巻四

巻四第三十話 死人の頭を売り歩く男の話

巻4第30話 天竺婆羅門貫死人頭売語 第三十 今は昔、天竺に一人のバラモンがありました。多くのドクロをヒモでつないで持ち歩き、王城に入って大声で叫びます。 「おれは死人のたくさんのドクロ貫いて持って歩いている。このドクロを買う人はい...
巻七

巻七第二話 死者の右手が光を放ち、蘇生した話

巻7第2話 唐高宗代書生書写大般若経語 第二 (巻七第二話 閻魔大王の裁きを待つ書記生の右手が写経の功徳で大光明を放ち、蘇生を許された話) 今は昔、震旦の唐の高宗の治世、乾封元年に、ひとりの書生がおりました。重病にかかってたちま...
巻四

巻四第二十九話 何万年も生きた修行僧が山中で発見された話

巻4第29話 天竺山人見入定人語 第廿九 今は昔、天竺に山がありました。かぎりなく峻厳でした。 釈尊が入滅したのちのある日のことです。その山が落雷によって崩れました。崩れた山に入ると、ひとりの比丘(僧侶)がおりました。身体は枯れ...
今昔物語集について

芥川龍之介、『今昔物語集』を語る(名文だ)

芥川初期の代表作『鼻』『芋粥』『羅生門』は『今昔物語集』に材をとっている。 『羅生門』は黒澤明が映画にし、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、アカデミー賞特別賞を受賞した。「世界のクロサワ」と呼ばれるようになったのはこの後だ。 ……...
巻四

巻四第二十八話 観音菩薩像が生身になって願いをかなえる話

巻4第28話 天竺白檀観音現身語 第廿八 今は昔、釈迦が涅槃に入った後のことです。摩訶陀(まがだ)国に伽藍がありました。名を□□寺といいます。その寺の堂に、白檀(びゃくだん)の観音菩薩の像がありました。 たいへん霊験あら...
巻四

巻四第二十七話 清弁が真っ暗な毒蛇の窟に入った話

今昔物語集 巻四 護法清弁二菩薩空有諍語 第廿七 今は昔、天竺の摩訶陀(まがだ)国に、護法菩薩という聖人がありました。世親菩薩の弟子です。教法をひろめ、智恵甚深なることで、人に勝っていました。その門徒も多くありました。 同じころ...
巻五

巻五第三話 王が盗人を大臣にした話

巻5第3話 国王為盗人被盗夜光玉語 第三 今は昔、天竺にある国がありました。その国の王はこの世にふたつとない宝とされる夜光の玉を持っていました。それを蔵に納めておいたところ、泥棒がどうやってか入り込んでそれを盗んでしまいました。 ...
巻五

巻五第二話 国王が山に入って姫を獅子に取られる話

巻5第2話 国王狩鹿入山娘被取師子語 第二 今は昔、天竺にある国がありました。その国の王は山へ行き、人を使ってほら貝を吹かせたり鼓を鳴らしたりと山間に入らせて鹿を脅かして追いたて、そのように楽しむことがありました。さて、その王にはそれ...
巻七

巻七第一話 光を放つ『大般若経』 美しい夢を見た話

今昔物語集 巻7第1話 唐玄宗初供養大般若経語 第一 今は昔、震旦は唐の玄宗(正しくは高宗)皇帝の御代に、玄奘三蔵が『大般若経』の翻訳に取りかかりました。玉華寺という大伽藍にこもり、梵語から漢語に訳したものを寂照や慶賀らその寺の高僧に...
巻四

巻四第二十六話 無着の神通力が世親を改心させた話

今昔物語集 巻4第26話 無着世親二菩薩伝法語 第廿六 今は昔、仏滅後九百年のころ、中天竺の阿輸遮国というところに、無着菩薩という聖人がいらっしゃいました。智恵甚深、弘誓広大でした。夜は兜率天に昇って弥勒の御許で大乗の法を学び、昼は閻...