巻一(全)

巻一第二十四話 郁伽長者が五人の妻を捨て出家した話(欠話)

巻1第24話 郁伽長者詣仏所出家語 第廿四(欠文) 【解説】 草野真一 郁伽(ゆが、ウッガ、ウッガハ)長者は在家信者として有名な人であり、たいへんな資産家であった。原始仏典の登場人物だから、実在した人である可能性が高い。商業都市ヴァイ...
巻五(全)

巻五第十一話 小僧の血が五百の旅人を救った話

巻5第11話 五百人商人通山餓水語 第十一 今は昔、天竺に五百人の商人があり、商用で他国に行く途中にある山を通りました。かれらは一人の小僧(沙弥、しゃみ、年少の僧)を連れていました。 間違った方向に足をすすめ、山深い場所に迷い込んでしまいま...
巻一(全)

巻一第二十三話② 旅路の果てに道を求めた王の話

巻1第23話 仙道王詣仏所出家語 第廿三 (巻一第二十三話①より続く) 仙道王は影勝王に書状を送りました。 「私はあなたのおかげで真諦(真理)を得ました。願わくは、比丘(僧)に会ってみたいと思っています。わが国に呼んでいただけますでし...
巻二十四

巻二十四第十一話 竜を見た男を治した名医の話

巻24第11話 忠明治値竜者語 第十一 今は昔、□□天皇の御代に、天皇が内裏においでになっている間、ちょうど夏の頃のことで、涼もうと、滝口(たきぐち・宮中警護の武士)の侍たちの多くが八省(はっしょう・八省院のこと。朝堂院ともいい、中央行政...
巻一(全)

巻一第二十三話① 仏の絵に怒り、攻め入ろうとした王の話

巻1第23話 仙道王詣仏所出家語 第廿三 今は昔、天竺に都城がふたつありました。それぞれ花子城(けしじょう)、勝音城(しょうおんじょう)といいました。ふたつの都城は、栄えたり衰えたりしました。 あるとき、勝音城の人がみな富んで楽しむこと...
巻二十七(全)

巻二十七第二話 宇多院が霊と対話した話

巻27第2話 川原院融左大臣霊宇陀院見給語 第二 今は昔、川原院は、融の左大臣(源融)が造ってお住まいなされた家でした。陸奥国(東北地方)の塩窯の塩水を汲み、池に湛えさせた様子は、様々になんとも言いようのないくらい素晴らしい風流なもの...
Hrvatski(Croatian)

5. svezak, 13. priča, Kako je nastao zec na Mjesecu

Jednom davno u Indiji su u živjele tri životinje: zec, lisica i majmun. Duhovnim treningom poticali su pobuđivanje Istin...
巻二十四

巻二十四第十話 唐人の名医・長秀の話

巻24第10話 震旦僧長秀来此朝被仕医師語 第十 今は昔、天暦(てんりゃく・村上天皇)の御代に、震旦(しんたん)から渡来した僧がいました。 名を長秀(ちょうじゅう)といいます。 もとは医師でありましたが、九州に住みついて帰国するつもり...
巻五(全)

巻五第十話 法を求めて身体を刺した国王の話

巻5第10話 国王為求法以針被螫身語 第十 今は昔、天竺に王がありました。王は法を求めるため王位を捨て、山林に入って修行しました。 一人の仙人があらわれ、国王に告げました。「私は法文を持っている。おまえに教えようと思うが、どうか」「私は法...
巻十九

巻十九第三話 陰陽師の賀茂忠行の子・慶滋保胤の道心(その2)

巻19第3話 内記慶滋ノ保胤出家語 第三 (その1より続く) その後、東山の如意(にょい・如意輪寺)という所に住んでいましたが、六条院(ろくじょうのいん)から「すぐに参上せよ」と、お召しがあったので、知人の馬を借りて、それに乗って朝早く...
巻十九

巻十九第三話 陰陽師の賀茂忠行の子・慶滋保胤の道心(その1)

巻19第3話 内記慶滋ノ保胤出家語 第三 今は昔、□□天皇の御代に、内記(ないき・朝廷の書記)慶滋保胤(よししげのやすたね)という者がいました。 実際は、陰陽師・賀茂忠行(かものただゆき)の子です。 けれども、□□という博士の養子とな...
巻二十(全)

巻二十第九話 奇怪な老僧と幻術の話

巻20第9話 祭天狗法師擬男習此術語 第九 今は昔、京にあやしい術をおこなう法師がありました。履いている足駄や草履などを、とつぜん犬の子に変えて這わせたり、懐から狐を出したり、馬や牛の尻から入って、口から出るなどしていました。 いつもこ...
巻十九

巻十九第二話 大江定基、出家して寂照となる(その2)

巻19第2話 参河守大江定基出家語 第二  (その1より続く) そののち、寂照(じゃくしょう)は京の町で喜捨を請うて歩いていましたが、とある家に至ると、彼を家へ呼び上げて畳に坐らせ、ご馳走を供えて食べさせようとします。そのとき、簾を巻き...
巻十九

巻十九第二話 大江定基、出家して寂照となる(その1)

巻19第2話 参河守大江定基出家語 第二 今は昔、円融天皇(えんゆうてんのう)の御代に、三河守(みかわのかみ・現在の愛知県東部の国司)大江定基(おおえのさだもと)という人がいました。 参議左大弁式部(さんぎさだいべんしきぶ)済光(なりみ...
巻四(全)

巻四第十九話 経を聞いた鼠の話

巻4第19話 天竺僧房天井鼠聞経得益語 第十九 今は昔、仏が涅槃に入った後の天竺に、ひとりの比丘がある房に住んでおりました。常に法華経を誦していました。その房の天井の上に五百の老鼠がおり、日々夜々に法華経を聞き、数(あまた)の年をかさねま...
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