巻二十七(全)

巻二十七第四十一話 少女に化けた狐を後ろに乗せて走った話

巻27第41話 高陽川狐変女乗馬尻語 第四十一 今は昔、仁和寺(にんなじ、*1)の東に高陽川(こうやがわ、*2)という川がありました。その川原には夕方になると、若くて見目麗しい女童(めのわらは、*3)が立っていて、馬に乗って京の方へ行く人...
巻二十(全)

巻二十第二十六話 乞食僧を打って圧死した男の話

巻20第26話 白髪部猪麿打破乞食鉢感現報語 第廿六 今は昔、備中の国小田の郡(岡山県笠岡市)に、白髪部の猪麿という人がありました。よこしまな心をもち、三宝(仏法僧)を信ぜず、また、人にものを与えることをとてもいやがっていました。 ある日...
English

4-26 Divine powers of Asanga Bodhisattva convert Vasubandhu Bodhisattva

Once upon a time, about 900 years after the Buddha’s death, there lived a Buddhist philosopher called Asanga Bodhisattv...
巻二(全)

巻二第十三話 白い衣をまとって生まれた女子の話

巻2第13話 舎衛城叔離比丘尼語 第(十三) 今は昔、天竺の王舎城(マガダ国の都)に、一人の長者がありました。家は大いに富み、無量の財宝がありました。一人の女子が生まれました。世に並ぶものがない端正な子でした。 その女子は生まれたとき、細...
巻六(全)

巻六第六話④ 経を守るため宝を投げ捨てた三蔵法師の話

巻6第6話 玄奘三蔵渡天竺伝法帰来語 第六 (③より続く) その後法師は幾多の貴い地に詣でました。帰国しようとすると、天竺の戒日王(ハルシャ王)は法師に帰依して、様々の財を与えました。その中に鍋がひとつありました。入れた物は取っても尽きず...
巻六(全)

巻六第六話③ 殺されかかった三蔵法師の話

巻6第6話 玄奘三蔵渡天竺伝法帰来語 第六 (②より続く) 法師はそこ(ナーランダの僧院)を出て、尊い霊場を巡礼し、さらに他国へ趣くために、恒伽河(ガンジス川)に至りました。八十余人とともに船に乗り、川を下りました。川の両岸は密林であり、...
巻六(全)

巻六第六話② 三蔵法師を待ったインドの高僧の話

巻6第6話 玄奘三蔵渡天竺伝法帰来語 第六 (①より続く) 法師は摩竭陀国(マガダ国)に至り、世無厭寺(ナーランダ大学/僧院)という寺に入りました。この寺の戒賢(シーラバドラ)論師は、正法蔵ともいわれています。法師はその弟子となり、法を伝...
巻三

巻三第一話 無限に住む在家、浄名(維摩)居士の話

巻3第1話 天竺毗舎離城浄名居士語 第一 今は昔、天竺の毗舎離城(びはりじょう、ヴァイシャーリー)に浄名(維摩、ヴィマラ・キールティ)居士(在家者)という翁がいらっしゃいました。この方の住まわれていた部屋は僅か5畳ほどの広さでした。と...
巻六(全)

巻六第六話① 般若心経を得た三蔵法師の話

巻6第6話 玄奘三蔵渡天竺伝法帰来語 第六 今は昔、唐の玄宗皇帝の時代、震旦に、玄奘法師という聖人がありました。 天竺に至る道の途上、広野を歩んでいるとき、日が暮れてしまいました。宿泊するところもなかったので、ただ足に任せて歩いていくと、...
巻十七(全)

巻十七第二十七話 立山の地獄に堕ちた女の話

巻17第27話 堕越中立山地獄女蒙地蔵助語 第廿七 今は昔、仏の道を修行する僧がありました。名を延好といいます。 越中の国(富山県)立山(飛騨山脈/北アルプス)に参って籠もっているとき、丑の時(午前二時)ごろ、人の影のような者が出てきまし...
巻二十七(全)

巻二十七第四十話 狐が守り神となった話

巻27第40話 狐託人被取玉乞返報恩語 第四十 今は昔、もののけがとりつく病にかかった人がありました。もののけは巫女の口を借りて言いました。 「おれは狐だ。たたりのために来たのではない。ただ、『こういうところにはおいしい食べ物がたくさんある...
巻二十七(全)

巻二十七第三十九話 狐が人妻に化けて家に来た話

巻27第39話 狐変人妻形来家語 第卅九 今は昔、今日にいた雑色(ぞうしき)の男の妻が、夕暮れ時の暗くなって来た頃に、用事があって大路を出た所、大分長いこと帰ってこなかったので、夫は、「どうしてこんな遅くになってるのに帰ってこないんだ」と...
巻二十七(全)

巻二十七第三十八話 女に化けて誘惑した狐の話

巻27第38話 狐変女形値播磨安高語 第卅八 今は昔、播磨国(兵庫県)に安高という近衛舎人(このえとねり、*1)がいました。右近の将監(*2)であった貞正の子です。法建院の御随人(みずいじん、*3)を務めていて、安高がまだ若かった頃に、殿...
巻二十七(全)

巻二十七第三十七話 狐が大きな杉の木に変身して射殺された話

巻27第37話 狐変大椙木被射殺語 第卅七 今は昔、□□の頃、春日神社の宮司であった中臣□□という者がいました。彼の甥に中大夫□という者がいました。彼の馬が、草を食んでいる間に見えなくなったので、馬を探して中大夫は従者を一人連れて、自らは...
巻二十(全)

巻二十第二十五話 乞食を打って報いを受けた人の話

巻20第25話 古京人打乞食感現報語 第廿五 今は昔、奈良に都があった時代、一人の人がありました。愚かな心をもち、因果(仏の教え)をまったく信じませんでした。 ある日、乞食の僧がやってきて、その人の居室に至りました。その人は乞食を見ておお...
タイトルとURLをコピーしました