巻十四

巻十四第二話 殺し合い続けた鼠と蛇の話

巻14第2話 信濃守為蛇鼠写法花救苦語 第二 今は昔、信濃守の□という人がありました。 任国の信濃(長野県)の任期を終えて、京ににのぼるとき、大きな蛇がお供についてきました。一行がとどまると蛇もとどまり、薮の中におりました。昼は、前にな...
巻十一(全)

巻十一第二十七話 慈覚大師円仁が比叡山を受け継いだ話

巻11第27話 慈覚大師始建楞厳院語 第廿七 今は昔、慈覚大師(円仁)は伝教大師(最澄)の入室写瓶の(瓶の水をうつすように教えを得た)弟子として、比叡山を受け継ぎました。仏法興隆の志はことに深いものでした。首楞厳院を建立して中堂を建て、観...
巻十一(全)

巻十一第二十六話 伝教大師最澄が比叡山を開いた話

巻11第26話 伝教大師始建比叡山語 第廿六 今は昔、伝教大師は比叡山を開き、根本中堂にみずから薬師如来の像をつくり、安置しました。天台宗を立て、智者大師(智顗)の教えをひろめました。 弘仁三年(812年)七月、法華三昧堂を...
巻二(全)

巻二第三十九話 何をしても食べることができず餓死に追い込まれた僧の話

巻2第39話 天竺利群史比丘語 第(卅九) 今は昔、天竺(インド)に利群史という比丘(僧)がありました。この人は在家(出家する前)のときにも、衣食に乏しく貧しかったのですが、比丘になっても、さらに衣食を得ることができませんでした。 ある...
巻二十(全)

巻二十第四十六話 能登守の善政の話

巻20第46話 能登守依直心息国得財語 第四十六 今は昔、能登(石川県北部)の守(かみ、国司)□という人がありました。心がまっすぐで、よく国を治めていました。また、国内の仏神を崇め、ねんごろに仕えていました。国内は平穏で、雨風も時節にした...
巻十一(全)

巻十一第二十五話 弘法大師空海が高野山を開いた話

巻11第25話 弘法大師始建高野山語 第廿五 今は昔、弘法大師(空海)は、真言の教え(密教)をさまざまな所に弘め、老に臨むと、多くの弟子に寺をゆずりました。 「私が唐にいたとき投げた三鈷が落ちたところに向かおう」 弘仁七年...
巻十七(全)

巻十七第四十六話 吉祥天女が食をふるまってくれた話

巻17第46話 王衆女仕吉祥天女得富語 第四十六 今は昔、聖武天皇の御代に、二十三人の王衆(王族)がありました。順に食事をふるまい、宴を催すことが決まりました。 二十三人の中に、一人の女王がありました。とても貧しく、みなに食事をふるまう...
巻二(全)

巻二第三十八話 盲目の物乞いに生まれ変わった大金持ちの話

巻2第38話 天竺祖子二人長者慳貪語 第(卅八) 今は昔、天竺(インド)に親子の長者がありました。父も子もともに家は大いに富み、ゆたかな財宝をもっていました。しかし、たいへんな慳貪(吝嗇)で、施の心は全くありませんでした。たまに物乞いが家...
巻六(全)

巻六第三十九話 地獄で首楞厳経を講じた法師の話

巻6第39話 震旦法祖於閻魔王宮講楞厳経語 第卅九 今は昔、震旦に僧がありました。名を法祖といいます。河内(かだい)の人です。幼少時に出家して道を行いました。長安に寺をつくり、その寺で首楞厳経(しゅりょうごんきょう)を講ずるのを仕事として...
巻二十四

巻二十四第四十五話 小野篁、隠岐に流され歌を詠む

巻24第45話 小野篁被流隠岐国時読和歌語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 ある罪により、隠岐国(おきのくに・現在の島根県隠岐諸島、中世まで流刑地)に流されたとき、船に乗って出発しようとして、京の知人の許に、こう詠...
巻六(全)

巻六第三十八話 維摩経を書写し父母を救った書生の話

巻6第38話 震旦会稽山陰県書生書写維摩経生浄土語 第卅八 今は昔、震旦(中国)の会稽山の陰県(会稽郡山陰県)に、一人の書生がありました。姓名はわかりません。身の病(持病)があるゆえに、願を発して、維摩経を書写しました。題を書くとき、その...
巻二(全)

巻二第三十七話 全身から炎を出し咆哮する餓鬼の話

巻2第37話 満足尊者至餓鬼界語 第(卅七) 今は昔、仏の御弟子である満足尊者が神通をもって、餓鬼界に行き、ひとりの餓鬼を見ました。たいへんに恐怖(おそろ)しい形をしていて。身の毛が竪(よだ)ち、心迷(まど)うものでした。身から火を出し、...
巻十一(全)

巻十一第二十四話 女の色香に惑いただの人になった久米仙人の話

巻11第24話 久米仙人始造久米寺語 第廿四 今は昔、大和国吉野の郡(奈良県吉野郡)に龍門寺という寺がありました。寺には二人が籠って、仙の法を修行していました。一人をあづみ、一人を久米といいます。あづみは先に修行を完成させ、仙人となり、空...
巻二(全)

巻二第三十六話 糞尿を食べる奇怪な子の話

巻2第36話 天竺遮羅長者子閻婆羅語 第(卅六) 今は昔、天竺の毗舎離城(びしゃりじょう、バイシャリ)に長者がありました。名を遮羅(しやら)といいます。その妻は、懐任した後、身が臭く穢れて、すべての人が近づかなくなりました。月が満ちて、男...
巻二十(全)

巻二十第四十五話 小野篁、右大臣の良相を蘇生させる

巻20第45話 小野篁依情助西三条大臣語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 まだ学生の身分だったとき、あることで朝廷が篁を処罰したのですが、当時、西三条大臣(にしさんじょうのおとど)・良相(よしみ、藤原良相・冬嗣の五...
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