巻六(全)

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巻六第四十八話 経を聞き長命を得た少年の話

巻6第48話 震旦童児聞寿命経延命語 第四十八 今は昔、震旦(中国)の唐の玄宗の代、開元の末(開元は713~741)に、ひとりの相師(占い師)がありました。まるで掌を指すように、人の命の長短を言い当てました。 ある日、相師は資聖寺(浙江...
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巻六第四十七話 君はそのうち死ぬだろうと言われた人の話

巻6第47話 震旦張李通書写薬師経延命語 第四十七 今は昔、震旦(中国)の唐の時代、張李通という人がありました。二十七歳になったとき、相師(占い師)にいわれました。 「君の命はとても短い。三十一を越すことはない」 李通はこれを聞いて、...
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巻六第四十六話 薬師経の力で治癒した話

巻6第46話 震旦張謝敷依薬師経力除病語 第四十六 今は昔、震旦(中国)の唐の時代に、張謝敷(ちょうしゃやぶ)という人がありました。とつぜん病にかかり、かぎりなく辛苦悩乱しました。 そのとき、妻は思いました。 「この病は人の力で治癒で...
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巻六第四十五話 死んだ母が鹿となって現れた人の話

巻6第45話 震旦梓州郪県姚待写四部大乗語 第四十五 今は昔、震旦の梓州の郪県(四川省三台県)に姚待(ようたい)という人がありました。長安四年(704年)、丁憂(ていゆう、父母の喪中)のとき、姚待は願を発し、亡くなった父母のために、四部の...
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巻六第四十四話 翼が生えて極楽に飛んだ僧の話

巻6第44話 震旦僧感持観無量寿経阿弥陀経語 第四十四 今は昔、震旦(中国)の并州に僧がありました。名を僧感といいます。 心を発し、観無量寿経と阿弥陀経を読誦することを業として、長い月日を過ごしました。 ある日、夢を見ました。 「わ...
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巻六第四十三話 浄土教の祖・曇鸞大師の話

巻6第43話 震旦曇鸞焼仙経生浄土語 第四十三 今は昔、震旦(中国)の斉の代に僧がありました。名を曇鸞といいます。震旦の仙経(不老不死を説いた道教の経典)十巻を伝え得て、これを見て、「長生不死の法はこれに勝るものはない」と深く思い、閑かな...
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巻六第四十二話 義浄三蔵と武則天の話

巻6第42話 義浄三蔵訳最勝王経語 第四十二 今は昔、震旦(中国)に則天皇后(武則天・則天武后)という女帝がいらっしゃいました。仏記を受け、深く仏法を信じ、広く衆生(民)をあわれみました。 そのころ、義浄三蔵という聖人があり...
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巻六第四十一話 命を奪った畜生を供養するために生き返った男の話

巻6第41話 張居道書写四巻経得活語 第四十一 今は昔、震旦(中国)は温州の治中に、張居道という人がありました。妻子を喜ばせるために、猪・羊・鵝(雁)・鴨などを殺しました。 その後、十日もたたないうちに、居道は病を得て死にました。三夜を...
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巻六第四十話 阿弥陀経を読まず往生できなかった話

巻6第40話 震旦道珍始読阿弥陀経語 第四十 今は昔、震旦(中国)の梁の代に僧がありました。名を道珍といいます。念仏を修し、水想観(清水を念ずることからはじまる浄土観相法)をしていました。 あるとき、道珍は夢に水を見ることがありました。...
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巻六第三十九話 地獄で首楞厳経を講じた法師の話

巻6第39話 震旦法祖於閻魔王宮講楞厳経語 第卅九 今は昔、震旦に僧がありました。名を法祖といいます。河内(かだい)の人です。幼少時に出家して道を行いました。長安に寺をつくり、その寺で首楞厳経(しゅりょうごんきょう)を講ずるのを仕事として...
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巻六第三十八話 維摩経を書写し父母を救った書生の話

巻6第38話 震旦会稽山陰県書生書写維摩経生浄土語 第卅八 今は昔、震旦(中国)の会稽山の陰県(会稽郡山陰県)に、一人の書生がありました。姓名はわかりません。身の病(持病)があるゆえに、願を発して、維摩経を書写しました。題を書くとき、その...
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巻六第三十七話 今は死ぬ時期ではないと伝えられた僧の話

巻6第37話 震旦并州道如書写方等生浄土語 第卅七 今は昔、震旦(中国)の并州(山西省太原市)に一人の僧がありました。名を道如といいます。この州の人の慣習として、七歳以後はみな念仏を修していました。しかし道如は念仏を修せず、戒をたもたず、...
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巻六第三十六話 阿含経を軽んじた新羅の僧の話

巻6第36話 新羅僧愈受持阿含経語 第卅六 今は昔、新羅国(朝鮮半島)に僧がありました。名を僧愈といいます。幼少時にて出家してから、戒めを犯すところはなく、常に浄土のありさまを観相していました。大乗を貴び、小乗を崇めませんでした。阿含の経...
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巻六第三十五話 さとりを求めて旅する善財童子に救われた男の話

巻6第35話 孫宣徳書写花厳経語 第卅五 今は昔、震旦(中国)の唐の時代、朝散大夫(名誉職の役人)孫宣徳という人がありました。永安県の人です。 因縁があったのでしょう、宣徳は願を発して華厳経を書写しようとしました。しかし、不信ゆえにこの...
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巻六第三十四話 地獄で蓮華蔵世界に生まれた男の話

巻六第三十四話 地獄で蓮華蔵世界に生まれた男の話 巻6第34話 震旦空観寺沙弥観花蔵世界得活語 第卅四 今は昔、震旦(中国)の空観寺という寺に、一人の沙弥(小僧)がありました。名を定生といいます。沙弥でありながら、僧法を犯していましたし...
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