巻二十四巻二十四第一話 優れた人たちが不思議なものを目撃する話 巻24第1話 北辺大臣長谷雄中納言語 第一 今は昔、北辺の左大臣という方がいらっしゃいました。嵯峨天皇の皇子で、信(まこと)という名前でした。 一条の北のあたりに住んでいらっしゃったので、北辺の大臣と呼ばれていました。 いろいろなこと... 2019.10.03巻二十四
巻十七(全)巻十七第六話 地蔵が火事を知らせた話 巻17第6話 地蔵菩薩値火難自出堂語 第六 今は昔、土佐の国に室戸津(高知県室戸市)というところがありました。草堂があり、津寺と呼んでいました。その堂の檐(たる、日除け)はすべて焼け焦げていました。堂は人里から遠く離れた海岸にありました。... 2019.09.28巻十七(全)
巻四(全)巻四第十五話 尽きない桶の飯、貧しい老人が富む話 巻4第15話 天竺舎衛国髪起長者語 第十五 今は昔、天竺の舎衛国(コーサラ国)に一人の翁がありました。八十歳にして、とても貧しい人でした。物乞いをして生きていました。この翁に妻がありました。妻はとても髪が長く、彼女より長い髪を持つ者はあり... 2020.12.25巻四(全)
巻二十(全)巻二十第七話 鬼と交わり続けた皇后の話 巻20第7話 染殿后為天狗被嬈乱語 第七 今は昔、染殿后といい、文徳天皇の母(実際には后)であり、藤原良房太政大臣(関白)の娘にあたる人の話です。比するもののない妙なる美しさを備えた方でした。 この后は、常にもののけの病を患... 2019.09.14巻二十(全)
巻四(全)巻四第十四話 森で裸の女に出会った話 巻4第14話 天竺国王入山見裸女令着衣語 第十四 今は昔、天竺の国王が多くの従者をひきつれて山に入り、狩をしていたときのことです。長く歩いたためひどく疲れ、空腹でたまらなくなりました。見ると、山中に大きな樹があり、その下に金の床几をおいて... 2020.11.29巻四(全)
巻一(全)巻一第二十話 王女の出家(欠話) 巻1第20話 仏耶輸陀羅令出家語 第二十 【解説】草野真一 タイトルだけあって、中身がない。 革袋に酒が入っていない理由について、多くの人が詮索した。千年も! 今でも続いている。 前話が女性出家者第一号となった摩訶波闍波提(まかはじゃ... 2019.09.01巻一(全)
巻二十五(全)巻二十五第三話 武者の一騎打ち 巻25第3話 源宛平良文合戦語 今は昔、東国に源充(みなもとのみつる)、平良文(たいらのよしふみ)という二人の武人がいました。 充は通称、田源二(みのたのげんに)、良文は村岳五郎(むらおかのごろう)といいました。 この二人... 2019.08.24巻二十五(全)
巻二十九巻二十九第二話 多衰丸と調伏丸、二人の盗人の話 巻29第2話 多衰丸調伏丸二人盗人語 第二 今は昔、世に二人の盗人がいました。多衰丸(たすいまろ)調伏丸(ちょうぶくまろ)といいました。多衰丸は世間によく知られた盗人でしたが、土蔵破りを常習としていました。度々捕らえられて獄に繋がれていま... 2021.08.24巻二十九
巻五(全)巻五第九話 法を聞くために身を焼いた王の話 巻5第9話 転輪聖王為求法焼身語 第九 今は昔、天竺に転輪聖王(世界を支配する理想的帝王)がありました。一切衆生を利益するために、法を求めて、閻浮提(えんぶだい、世界)に宣旨を下しました。「閻浮提の内に、誰か仏法を知る者はあるか」「辺土に... 2021.01.21巻五(全)
巻一(全)巻一第十九話 はじめて出家した女の話 巻1第19話 仏夷母憍曇弥出家語 第十九 今は昔、憍曇弥(きょうどんみ)という人がいました。釈迦仏の叔母であり、母の摩耶夫人(まやぶにん)の妹にあたる人です。 仏が迦維羅衛国(かいらえこく)にあるとき、憍曇弥は言いました。 「女人も精... 2019.07.25巻一(全)
巻二十五(全)巻二十五第二話 西国・藤原純友の乱 巻25第2話 藤原純友依海賊被誅語 今は昔、朱雀天皇の御代に、伊予掾(いよのじょう・現在の愛媛県、その三等官)藤原純友(ふじわらのすみとも)という者がいました。 筑前守(ちくぜんのかみ・現在の福岡県の一部の国司)良範(よしのり)という人... 2019.07.11巻二十五(全)
巻十七(全)巻十七第五話 夢に地蔵を見た話 巻17第5話 依夢告従泥中掘出地蔵語 第五 今は昔、陸奥(東北地方太平洋岸)の前司(前任の国司)に、平朝臣孝義(たいらのあそんたかよし、朝臣は姓の敬称)という人がありました。その家に仕える人で、字(あざな)を藤二という人がありました。本名は... 2019.07.10巻十七(全)
巻二十五(全)巻二十五第一話 東国・平将門の乱(その3) 巻25第1話 平将門発謀反被誅語 (その2より続く) ところで、諸国の国司たちはこのことを漏れ聞いて皆、急いで京へ上りました。 新皇は武蔵国・相模国(東京・埼玉・神奈川)などにまで回って行き、国の印鎰(いんやく)を取り上げ、租税労役を... 2019.06.17巻二十五(全)
巻二十五(全)巻二十五第一話 東国・平将門の乱(その2) 巻25第1話 平将門発謀反被誅語 (その1より続く) このように始終、合戦が行われていましたが、ここに武蔵権守(むさしごんのかみ)興世王(おきよのおう)という者がありました。 これは、将門と心を同じくする者です。 正式に... 2019.06.17巻二十五(全)
巻二十五(全)巻二十五第一話 東国・平将門の乱(その1) 巻25第1話 平将門発謀反被誅語 今は昔、朱雀院(すざくいん)の御代のとき、東国に平将門(たいらのまさかど)という武人がいました。 これは桓武天皇の子孫の高望親王(たかもちしんのう)と申す方の子にあたる鎮守府将軍(ちんじゅふしょうぐん)良持... 2019.06.16巻二十五(全)