巻一(全)

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巻一第二十三話② 旅路の果てに道を求めた王の話

巻1第23話 仙道王詣仏所出家語 第廿三 (巻一第二十三話①より続く) 仙道王は影勝王に書状を送りました。 「私はあなたのおかげで真諦(真理)を得ました。願わくは、比丘(僧)に会ってみたいと思っています。わが国に呼んでいただけますでし...
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巻一第二十三話① 仏の絵に怒り、攻め入ろうとした王の話

巻1第23話 仙道王詣仏所出家語 第廿三 今は昔、天竺に都城がふたつありました。それぞれ花子城(けしじょう)、勝音城(しょうおんじょう)といいました。ふたつの都城は、栄えたり衰えたりしました。 あるとき、勝音城の人がみな富んで楽しむこと...
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巻一第二十二話 出家する王子と死後の話

巻1第22話 鞞羅羨王子出家語 第廿二 今は昔、天竺。仏が阿難とともに城に入って、乞食(こつじき、托鉢)しているとき、城中にひとりの王子がおりました。鞞羅羨那(ひらせんな)といいます。多くの美しい侍女とともに高楼で快楽にふけっていましたが...
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巻一第二十一話 出家する王族、奴隷がもっとも重んじられた

巻1第21話 阿那律跋提出家語 第廿一 今は昔、釈迦仏の父・浄飯王(じょうぼんおう)の弟で、斛飯王(こくぼんのう、ドローノーダナ)という人がありました。 斛飯王には二人の子がありました。兄を摩訶男(まかなん、マハーナーマン)、弟を阿那律...
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巻一第二十話 王女の出家(欠話)

巻1第20話 仏耶輸陀羅令出家語 第二十 【解説】草野真一 タイトルだけあって、中身がない。 革袋に酒が入っていない理由について、多くの人が詮索した。千年も! 今でも続いている。 前話が女性出家者第一号となった摩訶波闍波提(まかはじゃ...
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巻一第十九話 はじめて出家した女の話

巻1第19話 仏夷母憍曇弥出家語 第十九 今は昔、憍曇弥(きょうどんみ)という人がいました。釈迦仏の叔母であり、母の摩耶夫人(まやぶにん)の妹にあたる人です。 仏が迦維羅衛国(かいらえこく)にあるとき、憍曇弥は言いました。 「女人も精...
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巻一第十八話② 天国と地獄で美人を見た話

(①より続く) 難陀は「妻のところに帰りたい」という気持ちを捨てきれませんでした。 仏が外出しているすきに出ていこうと考え、扉に近づくと、扉はたちまち閉まり、また別の扉が開きました。開いている扉から出ようとすると、今度はその扉が閉まり、...
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巻一第十八話① 美しい妻を置いて出家した話

巻1第18話 仏教化難陀令出家給語 第十八 今は昔、仏の弟子に難陀(なんだ)という人がいました。出家する以前は、インド中に知れわたるほどの美人を妻としており、その愛欲に執着し、仏法も信ぜず、仏の叱責にもしたがいませんでした。 ある日、仏...
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巻一第十七話 家を出よと勧める父と涙にくれる母の話

巻1第17話 仏迎羅睺羅令出家給語 第十七 今は昔、仏は息子の羅睺羅(らごら、ラーフラ)を出家させようと考え、目連(モッガラーナ)を使者として迎えに遣わそうと考えていました。羅睺羅の母・耶輸陀羅(やしゅだら、ヤショーダラー。釈尊の奥さん、...
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巻一第十六話 差し出された指を見て弟子になった話

巻1第16話 鴦掘摩羅切仏指語 第十六 今は昔、天竺に鴦掘摩羅(あうくつまら、アングリマーラ)という人がありました。指鬘比丘(しまんびく)の弟子です。師から受けた外道(仏教以外の信仰)の法を学んでいました。 師の指鬘比丘は鴦掘摩羅に言い...
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巻一第十五話 母なくして子が生まれた話

巻1第15話 提何長者子自然太子語 第十五 今は昔、天竺に提何(だいか)長者という人がありました。提何夫妻は年老いていましたが、子がありませんでした。 提何は妻に語りました。 「天上の世界、そして人間の世界では子がある人こそ富める人だ。子が...
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巻一第十四話 仏教が伝わらない街を教化した話

巻1第14話 仏入婆羅門城教化給語 第十四 今は昔、婆羅門城(ばらもんじょう)には仏法が伝えられておらず、みなが外道(仏教以外の教え)を信じ、その典籍を学んでいました。仏は教化のため、城に入りました。 外道が説きました。 「城に狗曇沙...
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巻一第十三話 仏が長者の家に行った話

巻1第13話 満財長者家仏行給語 第十三 今は昔、天竺に満財長者という人がいました。満財には息子がありました。また、須達(しゅだつ、祇園精舎を寄進した)長者という人がありました。須達には娘がありました。 満財が須達の家に行くと、端厳美麗...
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巻一第十二話 釈迦をワナにかける話

巻1第12話 仏勝蜜外道家行給語 第十二 今は昔、天竺に外道(仏教以外の信仰を持つ者)がありました。名を勝蜜といいます。「仏(釈尊)をなんとかして殺害しよう」と考え、はかりごとをめぐらせました。 「仏をお招きすることにしよう」 「やっ...
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巻一第十一話 食を乞うた釈迦が門前払いされた話

巻1第11話 仏入婆羅門城乞食給語 第十一 今は昔、仏は婆羅門の都に入り、乞食(こつじき、托鉢)しようとしました。そのとき、この都の外道(仏教以外の宗教を奉じる者)が考えました。 「狗曇比丘(ぐどんびく、釈尊)という者がこの町で乞食して...
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