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巻一第三十五話 伎楽で仏を供養した人たちの話

巻1第35話 舎衛城人以伎巻1第35話 舎衛城人以伎楽供養仏語 第卅五 今は昔、天竺の舎衛城(しゃえじょう、コーサラ国)に、着飾って伎楽をうたい、城を出て舞い踊る人たちがありました。 あるとき、仏が多くの弟子をつれて、乞食(托鉢)して城...
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巻一第三十四話 乳を供養した牛の親子の話

巻1第34話 長者家牛乳供養仏語 第卅四 今は昔、天竺に一人の長者がありました。貪欲邪見、人に物を施す心がまったくありませんでした。年齢は九十余歳を迎え、死が近づいていました。 仏は慈悲の心から、彼を教化するために、三年門に立ちました。...
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巻一第三十三話 糸で仏を供養した貧しい女の話

巻1第33話 貧女仏供養糸語 第卅三 今は昔、天竺に貧しい女がありました。人に使役される仕事に就いており、朝出かけて暮に帰る、そのくりかえしでした。 仏はそのそばに住んでいました。女は暮に家に帰るたびに、糸を一本の枝にかけ、これを仏への...
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巻一第三十二話 すべてを失った物乞い夫婦の話

巻1第32話 舎衛国勝義依施得富貴語 第卅二 今は昔、天竺の舎衛国(しゃえいこく、コーサラ国)には九億の家がありました。その中に勝義という人が住んでいました。とても貧しく、塵ほどの貯えもありませんでした。夫妻そろって国内の九億の家をたずね...
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巻一第三十一話 祇園精舎をつくった話

巻1第31話 須達長者造祇薗精舎語 第卅一 今は昔、天竺の舎衛国(しゃえいこく、コーサラ国)に一人の長者(富裕な人)がおりました。名を須達(すだつ、スダッタ)といいます。彼は一生の間に、七度富貴を体験し、七度貧窮に苦しみました。七度目の貧...
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巻一第三十話 蟻を救うため命を捨てた帝釈天の話

巻1第30話 帝釈与修羅合戦語 第三十 今は昔、帝釈天(インドラ)の妻は、舎脂夫人(しゃしふじん、シャチー)といい、羅睺阿修羅王(らごあしゅらおう)の娘でした。父の阿修羅王は舎脂夫人を取り戻すため、常に帝釈と戦っていました。 ...
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巻一第二十九話 戦争と王になった富豪の話

巻1第29話 波斯匿王阿闍世王合戦語 第廿九 今は昔、天竺に二つの国がありました。舎衛国(しゃえこく、コーサラ国)と摩竭提国(まかたこく、マガダ国)です。舎衛国の王を波斯匿王(はしのくおう、プラセーナジット王)といい、摩竭提国の王を阿闍世...
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巻一第二十八話 その気がないのに出家した酔っぱらいの話

巻1第28話 婆羅門依酔不意出家語 第廿八 今は昔、天竺に一人の婆羅門(バラモン、最上カーストである僧侶階級)がありました。酒に酔い、仏のいらっしゃる祇園精舎に行きました。酔っているため、本心を忘れ、思ってもいないことをしてしまいました。...
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巻一第二十七話 行くところのない老人の話

巻1第27話 翁詣仏所出家語 第廿七 今は昔、天竺に老人がありました。半生を貧しく過ごし、塵ほどの貯えもありませんでした。妻子や親族は彼を見捨て、残された人生をともに送ろうという者はありませんでした。 老人は歎き悲しみ、考えました。 ...
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巻一第二十六話 百二十歳の老人が仏弟子となった話

巻1第26話 歳至百廿始出家人語 第廿六 今は昔、天竺に一人の人がありました。百二十歳になってはじめて道心を発し、仏の御前に詣でて、出家し弟子となりました。この沙門(しゃもん、僧)は新入の弟子ですから、五百の(非常に多くの)先輩弟子は、こ...
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巻一第二十五話 財宝を川に流した男の話

巻1第25話 和羅多出家成仏弟子語 第廿五 今は昔、天竺に和羅多(わらた)という人がありました。和羅多の父母はたいへん富裕で、家は財宝に満ちており、不足を感じたことはありませんでした。 和羅多は道心深く、「私は出家して、仏の御弟子となり...
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巻一第二十四話 郁伽長者が五人の妻を捨て出家した話(欠話)

巻1第24話 郁伽長者詣仏所出家語 第廿四(欠文) 【解説】 草野真一 郁伽(ゆが、ウッガ、ウッガハ)長者は在家信者として有名な人であり、たいへんな資産家であった。原始仏典の登場人物だから、実在した人である可能性が高い。商業都市ヴァイ...
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巻一第二十三話② 旅路の果てに道を求めた王の話

巻1第23話 仙道王詣仏所出家語 第廿三 (巻一第二十三話①より続く) 仙道王は影勝王に書状を送りました。 「私はあなたのおかげで真諦(真理)を得ました。願わくは、比丘(僧)に会ってみたいと思っています。わが国に呼んでいただけますでし...
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巻一第二十三話① 仏の絵に怒り、攻め入ろうとした王の話

巻1第23話 仙道王詣仏所出家語 第廿三 今は昔、天竺に都城がふたつありました。それぞれ花子城(けしじょう)、勝音城(しょうおんじょう)といいました。ふたつの都城は、栄えたり衰えたりしました。 あるとき、勝音城の人がみな富んで楽しむこと...
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巻一第二十二話 出家する王子と死後の話

巻1第22話 鞞羅羨王子出家語 第廿二 今は昔、天竺。仏が阿難とともに城に入って、乞食(こつじき、托鉢)しているとき、城中にひとりの王子がおりました。鞞羅羨那(ひらせんな)といいます。多くの美しい侍女とともに高楼で快楽にふけっていましたが...