巻二巻二第十七話 塔を修治した金色に輝く子の話 巻2第17話 迦毗羅城金色長者語 第(十七) 今は昔、天竺の迦毗羅城(かぴらじょう、釈尊の出身地カピラバストゥ)に、長者がありました。その家は大いに富み、はかることもできないほど財宝がありました。その家に一人の男子が生まれました。その児は... 2021.10.25巻二
巻二巻二第十六話 一里を芳香で満たす男の話 巻2第16話 天竺依焼香得口香語 第十六 今は昔、天竺の辺土(田舎)に住む人がありました。世に並ぶ者のない美しく端正な女を妻として、年来を過ごしていました。ある日、その国の王は身分の上下を問わず、ただ端正美麗の女を求めて后としようと考えま... 2021.10.05巻二
巻二巻二第十五話 須達の美しい娘が十の卵を産んだ話 巻2第15話 須達長者蘇曼女十卵語 第十五 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の首都、祇園精舎がある)の中に(インドでは城の中に街がある)、一人の長者がありました。須達(しゅだつ、スダッタ。祇園精舎をつくった人)といいます。彼のたくさんの子... 2021.08.24巻二
巻二巻二第十四話 大王の娘として生まれた貧しくいやしい女の話 巻2第14話 阿育王女子語 第(十四) 今は昔、天竺で、仏は阿難(アーナンダ、釈尊の身の回りの世話をした弟子)や多くの比丘とともに、王舎城(マガダ国の都、大陸では城門内に町がある)に入って、乞食(托鉢)をしていました。 町に至... 2021.08.10巻二
巻二巻二第十三話 白い衣をまとって生まれた女子の話 巻2第13話 舎衛城叔離比丘尼語 第(十三) 今は昔、天竺の王舎城(マガダ国の都)に、一人の長者がありました。家は大いに富み、無量の財宝がありました。一人の女子が生まれました。世に並ぶものがない端正な子でした。 その女子は生まれたとき、細... 2021.07.06巻二
巻二巻二第十二話 富み、貧窮にあえぎ、ふたたび富んだ指が光る男の話 巻2第12話 王舎城灯指比丘語 第(十二) 今は昔、天竺の王舎城(マガダ国の都)に、一人の長者がありました。家は大いに富み、無量の財宝がありました。一人の男子が生まれました。世に並ぶものがない端正な子でした。 その子は生まれたときから、指... 2021.05.27巻二
巻二巻二第十一話 手のひらに無限に金貨がわき出る幸福な男の話 巻2第11話 舎衛城宝手比丘語 第十一 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の都)に、一人の長者がありました。家は大いに富み、無量の財宝がありました。一人の男子が生まれました。世に並ぶものがない端正な子でした。 子は両手のひらに、それぞれ金貨... 2021.04.29巻二
巻二巻二第十話 金貨をにぎって生まれた赤子の話 巻2第10話 舎衛城金財比丘語 第十 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の都)に、一人の長者がありました。家は大きく富み、無量の財がありました。長者は男子をさずかりました。世に並ぶ者のない美しい子でした。 生まれたとき、両手のひらを握ってい... 2021.03.19巻二
巻二巻二第九話 砂を布施した人の話 巻2第9話 舎衛城宝天比丘語 第九 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の都)に、一人の長者がありました。家は大きく富み、無量の財がありました。長者は男子をさずかりました。世に並ぶ者のない美しい子でした。 子が生まれると、天から七宝の雨が降り... 2021.02.10巻二
巻二巻二第八話 幸福の理由ははるか昔の生にある 巻2第8話 舎衛国金天比丘語 第八 今は昔、舎衛国(コーサラ国)に一人の長者がありました。家は大きく富み、無量の財宝がありました。男の子がひとりできました。その児の身は金色で、この世に並ぶものがないほど美しい子でした。父母はこれを喜... 2021.01.16巻二
巻二巻二第七話 縛られ監禁された女奴隷が天に生まれた話 巻2第7話 婢依迦旃延教化生天報恩語 第七 今は昔、天竺の阿般提国(あはんだいこく)に長者がありました。大いに富んで、財をたくわえていましたむさぼる心を持っていて、慈悲がありませんでした。 長者の家に、一人の婢(奴隷女)がありました。... 2021.01.03巻二
巻二巻二第六話 病んだ老母が腐った米汁を布施して天に生まれた話 巻2第6話 老母依迦葉教化生天報恩語 第六 今は昔、天竺で迦葉(大迦葉、マハーカーシヤパ)尊者が里に出て乞食(こつじき)していました。尊者は思いました。「私は富貴の家にはしばらく行かない。貧窮の人のところに行って、その施しを受けよう」まず... 2020.12.17巻二
巻二巻二第五話 嵐の朝に出かけた釈迦の話 巻2第5話 仏人家六日宿給語 第五 今は昔、仏は舎衛国(コーサラ国)にあり、人の家に六日間宿泊し、供養を受けました。 七日めの朝、出かけようとすると、天が陰り風が吹き、川ができるような洪水になりました。家の主人が仏に申し上げました。「今日... 2020.12.07巻二
巻二巻二第四話 釈迦が祈った謎の塔の話 巻2第4話 仏拝卒堵婆給語 第四 今は昔、仏が伽頻国(かひんこく、釈迦の出身国)にあったとき、喩山陀羅樹(ゆせんだらじゅ)の下にいらっしゃいました。そこには卒堵婆(そとば、塔)がありました。仏はこれを礼拝なさいました。 阿難・舎利弗・迦葉... 2020.12.01巻二
巻二巻二第三話 病んで孤独な比丘が救われた話 巻2第3話 仏報病比丘恩給語 第三 今は昔、祇園精舎に一人の比丘(僧)がありました。重い病にかかり、五、六年間、辛苦悩乱しました。悪瘡から膿(うみ)と血が流れて、大小便の臭いも臭く、汚れていました人はこれを汚がって、近寄ろうとはしませんで... 2020.11.06巻二