巻三十(全)巻三十第九話 年老いた叔母を山に棄てる話 巻30第9話 信濃国姨母棄山語 第九 今は昔、信濃の国更科(長野県長野市)に住む者がありました。 年老いた姨母(をば、叔母)を家に住ませて、親のように養い、年来いっしょに暮らしていましたが、だんだん厭わしく思うようになりました。嫁はまるで... 2021.02.16巻三十(全)
巻四(全)巻四第三十六話 美しい鳥に乗って旅立った人々の話 巻4第36話 天竺安息国鸚鵡鳥語 第卅六 今は昔、天竺の安息国の人は仏法を知りませんでした。 この国に鸚鵡(オウム)という鳥が飛んできました。黄金の色をしていて、白いところや青いところもある美しい鳥です。しかも、この鳥は人間のようにもの... 2018.04.11巻四(全)
巻二(全)巻二第九話 砂を布施した人の話 巻2第9話 舎衛城宝天比丘語 第九 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の都)に、一人の長者がありました。家は大きく富み、無量の財がありました。長者は男子をさずかりました。世に並ぶ者のない美しい子でした。 子が生まれると、天から七宝の雨が降り... 2021.02.10巻二(全)
巻二十七(全)巻二十七第二十四話 妻の霊を抱いた話 巻27第24話 人妻死後成本形会旧夫語 第廿四 今は昔、京に年の若い侍がありました。年来貧乏で、世間で生活していく方法もありませんでした。その頃、□□という人が、国守になりました。 侍は数年来この守と旧知の間柄だったので、守の元に行くと、... 2021.04.17巻二十七(全)
巻二十七(全)巻二十七第二十三話 播磨国の鬼が、人家に来て射られた話 巻27第23話 播磨国鬼来人家被射語 第廿三 今は昔、播磨国(兵庫県姫路市)の□□郡に住んでいる人が死んだので、その後に死穢を祓おうとして、陰陽師を呼んで家にしばらく居てもらったが、その陰陽師が言うには、「こんど、某日に、この家に鬼が来る... 2021.03.31巻二十七(全)
巻十七(全)巻十七第二十四話 狩りの途中で地蔵を見た男の話 巻17第24話 聊敬地蔵菩薩得活人語 第廿四 今は昔、源の満仲の朝臣という人がありました。勇猛で武芸の道に長けていました。公私にわたって、その道で並ぶ者はありませんでした。 その人のもとに、一人の郎等(家来)がありました。荒っぽく殺生を... 2021.03.06巻十七(全)
巻三十(全)巻三十第八話 姫を誘拐した従者の話 巻30第8話 大納言娘被取内舎人語 第八 今は昔、□□天皇の御代に、大納言□□という人がありました。たくさんの子の中に、姿かたちがとくに美しい女子がひとりありました。父の大納言は彼女をことのほか愛し、片時も離すことなく養いました。... 2021.02.03巻三十(全)
巻五(全)巻五第三十一話 穴の奥の不思議な世界、石になった男の話 巻5第31話 天竺牧牛人入穴不出成石語 第卅一 今は昔、天竺に仏が未だ出られていないころ、ひとりの牛飼いがありました。数百頭の牛を飼っていました。林の中に至ると、いつも一頭の牛が群れを離れ、ゆくえをくらましていました。どこに行ったのかわか... 2020.12.09巻五(全)
巻二十七(全)巻二十七第二十二話 猟師の母が鬼となり、子どもを食べようとした話 巻27第22話 猟師母成鬼擬噉子語 第廿二 今は昔、□□国の□□郡に、鹿や猪を殺すことを生業としている、兄弟二人がいました。いつも山に行って、鹿を射れば、兄弟で一緒に山に行っていました。 「待ち」ということをしていました。それは高い木の... 2021.03.05巻二十七(全)
巻二十七(全)巻二十七第二十一話 霊の荷物を運んだ男が、中を見て死んだ話 巻27第21話 美濃国紀遠助値女霊遂死語 第廿一 今は昔、長門国(山口県)の前司、藤原孝範(*1)という人がおりました。その人が下総(千葉県)権守(ごんのかみ、国司)だった時に、関白殿に仕えていた者で、美濃国にある生津(いくつ、*2)の荘... 2021.02.26巻二十七(全)
今昔物語集について漱石、芥川、芳賀矢一そして南方熊楠 Twitterで『今昔物語集』に関するたいへん興味ぶかい論議があったのでご紹介いたします。 発端は、牛頭凡俗さん(@GozuBonzoku)による次のツイートがあったことです。 要約しますと、芥川龍之介が作家デビューの前に習作である『鼻... 2021.01.25今昔物語集について
巻十七(全)巻十七第二十三話 冥途で六人の地蔵が救ってくれた話 巻17第23話 依地蔵助活人造六地蔵語 第廿三 今は昔、周防の国(すおうのくに、山口県防府市)の一の宮(その地でもっとも格式の高い神社)に、玉祖の大明神という神社がありました。そこの宮司で、玉祖の惟高という人がありました。宮司の子孫ではあ... 2021.02.06巻十七(全)
巻五(全)巻五第三十話 女の甘い声を聞き力を失った仙人の話 巻5第30話 天帝釈夫人舎脂音聞仙人語 第三十 今は昔、帝釈天(インドラ神)には舎脂(しゃし、シャチー)夫人という妻がありました。毗摩質多羅(びましったら)阿修羅王の娘です。釈尊がご誕生される前、ひとりの仙人がありました。名を提... 2020.11.27巻五(全)
巻三十(全)巻三十第七話 女を追い九州に下った少将が拉致された話 巻30第7話 右近少将□□□□行鎮西語 第七 今は昔、右近の少将□□という人がありました。容姿やありさまが美しく、心持ちのよい人でした。管絃をたしなんでいました。 九月十日のころ(旧暦)、月がとても美しい夜に、少将が人の家をたずねることが... 2021.01.20巻三十(全)
巻四(全)巻四第三十五話 子が死んでも動じない父母の話 巻4第35話 仏御弟子値田打翁語 第卅五 今は昔、天竺。 仏の御弟子である一人の比丘(僧侶)が歩いていました。 老人と若い男がふたり、荒地を耕しています。 比丘が「田を作っているのだろう」と思っていると、若い男が急に倒れ、死... 2018.04.06巻四(全)