巻二十四

巻二十四第一話 優れた人たちが不思議なものを目撃する話

巻24第1話 北辺大臣長谷雄中納言語 第一 今は昔、北辺の左大臣という方がいらっしゃいました。嵯峨天皇の皇子で、信(まこと)という名前でした。 一条の北のあたりに住んでいらっしゃったので、北辺の大臣と呼ばれていました。 いろいろなこと...
巻二十四

巻二十四第十五話 賀茂忠行、息子・保憲の才を知る

巻24第15話 賀茂忠行道伝子保憲語 今は昔、賀茂忠行(かものただゆき)という陰陽師(おんみょうじ)がいました。 その道については昔の名陰陽師にも恥じず、当時においても肩を並べる者がいませんでした。 そこで、公私にわたって重く用いられ...
巻十七

巻十七第六話 地蔵が火事を知らせた話

巻17第6話 地蔵菩薩値火難自出堂語 第六 今は昔、土佐の国に室戸津(高知県室戸市)というところがありました。草堂があり、津寺と呼んでいました。その堂の檐(たる、日除け)はすべて焼け焦げていました。堂は人里から遠く離れた海岸にありました。...
巻四

巻四第三十九話 弥勒像をつくった人の話

巻4第39話 末田地阿羅漢造弥勒語 第卅九 今は昔、北天竺の烏仗那国(うじょうなこく)の達麗羅川(だりらせん)に、寺がありました。金色に輝く十丈(30メートル)ほどの弥勒菩薩の木像がありました。仏が涅槃に入った(亡くなった)後に、末田地大...
巻二十

巻二十第七話 鬼と交わり続けた皇后の話

巻20第7話 染殿后為天狗被嬈乱語 第七 今は昔、染殿后といい、文徳天皇の母(実際には后)であり、藤原良房太政大臣(関白)の娘にあたる人の話です。比するもののない妙なる美しさを備えた方でした。 この后は、常にもののけの病を患...
巻四

巻四第三十八話 貧しい人が大金持ちになった話

巻4第38話 天竺貧人得富貴語 第卅八 今は昔、天竺に一人の人がありました。身分の高い人でしたが、とても貧しく、生きていくことさえ困難でした。物乞いをして命をつないでいましたが、人はみな門を閉じ、彼を寄せつけませんでした。彼はとても歎き悲...
巻一

巻一第二十話 王女の出家(欠話)

巻1第20話 仏耶輸陀羅令出家語 第二十 【解説】草野真一 タイトルだけあって、中身がない。 革袋に酒が入っていない理由について、多くの人が詮索した。千年以上前から! 今でも続いている。 前話が女性出家者第一号となった摩...
巻二十五

巻二十五第三話 武者の一騎打ち

巻25第3話 源宛平良文合戦語 今は昔、東国に源充(みなもとのみつる)、平良文(たいらのよしふみ)という二人の武人がいました。 充は通称、田源二(みのたのげんに)、良文は村岳五郎(むらおかのごろう)といいました。 この二人...
巻二十九

巻二十九第二十三話 妻を目の前で犯された男の話(芥川龍之介『藪の中』元話)

巻29第23話 具妻行丹波国男於大江山被縛語 第廿三 今は昔、京に住む人が、妻の実家である丹波の国に向かって歩いていました。妻を馬に乗せ、夫は矢を十本ほど差した竹蚕簿(えびら)を負い、弓を持っていました。大江山(丹波の有名な山。酒呑童子伝...
巻五

巻五第十三話 焼身した兎 月の兎が生まれた話

今昔物語集 巻5第13話 三獣行菩薩道兎焼身語 第十三 今は昔、天竺に兎・狐・猿、三匹の獣がいました。彼らは誠の心を起こして菩薩の修行をしていました。 「わたしたちは前世に深く重い罪を負い、賤しい獣として生を受けた。これは前世に生きとし...