巻三十一

巻三十一第十六話 見知らぬ島に流れ着いた話

巻31第16話 佐渡国人為風被吹寄不知島語 第十六 今は昔、佐渡国(さどのくに)に住む者が大勢で一艘の船に乗り、出かけたところ、沖合でにわかに南風が吹き出し、矢を射るように船を北の方に吹き流しました。 船の者たちは「もはやこれまで」と観...
English

7-15 The Monk Who Broke His Vow by Engaging in Sexual Relations with a Female Demon

Once upon a time, in a country near China, there was a mountain temple. A young monk lived there, and he made it his dai...
巻七

巻七第二十三話 地獄に堕ちた友を救った話

巻7第23話 震旦絳州孤山僧写法花経救同法苦語 第廿三 今は昔、震旦の絳州(こうしゅう)に、ひとつだけぽつんとそびえている山がありました。永徽(650~655年)の頃、この山の寺に二人の僧がいて、同じ房に住んでいました。一人は名を僧行とい...
巻十四

巻十四第十八話 自己を嘆き各地の神をたずねた僧の話

巻14第18話 僧明蓮持法花知前生語 第十八 今は昔、明蓮という僧がありました。幼い頃に家を離れ、法隆寺に住み、師について法華経を学び、日夜経を読誦していました。「暗記して読誦しよう」と思い立ち、法華経の第一巻から第七巻までを覚えました。...
巻七

巻七第二十二話 生き返って経を書写した僧の話

巻7第22話 瓦官寺僧恵道活後写法花経語 第廿二 今は昔、震旦の南宋の時代、瓦官寺に一人の僧が住んでいました。名を恵道といいます。豫州の人でした。この人は恵果和尚と母を同じくする弟です。恵道は一生の内に功徳を修めるなどということはありませ...
巻九

巻九第十七話 血が流れるほど母を打った男の話

巻9第17話 震旦隋代人得母成馬泣悲語 第十七 今は昔、震旦(中国)の隋の大業(605~618年)の時代、洛陽(隋の都)に一人の人がありました。 この人が馬をもらい、家で飼っていました。ある冬の日、馬に乗って墓参に行こうとしました。 ...
巻七

巻七第二十一話 糞を食らう鬼を救った話

巻7第21話 豫州恵果読誦法花経救厠鬼語 第廿一 今は昔、震旦の豫州(よしゅう)に恵果和尚という聖人がいました。広大な慈悲心を持って人々に功徳を与えるさまは、まるで仏のようでした。南京の瓦官寺(がかんじ)という寺に長く住んで、法華経や十地...
巻十二

巻十二第十三話 破壊される仏像の声を聞いた話

巻12第13話 和泉国尽恵寺銅像為盗人被壊語 第十三 今は昔、聖武天皇の御代に、和泉国日根郡(大阪府泉南市など)に、一人の盗人がありました。街道のわきに住んでいて、人を殺し、人の物を盗み取ることを仕事としていました。因果応報を信ぜず、寺に...
巻七

巻七第二十話 経の二文字だけを忘れる小僧の話

巻7第20話 沙弥読法花経忘二字遂得悟語 第二十 今は昔、震旦の秦郡(南京)の東寺に一人の沙弥(しゃみ、小僧)が住んでいました。姓名は今も分かっていません。その小僧は法華経をはっきりと読誦することが出来ましたが、「薬草喩品」の「靉靆(あい...
巻三

巻三第十八話 聖者が小僧に化けていた話

巻3第18話 駈二人羅漢弟子比丘語 第(十八) 今は昔、天竺(インド)の王城(都)では、三宝(仏法僧)を供養するとき、蘇(チーズのような乳製品)・蜜(はちみつ)がなければ、供養しませんでした。 ある施主が山寺に登り、比丘(僧)を供養しよ...
巻七

巻七第十九話 霊廟で神と語った僧の話

巻7第19話 震旦僧行宿太山廟誦法花経見神語 第十九 今は昔、震旦の隋の大業の時代(605年〜618年)、一人の僧がいました。「仏法を修行しよう」と思ってここかしこと遊行していましたところ、太山(泰山)の霊廟に至りました。 ...
巻三十一

巻三十一第十五話 犬の妻となった女の話

巻31第15話 北山狗人為妻語 第十五 今は昔、京に住む若い男が北山(きたやま・京都の北方の山々の総称)の辺りに遊びに行ったのですが、いつしか陽がとっぷりと暮れてしまいました。 どことも知れぬ野山の中に迷い込んで、道も分からなくなり、帰...
巻七

巻七第十八話 経の文字が消えた話

巻7第18話 震旦河東尼読誦法花経改持経文字語 第十八 今は昔、震旦の河東(山西省)という所に誠心誠意仏道を修行する尼がいました。常に心身を清浄に保ち、長年法華経を読誦し続けていました。 あるとき、法華経を書写しようと考え、人に頼んで書...
巻十九

巻十九第二十七話 児よりも母を助けた話

巻19第27話 住河辺僧値洪水棄子助母語 第廿七 今は昔、高潮が上がって、淀川の水かさが増し、河辺の多くの人の家が流れました時に、年のほど五、六歳くらいで、色白く見た目も端正な、気配りもしっかりできる男の子をもって、片時も身も離さず可愛が...
巻七

巻七第十七話 鬼を捕まえた僧の話

巻7第17話 震旦会稽山弘明転読法花経縛鬼語 第十七 今は昔、震旦の会稽山に一人の僧が住んでいました。名を弘明(ぐみょう)といいます。幼少の頃に出家し、戒律を良く守り、禅定を修めました。かつては山陰雲門寺という寺に住み、昼夜を問わず法華経...
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