第十

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巻十第二十六話 箏の音で結ばれた男女の話

巻10第26話 文君興箏値相如成夫妻語 第廿六 今は昔、震旦の漢の時代に、卓文君という女人がいました。姿かたちの端正美麗なことは世の中に並ぶ者がないほどでした。国王に仕え、この上ない寵愛を受けていました。また、文君をひと目見た人は、その美...
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巻十第二十五話 学問に夢中になり妻を失った男の話

巻10第25話 高鳳任笇州刺史迎旧妻語 第廿五 今は昔、震旦の漢の時代に高鳳という人がありました。幼い頃より、大変聡明で、昼夜問わず学問を学び、他のことに気を取られることはありませんでした。 しかし、高鳳の家はとても貧しく、また、側に居...
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巻十第二十四話 亡父の霊に学んだ子の話

巻10第24話 震旦賈誼死後於墓文教子語 第廿四 今は昔、震旦の漢の時代に賈誼(かぎ。前漢の政治家・思想家・文学家。河南郡雒陽県出身)という人がありました。非常に聡明で、書を読んで理解できないということはありませんでした。 この人に一人...
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巻十第二十三話 病が童や鬼の姿になった話

巻10第23話 病成人形医師聞其言治病語 第廿三 今は昔、震旦の周の時代に、重い病にかかっている人がいました。名医がいて、この病人を治療してほしいと招きましたところ、医師は承知しました。 この医師がその夜、夢を見ました。その病人の病が二...
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巻十第二十二話 見知らぬ人の遺言に従った男の話

巻10第22話 宿駅人随遺言金副死人置得徳語 第廿二 今は昔、震旦の漢の時代、一人の人が他国へ行く途中で日が暮れてしまったので、ある宿駅に宿をとることにしました。そこには以前から泊まっていた病人がおりました。お互いに相手が誰かということは...
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巻十第二十一話 夫の身代わりに殺された妻の話

巻10第21話 長安女代夫違枕為敵被殺語 第廿一 今は昔、震旦の唐の時代に、長安に一人の女がありました。美しい容貌の、正直な人でした。 この女には夫がありました。そしてこの夫には敵がいました。 その敵が夫を殺そうと夫婦の家へやってきま...
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巻十第二十話 亡友に恩を返した人の話

巻10第20話 直心季札釼懸徐君墓語 第二十 今は昔、震旦の周の時代に、季礼という人がいました。武芸に秀でており、真っ直ぐな心根の人でした。 この人が国王の命により、謀反を起こした者たちを討伐するために他州へ行こうとしていた時、突然大雨...
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巻十第十九話 割れた鏡が妻の不貞を知らせた話

巻10第19話 不信蘇規破鏡与妻遠行語 第十九 今は昔、震旦の□の時代に蘇規という人がいました。 この人が国王の勅使として遥か遠い国へ行くことになりました。そこで蘇規は妻に告げました。「私は国王の使いとして遥か遠い国へ行かねばなりません...
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巻十第十八話 亡き妻の霊に打たれ死んだ男の話

巻10第18話 霍大将軍値死妻被打死語 第十八 今は昔、震旦の武帝の代に、霍(かく)大将軍という人がいました。勇猛さと知恵を兼ね備えた人であり、国王の御娘を妻としていました。 ところが、この妻が急死してしまいました。将軍は非常に嘆き悲し...
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巻十第十七話 虎を射ようとして岩を射った人の話

巻10第17話 李広箭射立似虎巌語 第十七 今は昔、震旦の漢の時代に、李広という人がいました。勇猛果敢な人で、特に弓術に勝れた腕を持っていました。 ある時、一匹の虎が李広の母を襲いました。このことを人から聞いた李広が驚き慌てて帰ってきて...
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巻十第十六話 十の太陽が天に現れた話

巻10第16話 養由天現十日時射落九日語 第十六 今は昔、震旦の周の時代に養由(ようゆう、楚の大夫で弓の名手)という人がいました。極めて勇猛果敢な人で、弓を射れば、どんな物にも的中させることは、掌を指すように軽々とやってのけます。そこで、...
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巻十第十五話 孔子が盗人を教え諭そうとして逃げ帰った話

巻10第15話 孔子為教盗跖行其家怖返語 第十五 今は昔、震旦の周の時代に、柳下恵という人がいました。世にも賢い人であると、重用されていました。 その人の弟に盗跖(とうせき)という人がいました。この人はある山の麓を根城として、乱暴な悪人...
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巻十第十四話 死体を葬って仙人となった男の話

巻10第14話 費長房夢習仙法至蓬莱返語 第十四 今は昔、震旦の漢の時代に、費長房という人がいました。 この人が道を歩いていると、途中で、からからに乾いて白骨化してはいるものの、ばらばらになってしまわずに何とか人の形を留めている野晒しの...
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巻十第十三話 荘子が動物たちを見て走り逃げた話

巻10第13話 荘子見畜類所行走逃語 第十三 今は昔、震旦に荘子という人がいました。聡明でとても広い知識を持っていました。 ある時この人が道を歩いていますと、沢に一羽の鷺(さぎ)がいて、何かを窺っているようでした。荘子はこれを見て、...
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巻十第十二話 荘子が命を語った話

巻10第12話 荘子行人家殺雁備肴語 第十二 今は昔、震旦に荘子という人がいました。聡明で非常に賢い人でした。 この人が道を歩いていて一つの杣山(そまやま、木材を切り出す山)を通りますと、多くの杣木(そまぎ、木材にする木)の中に、幹が曲...
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