廿九 今は昔、藤原資業(ふじわらのすけなり)という文章博士がいました。 鷹司殿(たかつかさどの・源倫子)の御屏風の色紙形に書く詩を、詩文の達人である博士たちにお命じになり、詩をつくらせましたが、こ... 2023.05.09巻二十四
巻二十四巻二十四第二十八話 菅原道真が夢で詩の読み方を教えてくれた話 巻24第28話 天神御製詩読示人夢給語 第廿八 今は昔、天神(菅原道真)がおつくりになった詩があります。 東行西行雲眇々 (とうこうさいこうくもびょうびょう) 二月三月日遅々 (にがつさんがつひちちたり) この詩を後世の人は、も... 2023.04.10巻二十四
巻二十四巻二十四第二十七話 死んだ詩人と詩を解する下女の話 巻24第27話 大江朝綱家尼直詩読語 今は昔、村上天皇の御代に、大江朝綱(おおえのあさつな)という文章博士がいました。 たいへん優れた学者であります。 長年、文章道をもって朝廷に仕え、少しも心もとない点がなく、ついに宰相(さいしょう・... 2023.03.30巻二十四
巻二十四巻二十四第二十六話 菅原文時、村上天皇から詩の優劣を訊かれ、逃げ出す 巻24第26話 村上天皇与菅原文時作詩給語 第廿六 今は昔、村上天皇は漢詩文をお好みになっておられましたが、あるとき、「宮の鶯、暁に囀(さえず)る」という題で詩をお作りになりました。 露濃緩語花底(つゆこまやかにしてかんごえんかのそこ... 2019.10.25巻二十四
巻二十四巻二十四第二十五話 三善清行と紀長谷雄の口論 巻24第25話 三善清行宰相与紀長谷雄口論語 第廿五 今は昔、醍醐天皇の御代に、参議(さんぎ・唐名は宰相。朝議に参加する公卿)三善清行(みよしのきよつら)という人がいました。 その当時、中納言・紀長谷雄(きのはせお)は文章得業生(もんじ... 2023.03.14巻二十四
巻二十四巻二十四第二十四話 鬼が弾く音に導かれた名手・源博雅の話 巻24第24話 玄象琵琶為鬼被取語 第廿四 今は昔、村上天皇の御代に、玄象(げんじょう)という琵琶※1がにわかに見当たらなくなってしまいました。これは皇室に代々伝わってきた由緒ある宝物であったのが、このようになくなってしまったので、天皇が... 2021.08.11巻二十四
巻二十四巻二十四第二十三話 盲目の琵琶法師・蝉丸に魅せられた源博雅の話 巻24第23話 源博雅朝臣行会坂盲許語 第廿三 今は昔、源博雅朝臣(みなもとのひろまさのあそん)という人がいました。延喜(えんぎ・第六十代醍醐天皇)の御子の兵部卿親王(ひょうぶきょうのみこ)と申す方の子です。いずれの道にも優れたお方であっ... 2021.08.13巻二十四
巻二十四巻二十四第二十二話 算術の不思議の話 巻24第22話 俊平入道弟習算術語 第廿二 今は昔、丹後前司(たんごのぜんじ・現在の京都府北部、丹後国の前の国司)高階俊平朝臣(たかしなのとしひらのあそん)という者がいました。 のちには法師になり、丹後入道と称していました。 その弟に... 2023.02.24巻二十四
巻二十四巻二十四第二十一話 笛の音に死を聞いた話 巻24第21話 僧登照相倒朱雀門語 第廿一 今は昔、登照(とうじょう)という僧がいました。 すべての人の人相を見、声を聞き、動作を知ることで、命の長短を相し、身の貧富を教え、その官位の高下を知らせてやりました。 このように相して絶対、... 2023.01.25巻二十四
巻二十四第二十四巻二十話 悪霊になった元妻の話 巻24第20話 人妻成悪霊除其害陰陽師語 第二十 今は昔、□(姓名欠字)という者がいました。長年夫婦としてくらした妻と離別しました。妻は深く恨み、嘆き悲しみ、その思いのために病気になり、数ヶ月病気に苦しみ、恨み嘆いて死んでしまいました。 ... 2021.08.07巻二十四