巻五

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巻五第十六話 果物を好む王が仏法を探し求めた話

巻5第16話 天竺国王好美菓又与美菓語 第十六 今は昔、天竺に国王がありました。常に美菓(美味な果物)を好み、楽しんでいました。 ある日、王宮を守る者(宮守)が池のほとりでおいしそうな果物を見つけました。 「国王が好むものだ」 彼は...
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巻五第十五話 火事を喜んだ僧の話

巻5第15話 天竺王宮焼不歎比丘語 第十五 今は昔、天竺の国王の王宮に火事が起こりました。片っ端から焼けていったので、大王をはじめ、后・皇子・大臣・百官など、みなあわて騒いで、財宝を運び出しました。 そのとき、一人の比丘(僧)がありまし...
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巻五第十四話 約束を守るため自分の肉を差し出した獅子の話

巻5第14話 師子哀猿子割肉与鷲語 第十四 今は昔、天竺の深山の洞穴に、一匹の獅子が住んでいました。獅子は思っていました。 「私は百獣の王である。すべての獣を護り、哀れまねばならぬ」 同じ山に、夫婦の猿がありました...
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巻五第十三話 焼身した兎 月の兎が生まれた話

今昔物語集 巻5第13話 三獣行菩薩道兎焼身語 第十三 今は昔、天竺に兎・狐・猿、三匹の獣がいました。彼らは誠の心を起こして菩薩の修行をしていました。 「わたしたちは前世に深く重い罪を負い、賤しい獣として生を受けた。これは前世に生きとし...
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巻五第十二話 五百人の皇子、国王の行幸中に皆そろって出家してしまう話

巻5第12話 五百皇子国王御行皆忽出家語 第十二 今は昔、天竺に国王がありました。五百人の皇子を持っていました。 あるときの行幸のことです。国王は五百人の皇子を前に立たせて進んでいくと、たまたま一人の比丘(僧侶)が、琴を弾きなが...
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巻五第十一話 小僧の血が五百の旅人を救った話

巻5第11話 五百人商人通山餓水語 第十一 今は昔、天竺に五百人の商人があり、商用で他国に行く途中にある山を通りました。かれらは一人の小僧(沙弥、しゃみ、年少の僧)を連れていました。 間違った方向に足をすすめ、山深い場所に迷い込...
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巻五第六話 王の五百の卵が初めて父母を知る話

巻5第6話 般沙羅王五百卵初知父母語 第六 今は昔、天竺の般沙羅(はんしゃら)国に大王があり、その名を般沙羅王といいました。その后は五百の卵を産みました。大王はそれを見て奇妙に思いました。后もそれを恥ずかしく思い、小さな箱に入れて使いによ...
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巻五第五話 国王が山へ狩りに行き、鹿母夫人を后にする話

巻5第5話 国王入山狩鹿母夫人為后語 第五 今は昔、インドの波羅奈(はらな)という国の都から遠くない位置に、聖所遊居(しょうしょゆこ)と呼ばれる山がありました。その山には二人の仙人があり、一人は南の岳に、もう一人は北の岳に住んでいました。...
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巻五第四話 女を背負った一角仙人が山から王宮にやってくる話

巻5第4話 一角仙人被負女人従山来王城語 第四 今は昔、天竺に一角仙人という仙人がありました。額に角がひとつ生えていたことから、そのように呼ばれていました。 山奥で長いこと修行を積んでいました。雲に乗って空を飛び、高い山を動...
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巻五第三話 王が盗人を大臣にした話

巻5第3話 国王為盗人被盗夜光玉語 第三 今は昔、天竺にある国がありました。その国の王はこの世にふたつとない宝とされる夜光の玉を持っていました。それを蔵に納めておいたところ、泥棒がどうやってか入り込んでそれを盗んでしまいました。 ...