巻九巻九第十四話 死後の世界で母を助けた話 巻9第14話 震旦江都孫宝於冥途済母活語 第十四 今は昔、震旦(中国)の江都(江蘇省揚州市)に、孫宝という人がありました。 若くして死にましたが、その身体があたたかいまま四十余日をすごし、ついに生き返って語りました。 「私が死んだとき... 2025.01.02巻九
巻二十九(全)巻二十九第三十七話 蜂が蜘蛛に怨みを晴らし損ねた話 巻29第37話 蜂擬報蜘蛛怨語 第卅七 今は昔、法成寺(藤原道長が京都市上京区に創建した寺)の阿弥陀堂の軒下に蜘蛛が巣を造っていました。その糸は長く、東の池の蓮の葉にまで達していました。この様子を見た人が「この蜘蛛の糸は随分長く引いたもの... 2025.01.02巻二十九(全)
巻十四巻十四第十七話 毒蛇だった金峰山の行者の話 巻14第17話 金峰山僧転乗持法花知前世語 第十七 今は昔、金峰山に僧がありました。名を転乗と申します。大和国(奈良県)の人です。たいへん荒っぽい心を持っていて、常に怒りと怨みの心を持っていました。 幼い日より法華経を習い、日夜読誦して... 2024.12.30巻十四
巻二十九(全)巻二十九第三十六話 蜂に襲われた盗賊の話 巻29第36話 於鈴香山蜂螫殺盗人語 第卅六 今は昔、都に水銀(みづかね)を商う人がいました。長年に渡って水銀商一筋でやってきて、今は大変な金持ちになり、財産のある豊かな家になっていました。伊勢国(三重県中部)と都の間を長年、百頭以上の馬... 2024.12.28巻二十九(全)
English1-4-3 The Prince Shaves His Hair and Enters the Forest of Ascetic Practices (Life of Gautama Buddha 09) The prince arrived at the forest of austerities of the ascetic Bhaga. Dismounting from his horse, he gently stroked its ... 2024.12.25English
巻十二巻十二第十話 八幡大菩薩と放生会の話 巻12第10話 於石清水行放生会語 第十 今は昔、八幡大菩薩が前生でこの国の帝王だったとき、軍をひきいて自ら出陣し、多くの命を奪いました。 はじめ大隅国(鹿児島県)に八幡大菩薩としてあらわれ、次に宇佐の宮(宇佐八幡宮、大分県宇佐市)に遷... 2024.12.23巻十二
巻三十一巻三十一第九話 同じ淫夢を見た夫婦の話 巻31第9話 常澄安永於不破関夢見在京妻語 第九 今は昔、常澄安永という人がありました。惟孝親王の下家司(しもけいし、家務を司る下級の者)です。安永は親王の封戸(税)を徴収するため、上野の国(群馬県)に入りました。何か月か経って帰国の際、... 2024.12.23巻三十一
巻二十九(全)巻二十九第三十五話 鷲を殺して恩を返した猿の話 巻29第35話 鎮西猿打殺鷲為報恩与女語 第卅五 今は昔、九州の□の国□郡に身分の低い人がいました。海辺に住んでいたので、その妻はいつも沢に出て、磯で貝や海藻を拾っていました。 ある日、隣の女と二人で磯に出て貝類を拾いに行ったとき、二人... 2024.12.19巻二十九(全)
巻二十九(全)巻二十九第三十四話 優れた鷹に逃げられた人の話 巻29第34話 民部卿忠文鷹知本主語 第卅四 今は昔、民部卿の藤原忠文という人がいました。京都の宇治に住んでいましたので、世間では、宇治の民の司の守と呼ばれていました。 忠文はとても鷹狩の好きな人でした。ちょうどその頃、式部卿の重明親王... 2024.12.19巻二十九(全)
English1-4-2 Departing the Castle with His Beloved Horse (Life of Gautama Buddha 08) Late at night, when midnight had passed, the gods and various celestial beings filled the sky and spoke to the prince in... 2024.12.16English
巻二十九(全)巻二十九第三十三話 鷲をのもうとして殺された蛇の話 巻29第33話 肥後国鷲咋殺蛇語 第卅三 今は昔、肥後の国(熊本県)の□郡に住んでいる人がいました。家の前に榎の大木が生えていて、その枝が繁ってかぶさるようになっているところに鷲小屋を作って、そこで鷲を飼っていました。 とこ... 2024.12.16巻二十九(全)
巻十四巻十四第十六話 普賢菩薩の使いに前世を知らされた僧の話 巻14第16話 元興寺僧蓮尊持法花経知前世報語 第十六 今は昔、美作の国(岡山県)に蓮尊という僧がありました。もとは元興寺の僧でしたが、寺を去り、本国に下って暮らしていました。 幼くして師に随い、法華経を習い、日夜に読誦していました。... 2024.12.12巻十四
巻十二巻十二第九話 比叡山の舎利会が京でおこなわれた話 巻12第9話 於比叡山行舎利会語 第九 今は昔、慈覚大師(円仁)が震旦(中国)から多くの仏舎利を持ち帰りました。貞観二年(860年)、惣持院を起こし、舎利会をはじめ比叡山の行事としました。多くの僧を請じ、音楽を調え、一日の法会を行いました... 2024.12.10巻十二
巻十九巻十九第二十一話 酒に棲む無数の蛇の話 巻19第21話 以仏物餅造酒見蛇語 第廿一 今は昔、比叡山の僧がありました。山にいてもうだつがあがらないので、山を去り、もとの生土(うぶすな、地元)の摂津の国(大阪府と兵庫県)で、妻をもうけて暮らしていました。里で法事や仏経の供養などがあ... 2024.12.05巻十九
巻二十九(全)巻二十九第三十二話 大蛇から主人を救った犬の話 巻29第32話 陸奥国狗山狗咋殺大蛇語 第卅二 今は昔、陸奥の国(青森県、岩手県、宮城県、福島県)の□の郡に住んでいる、身分の低い人がいました。家にたくさんの犬を飼っていて、いつもその犬たちを引き連れて深い山に分け入り、猪や鹿に犬たちをけ... 2024.12.05巻二十九(全)