巻二十六巻二十六第六話 継母が悪霊が憑いた人の家に娘をつれていく話(欠話) 巻26第6話 継母託悪霊人家将行継娘語 第六(欠文) 【解説】草野真一 『新日本古典文学大系37 今昔物語集5』(岩波書店)によれば、成立時から欠けていたらしい。 『今昔物語集』は似た話を続けて述べる「二話一類」という様式で記述され... 2023.07.28巻二十六
巻六巻六第四十一話 命を奪った畜生を供養するために生き返った男の話 巻6第41話 張居道書写四巻経得活語 第四十一 今は昔、震旦(中国)は温州の治中に、張居道という人がありました。妻子を喜ばせるために、猪・羊・鵝(雁)・鴨などを殺しました。 その後、十日もたたないうちに、居道は病を得て死にました。三夜を... 2023.07.27巻六
巻二十六巻二十六第五話④ 追放された母娘(埋められた児の話④) 巻26第5話 陸奥国府官大夫介子語 第五 (③より続く) 夜が明けるのも待ち遠しく、翌朝になって児に食事をさせたあと、従者たちを呼び集めて、兄のもとへ行きました。着いてみると、家は静かで、人もほとんどありません。「介殿は」と問うと、「国... 2023.07.25巻二十六
巻二十六巻二十六第五話③ 児の発見と蘇生(埋められた児の話③) 巻26第5話 陸奥国府官大夫介子語 第五 (②より続く) かの伯父は、急に児の顔を見たくなって、恋しく思いました。従者たちはみな出払っていて、呼ぶことができませんでした。それでも恋しく思ったので、舎人男が一人あったのに命じて、「馬に鞍を... 2023.07.25巻二十六
巻二十六巻二十六第五話② 継母の陰謀(埋められた児の話②) 巻26第5話 陸奥国府官大夫介子語 第五 (①より続く) 夫はこれを聞くと、鼻で笑って言いました。 「おまえは、さも難しいところであり、大事なことであるように言うなあ。私にまかせておけ。御前(継母)さえ許していただければ、誰がした... 2023.07.25巻二十六
巻二十六巻二十六第五話① 陸奥国の兄弟(埋められた児の話①) 巻26第5話 陸奥国府官大夫介子語 第五 今は昔、陸奥の国(東北地方太平洋岸)に、権勢も財力もある兄弟がありました。兄は弟よりどんなことでも勝っていました。国の介(長)をつとめ、政務をおこなっていたので、国の庁(国府)に常にあらねばならず... 2023.07.25巻二十六
巻十一巻十一第二十七話 慈覚大師円仁が比叡山を受け継いだ話 巻11第27話 慈覚大師始建楞厳院語 第廿七 今は昔、慈覚大師(円仁)は伝教大師(最澄)の入室写瓶の(瓶の水をうつすように教えを得た)弟子として、比叡山を受け継ぎました。仏法興隆の志はことに深いものでした。首楞厳院を建立して中堂を建て、観... 2023.07.18巻十一
巻二(全)巻二第四十話 聖者になった奴隷の話 巻2第40話 曇摩美長者奴富那奇語 第(四十) 今は昔、天竺(インド)に放鉢国(ほうはちこく)という国がありました。その国に一人の長者があり、名を曇摩美(どんまみ)といいました。たいへんな富豪で、その国第一の人でした。二人の子があって、兄... 2023.07.12巻二(全)
巻十七巻十七第四十七話 吉祥天女に米が尽きない袋をもらった話 巻17第47話 生江世経仕吉祥天女得富語 第四十七 今は昔、越前の国(福井県)に生江世経という人がありました。加賀(石川県)の掾(第三等官)でした。はじめはとても貧しく、食べることさえ難しいほどであったのに、とくに吉祥天女にねんごろに仕え... 2023.07.06巻十七
巻六巻六第四十話 阿弥陀経を読まず往生できなかった話 巻6第40話 震旦道珍始読阿弥陀経語 第四十 今は昔、震旦(中国)の梁の代に僧がありました。名を道珍といいます。念仏を修し、水想観(清水を念ずることからはじまる浄土観相法)をしていました。 あるとき、道珍は夢に水を見ることがありました。... 2023.07.04巻六
巻三巻三第十三話 妻が不在の間にひとりで亀肉を食べた王子の話 巻3第13話 仏耶説輸多羅宿業給語 第(十三) 今は昔、仏が悉達太子(シッダールタ)と申されていたときに、三人の妻がいらして、その中のお一人に耶輸多羅(やしゅだら、ヤショーダラー)と申される方がおりました。太子はその方を大層大事にされまし... 2023.07.02巻三
巻十四巻十四第一話 誰も知らない蓄えがあったため蛇になった律師の話 巻14第1話 為救無空律師枇杷大臣写法花語 第一 今は昔、比叡の山に無空律師という人がありました。幼くして山に入り、出家して後は、戒を破ることはありませんでした。心は正直であり、道心が深かったので、僧綱の位にまでなりましたが、ついに現世の... 2023.06.29巻十四
巻十一巻十一第二十六話 伝教大師最澄が比叡山を開いた話 巻11第26話 伝教大師始建比叡山語 第廿六 今は昔、伝教大師は比叡山を開き、根本中堂にみずから薬師如来の像をつくり、安置しました。天台宗を立て、智者大師(智顗)の教えをひろめました。 弘仁三年(812年)七月、法華三昧堂を... 2023.06.26巻十一
巻十一巻十一第二十五話 弘法大師空海が高野山を開いた話 巻11第25話 弘法大師始建高野山語 第廿五 今は昔、弘法大師(空海)は、真言の教え(密教)をさまざまな所に弘め、老に臨むと、多くの弟子に寺をゆずりました。 「私が唐にいたとき投げた三鈷が落ちたところに向かおう」 弘仁七年... 2023.06.24巻十一
巻二(全)巻二第三十九話 何をしても食べることができず餓死に追い込まれた僧の話 巻2第39話 天竺利群史比丘語 第(卅九) 今は昔、天竺(インド)に利群史という比丘(僧)がありました。この人は在家(出家する前)のときにも、衣食に乏しく貧しかったのですが、比丘になっても、さらに衣食を得ることができませんでした。 ある... 2023.06.23巻二(全)