巻七

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巻七第三十二話 苦を受ける死んだ友を見た話

巻7第32話 清斉寺玄渚為救道明写法花経語 第卅二 今は昔、震旦の隋の時代に、清斉寺という寺に、道明、玄緒という二人の僧が住んでいました。道明は先に亡くなってしまいました。 その後、玄緒がとある所へ行く途中に、一つの伽藍の辺りを行き過ぎ...
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巻七第三十一話 死後も召し使うため従者を殺した話

巻7第31話 為救馬写法花経免難人語 第卅一 今は昔、震旦の北斉の時代に一人の人がいました。姓は粱といって、その家は非常に富み栄えており、とても多くの財宝を持っていました。 この人がついに死に臨む時になって、妻子に言いました。「私はこれ...
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巻七第三十話 冥府をめぐった人が語った話

巻7第30話 震旦右監門校尉李山龍誦法花経得活語 第三十 今は昔、震旦の唐の時代、右監門の校尉という職位についていた李の山龍という人がいました。もとは馮州の人でした。武徳年間(618~626年)に急に亡くなりましたので、家の人たちは非常に...
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巻七第二十九話 ひとりだけ溺死を免れた女の話

巻7第29話 震旦都水使者蘇長妻持法花免難語 第廿九 今は昔、震旦の唐の時代に、河川や湖水に関することをつかさどった都水という役人の使者で、蘇長という人がいました。武徳年間(618~626年)に巴州(四川省)の刺史になりました。 蘇長は...
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巻七第二十八話 観音に二度救われた人の話

巻7第28話 震旦中書令岑文本誦法花免難語 第廿八 今は昔、震旦の役人で中書の令であった、岑の文本(しんのぶんぽん)という人がいました。幼い頃より仏法を信仰し、いつも法華経の普門品を読誦していました。 この人が多くの従者を引き連れて船に...
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巻七第二十七話 墓に咲いた蓮華の話

巻7第27話 震旦韋仲珪読誦法花経現瑞相語 第廿七 今は昔、震旦に韋の仲珪(いのちゅうけい)という人がいました。心根は正直で、父母に孝する心は最も深く、また兄弟を心から敬いましたので、郡里の人々は皆、仲珪をこの上なく可愛がっていました。 ...
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巻七第二十六話 死んだ妻に出会った人の話

巻7第26話 震旦魏州刺史崔彦武知前生持法花語 第廿六 今は昔、震旦の隋の開皇の代(581年~600年)に、魏州の刺史(地方官)で、博陵郡の、崔の彦武という人がいました。 担当地域の見回りをしているとき、ある里に着くと、彦武は突然驚喜し...
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巻七第二十五話 文盲の癩病患者を弟子にした話

巻7第25話 震旦絳州僧徹誦法花経臨終現瑞相語 第廿五 今は昔、震旦の唐の高宗の代(649~683年)に、絳州(山西省)に一人の僧がいました。僧徹という名です。幼いときに出家し、慈悲心深く、仏法の修行に専念していました。また、人に哀れみの...
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巻七第二十四話 猿に経を講じた話

巻7第24話 恵明七巻分八座講法花経語 第廿四 今は昔、震旦に恵明という僧がいました。出身地も、出家前の俗姓も分かっていません。 智恵の並外れて明瞭な人でした。幾度となく仏法の真理を理解し、常に法華経を講じていました。 あるとき、山奥...
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巻七第二十三話 地獄に堕ちた友を救った話

巻7第23話 震旦絳州孤山僧写法花経救同法苦語 第廿三 今は昔、震旦の絳州(こうしゅう)に、ひとつだけぽつんとそびえている山がありました。永徽(650~655年)の頃、この山の寺に二人の僧がいて、同じ房に住んでいました。一人は名を僧行とい...
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巻七第二十二話 生き返って経を書写した僧の話

巻7第22話 瓦官寺僧恵道活後写法花経語 第廿二 今は昔、震旦の南宋の時代、瓦官寺に一人の僧が住んでいました。名を恵道といいます。豫州の人でした。この人は恵果和尚と母を同じくする弟です。恵道は一生の内に功徳を修めるなどということはありませ...
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巻七第二十一話 糞を食らう鬼を救った話

巻7第21話 豫州恵果読誦法花経救厠鬼語 第廿一 今は昔、震旦の豫州(よしゅう)に恵果和尚という聖人がいました。広大な慈悲心を持って人々に功徳を与えるさまは、まるで仏のようでした。南京の瓦官寺(がかんじ)という寺に長く住んで、法華経や十地...
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巻七第二十話 経の二文字だけを忘れる小僧の話

巻7第20話 沙弥読法花経忘二字遂得悟語 第二十 今は昔、震旦の秦郡(南京)の東寺に一人の沙弥(しゃみ、小僧)が住んでいました。姓名は今も分かっていません。その小僧は法華経をはっきりと読誦することが出来ましたが、「薬草喩品」の「靉靆(あい...
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巻七第十九話 霊廟で神と語った僧の話

巻7第19話 震旦僧行宿太山廟誦法花経見神語 第十九 今は昔、震旦の隋の大業の時代(605年〜618年)、一人の僧がいました。「仏法を修行しよう」と思ってここかしこと遊行していましたところ、太山(泰山)の霊廟に至りました。 ...
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巻七第十八話 経の文字が消えた話

巻7第18話 震旦河東尼読誦法花経改持経文字語 第十八 今は昔、震旦の河東(山西省)という所に誠心誠意仏道を修行する尼がいました。常に心身を清浄に保ち、長年法華経を読誦し続けていました。 あるとき、法華経を書写しようと考え、人に頼んで書...
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