巻二十五(全)

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巻二十五十四話 後三年の役(欠話)

巻25第14話 源義家朝臣罸清原武衡等語 第十四(欠文) 【解説】 柳瀬照美 本話は表題だけをとどめる。表題から、後三年の役の顛末を記す予定だったもの。これによって、頼信・頼義・義家と清和源氏の嫡流の武功が代を追って列記されることになるは...
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巻二十五第十三話 前九年の役(その2)

巻25第13話 源頼義朝臣罸安陪貞任等語 第十三 (巻二十五第十三話より続く) その後、守は兵を休息させようと、あえて追撃しませんでした。また、長雨のため、十八日間ここに留まりました。その間、兵粮が底を尽き、食べ物がなくなりました。守は多...
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巻二十五第十三話 前九年の役(その1)

巻25第13話 源頼義朝臣罸安陪貞任等語 第十三 今は昔、後冷泉院(ごれいぜいいん・後朱雀天皇の第一皇子で、母は藤原道長の娘・嬉子)の御代に、奥州六郡(胆沢・和賀・江刺・稗貫・斯波・岩手)の内に安陪頼良(あべのよりよし)という者がいました...
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巻二十五第十二話 源頼信・頼義父子、馬盗人を追う

巻25第12話 源頼信朝臣男頼義射殺馬盗人語 第十二 今は昔、河内前司(かわちのぜんじ・現在の大坂府東部の前の国司)源頼信朝臣(みなもとのよりのぶのあそん)という武人がいました。この頼信朝臣が、東国で名馬を持っていると聞いた人のもとに、そ...
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巻二十五第十一話 源頼信、盗人を説得する

巻25第11話 藤原親孝為盗人被捕質依信頼言免語 第十一 今は昔、河内守(かわちのかみ・現在の大阪府東部の国司)源頼信朝臣(みなもとのよりのぶのあそん)が上野守(こうずけのかみ・現在の群馬県の国司)としてその任国にいたころ、その乳母子(め...
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巻二十五第十話 主君でない者に殺人を命じられた平貞道の話

巻25第10話 依頼信言平貞道切人頭語 今は昔、源頼光朝臣(みなもとのよりみつあそん)の家に多くの客が集まって酒宴をしていましたが、その中に、弟の頼信朝臣(よりのぶあそん)も来ていました。その頼光朝臣の郎等に、平貞道(たいらのさだみち)と...
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巻二十五第九話 源頼信、平忠常の乱を鎮定する

巻25第9話 源頼信朝臣責平忠恒語 第九 今は昔、河内守(かわちのかみ・現在の大阪府の東部)源頼信朝臣(みなもとのよりのぶのあそん)という者がいました。これは多田満仲入道(ただのみつなかにゅうどう)という武人の三男であります。武道について...
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巻二十五第八話 源頼親、清原致信を討つ(欠話)

巻25第8話 源頼親朝臣令罸清原□□語 第八(欠文) 【解説】 柳瀬照美 本話は、表題だけをとどめる本文欠話。 表題から推測すると、寛仁元年(1017)3月8日、源頼親(みなもとのよりちか)が郎等に命じて、前大宰少監・清原致信(きよはらのむ...
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巻二十五第七話 藤原保昌が盗人の袴垂に衣を与えた話

巻25第7話 藤原保昌朝臣値盗人袴垂語 今は昔、世に袴垂(はかまだれ)というたいそうな盗賊の大親分がいました。肝っ玉が太く、力強く、足早く、腕っぷしすぐれ、頭も切れて、肩を並べる者のない男でありました。隙をうかがっては、多くの人びとの物を...
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巻二十五第六話 源頼光、堂上の狐を射る

巻25第6話 春宮大進源頼光朝臣射狐語 第六 今は昔、三条天皇が皇太子であられた頃のことです。東三条殿(母方の祖父・藤原兼家の邸宅)においでになったとき、その寝殿の南面を春宮(とうぐう・皇太子)が歩いて行かれたところ、西の透渡殿(すきわた...
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巻二十五第五話 平維茂と藤原諸任の死闘(その2)

巻25第5話 平維茂罸藤原諸任語 第五 さて一方、余五はかの家で、夜が明けるまで走り回って下知しながら奮戦し、敵を多く射殺して、もはや矢も尽き、味方も残り少なくなったので、「この上、戦っても無駄だ」と思い、着ていた衣を脱ぎ捨て、女が着て...
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巻二十五第五話 平維茂と藤原諸任の死闘(その1)

巻25第5話 平維茂罸藤原諸任語 第五 今は昔、実方(さねかた)の中将(藤原実方)というひとが陸奥守(むつのかみ・東北地方の国司)になって任国に下りましたが、この人は高貴な家柄の貴族であったので、国内のしかるべき武士たちはみな前の守に対す...
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巻二十五第四話 従者の仇討ち

巻25第4話 平維茂郎等被殺語 第四 今は昔、上総守(かずさのかみ・現在の千葉県中央の国司)平兼忠(たいらのかねただ)という者がいました。これは平貞盛(たいらのさだもり)という武人の弟の繁茂(しげもち・正しくは繁盛)の子であります。 その...
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巻二十五第三話 武者の一騎打ち

巻25第3話 源宛平良文合戦語 今は昔、東国に源充(みなもとのみつる)、平良文(たいらのよしふみ)という二人の武人がいました。 充は通称、田源二(みのたのげんに)、良文は村岳五郎(むらおかのごろう)といいました。 この二人...
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巻二十五第二話 西国・藤原純友の乱

巻25第2話 藤原純友依海賊被誅語 今は昔、朱雀天皇の御代に、伊予掾(いよのじょう・現在の愛媛県、その三等官)藤原純友(ふじわらのすみとも)という者がいました。 筑前守(ちくぜんのかみ・現在の福岡県の一部の国司)良範(よしのり)という人...
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