巻五

巻五第十三話 焼身した兎 月の兎が生まれた話

今昔物語集 巻5第13話 三獣行菩薩道兎焼身語 第十三 今は昔、天竺に兎・狐・猿、三匹の獣がいました。彼らは誠の心を起こして菩薩の修行をしていました。 「わたしたちは前世に深く重い罪を負い、賤しい獣として生を受けた。これは前世に生き...
巻七

巻七第五話 二人の僧の明暗を分けた修行のあり方

巻7第5話 震旦并州道俊写大般若経語 第五 今は昔、震旦の并州(へいしゅう)に一人の僧がおりました。名を道俊といい、出家をして以来念仏三昧の修行に一生を賭ける決意で極楽往生を願い続け、それ以外の修行のことなどはまったく考えもしませんでした...
巻三十一

巻三十一第三十三話 空に去っていった娘の話(かぐや姫の物語)

巻31第33話 竹取翁見付女児養語 第卅三 今は昔、ひとりのおじいさんがおりました。竹を取って籠をつくり、それを売って生活していました。 おじいさんがいつものように籠をつくろうと竹の林に入っていくと、光る竹がありました。竹の節の中には、...
巻一

巻一第十一話 食を乞うた釈迦が門前払いされた話

巻1第11話 仏入婆羅門城乞食給語 第十一 今は昔、仏は婆羅門の都に入り、乞食(こつじき、托鉢)しようとしました。そのとき、この都の外道(仏教以外の宗教を奉じる者)が考えました。 「狗曇比丘(ぐどんびく、釈尊)という者がこの町で乞食して...
巻七

巻七第四話 神童が前世を知る話

巻7第4話 震旦僧智諳誦大般若経二百巻語 第四 今は昔、震旦の都に僧がおりました。名を僧智と申しました。香炉を呑む夢を見た母親が懐妊してできた子なのですが、生まれ落ちるなり『大般若経』と経典名を唱えたものですから、まわりはみな不思議がりま...
巻二十九

巻二十九第十八話 羅城門の老婆の話(芥川龍之介『羅生門』元話)

巻29第18話 羅城門登上層見死人盗人語 第十八 今は昔、摂津の国(大阪府)から、盗みをするために京に入ってきた男がありました。 羅城門に至りましたが、日が暮れる前だったので、まだ朱雀大路(京のメインストリート)の方に向かっていく人が多...
巻二十二

巻二十二第五話 藤原北家中興の祖・冬嗣と三人の息子たち

巻22第5話 閑院冬嗣右大臣幷子息語 今は昔、閑院(かんいん)の右大臣、冬嗣(ふゆつぐ)と申し上げる方にたくさんの御子(みこ)たちがおいでになりました。長兄を長良(ながら)の中納言と申し上げます。どういうわけか、この中納言は長男でいらっし...
巻二十

巻二十第三話 天狗が仏に化けて古木に現れた話

巻20第3話 天狗現仏坐木末語 第三 今は昔、延喜の天皇(醍醐天皇)のころ(897~930)、五条の道祖神がいらっしゃるところ(現在の松原道祖神社)に、実のならない大きな柿の木がありました。 その柿の木の上に、仏が現われました。 まば...
巻一

巻一第十話 提婆達多が仏をあやめる話

巻1第10話 提婆達多奉諍仏語 第十 今は昔、提婆達多(だいばだった、デーヴァダッタ)という人がありました。釈尊の父方のいとこに当たります。提婆達多は釈尊の父・浄飯王の弟、黒飯王の子です。 提婆達多がいまだ太子だったころ、雁を射ました。...
巻十七

巻十七第二話 乱暴者を地蔵菩薩と思い込んだ話

巻17第2話 紀用方仕地蔵菩薩蒙利益語 第二 今は昔、尾張に、長く公にとつとめた後、出家して、入道と称した人がありました。その人の家に一人の乱暴者がありました。武蔵介紀用方(むさしのすけきのもちかた)といいました。用方は武勇をもって聞こえ...