巻二十四(全)巻二十四第四十二話 美しい貝に思いを託した話 巻24第42話 朱雀院女御失給後女房読和歌語 第四十二 今は昔、朱雀院の女御(慶子)と申し上げる方は、小野宮太政大臣(藤原実頼)の御娘であります。 この女御は、はかなくお亡くなりになってしまいました。 ところで、この女御のお側にお仕え... 2023.12.09巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第四十一話 皇を慕う后の恋の歌 巻24第41話 一条院失給後上東門院読和歌語 今は昔、一条院が崩御されたのち、後一条院がまだ幼少でおわしたとき、かたわらにあった撫子の花を無心に摘み取られたのを母后・上東門院(じょうとうもんいん・藤原彰子)がご覧になって、こうお詠みになら... 2023.12.04巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第四十話 円融天皇の葬送の歌 巻24第40話 円融院御葬送夜朝光卿読和歌語 今は昔、円融法皇が崩御なさって、紫野にご葬送申し上げましたが、先年、この地に子(ね)の日の行幸があったことなど思い出して、人びとが深い悲しみに打たれているとき、閑院左大将(かんいんのさだいしょ... 2020.04.05巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十九話 藤原義孝、死んだ後に歌を詠む 巻24第39話 藤原義孝朝臣死後読和歌語 今は昔、右近少将・藤原義孝(ふじわのよしたか)という人がいました。 この人は、一条の摂政殿(藤原伊尹)の御子であります。 容貌・人柄をはじめ、気立ても才能もすべて人にすぐれていました。 また... 2020.04.04巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十八話 並はずれた歌人・藤原道信 巻24第38話 藤原道信朝臣送父読和歌語 第卅八 今は昔、左近の中将・藤原道信(ふじわらのみちのぶ)という人がいました。 法住寺(ほうじゅうじ)の為光(ためみつ)の大臣(おとど)の子で、一条天皇の御代の殿上人であります。 容貌・人品を... 2023.11.15巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十七話 藤原実方、陸奥国で歌を詠む 巻24第37話 藤原実方朝臣於陸奥国読和歌語 第卅七 今は昔、藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたのあそん)という人がいました。 小一条(こいちじょう)の大将・済時(なりとき)の大納言という人の子であります。 一条天皇の御代に... 2020.02.12巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十六話 在原業平の歌にまつわる話 巻24第35話 在原業平中将行東方読和歌語 第卅五 今は昔、右近衛の馬場で五月六日に騎射が行われましたが、在原業平(ありわらのなりひら)という人は中将でありましたので、大臣屋(おとどや・次将の着座する場所)に着席していると、その大臣屋の近... 2023.10.19巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十五話 在原業平が東国に下った話 巻24第35話 在原業平中将行東方読和歌語 第卅五 今は昔、在原業平中将(ありはらのなりひらのちゅうじょう)という人がいました。世に知られた␣(欠字。おそらく「好き」)者でした。しかし、自分は、わが身はこの世に生きていて甲斐のないもの者... 2021.08.21巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十四話 公任の大納言、白川の家で歌を詠む 巻24第34話 公任大納言於白川家読和歌語 今は昔、公任大納言(きんとうのだいなごん)が春のころ、白川の家(山荘)へおいでになっていたとき、そこへしかるべき殿上人(てんじょうびと)が四、五人訪れてきて、「花がたいへんきれいなので、見にうか... 2020.01.25巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十三話 公任の大納言、屏風歌の席に遅刻する 巻24第33話 公任大納言読屏風和歌語 今は昔、一条天皇の御代、上東門院(じょうとうもんいん・藤原彰子)が初めて参内されることになったおり、御屏風を新調なさって、その色紙形に和歌を書かせるため、歌人たちに、「歌を詠んで奉るように」と仰せご... 2020.01.24巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十二話 敦忠の中納言、左近の桜を歌に詠む 巻24第32話 敦忠中納言南殿桜読和歌語 第卅二 今は昔、小野宮(おののみや)の太政大臣(藤原実頼)がまだ左大臣でおられたとき、ちょうど三月中旬のころでありましたが、政務のため参内され、陣の座に着いておられると、上達部(かんだちめ・公卿)... 2019.12.04巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十一話 伊勢の御息所、求めに応じて歌を詠む 巻24第31話 延喜御屏風伊勢御息所読和歌語 第卅一 今は昔、醍醐天皇が皇子の御袴着(おんはかまぎ・男子三歳のとき、袴をつける儀)の式に用いる御屏風を作らせなさってその色紙形に和歌を書かせるため、歌人たちに、 「おのおの、和歌を詠んで差... 2023.10.04巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第三十話 藤原為時、詩作によって任官される 巻24第30話 藤原為時作詩任越前守語 第三十 今は昔、藤原為時(ふじわらのためとき)という人がいました。 一条天皇の御代に、式部丞(しきぶのじょう・式部省の三等官)を勤め上げた功労により、国司になりたいと願い出ましたが、除目(じもく・... 2023.06.04巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第二十九話 藤原義忠が藤原資業の詩を非難した話 巻24第29話 藤原資業作詩義忠難語 第廿九 今は昔、藤原資業(ふじわらのすけなり)という文章博士がいました。 鷹司殿(たかつかさどの・源倫子)の御屏風の色紙形に書く詩を、詩文の達人である博士たちにお命じになり、詩をつくらせましたが、こ... 2023.05.09巻二十四(全)
巻二十四(全)巻二十四第二十八話 菅原道真が夢で詩の読み方を教えてくれた話 巻24第28話 天神御製詩読示人夢給語 第廿八 今は昔、天神(菅原道真)がおつくりになった詩があります。 東行西行雲眇々 (とうこうさいこうくもびょうびょう) 二月三月日遅々 (にがつさんがつひちちたり) この詩を後世の人は、も... 2023.04.10巻二十四(全)