巻七

巻七

巻七第五話 二人の僧の明暗を分けた修行のあり方

巻7第5話 震旦并州道俊写大般若経語 第五 今は昔、震旦の并州(へいしゅう)に一人の僧がおりました。名を道俊といい、出家をして以来念仏三昧の修行に一生を賭ける決意で極楽往生を願い続け、それ以外の修行のことなどはまったく考えもしませんでした...
巻七

巻七第四話 神童が前世を知る話

巻7第4話 震旦僧智諳誦大般若経二百巻語 第四 今は昔、震旦の都に僧がおりました。名を僧智と申しました。香炉を呑む夢を見た母親が懐妊してできた子なのですが、生まれ落ちるなり『大般若経』と経典名を唱えたものですから、まわりはみな不思議がりま...
巻七

巻七第三話 邪教を崇める老母が天界に転生した話

巻7第3話 震旦豫州神母聞般若生天語 第三 今は昔、震旦の予州にひとりの老母がおりました。若い頃から因果の理法を否定する邪見の持ち主で、鬼神を崇める邪教を深く信仰し、仏法には目を向けようともしませんでした。仏法を嫌うあまりに寺や塔には...
巻七

巻七第二話 死者の右手が光を放ち、蘇生した話

巻7第2話 唐高宗代書生書写大般若経語 第二 (巻七第二話 閻魔大王の裁きを待つ書記生の右手が写経の功徳で大光明を放ち、蘇生を許された話) 今は昔、震旦の唐の高宗の治世、乾封元年に、ひとりの書生がおりました。重病にかかってたちま...
巻七

巻七第一話 光を放つ『大般若経』 美しい夢を見た話

今昔物語集 巻7第1話 唐玄宗初供養大般若経語 第一 今は昔、震旦は唐の玄宗(正しくは高宗)皇帝の御代に、玄奘三蔵が『大般若経』の翻訳に取りかかりました。玉華寺という大伽藍にこもり、梵語から漢語に訳したものを寂照や慶賀らその寺の高僧に...