巻五

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巻五第三十二話 老人の知恵で難局を乗り切る話

巻5第32話 七十余人流遣他国語 第卅二 今は昔、天竺に、七十歳を越した人を流してしまう国がありました。その国にあるひとりの大臣がありました。朝暮に母の面倒を見て、孝養していました。 やがて、母は七十歳になりました。「朝に顔を見て、夕に会...
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巻五第三十一話 穴の奥の不思議な世界、石になった男の話

巻5第31話 天竺牧牛人入穴不出成石語 第卅一 今は昔、天竺に仏が未だ出られていないころ、ひとりの牛飼いがありました。数百頭の牛を飼っていました。林の中に至ると、いつも一頭の牛が群れを離れ、ゆくえをくらましていました。どこに行ったのかわか...
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巻五第三十話 女の甘い声を聞き力を失った仙人の話

巻5第30話 天帝釈夫人舎脂音聞仙人語 第三十 今は昔、帝釈天(インドラ神)には舎脂(しゃし、シャチー)夫人という妻がありました。毗摩質多羅(びましったら)阿修羅王の娘です。釈尊がご誕生される前、ひとりの仙人がありました。名を提...
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巻五第二十九話 大魚の肉を食べた五人の山人の話

巻5第29話 五人切大魚肉食語 第廿九 今は昔、天竺の海辺の浜に、大魚が寄りました。 そのとき、山人(木樵など)が五人、通りかかりました。五人はこの大魚を見ると、魚の肉を切取って食べました。それを始めとして、世の人がこのことを聞いて集まり...
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巻五第二十八話 巨大な魚の王に出会った船乗りの話

巻5第28話 天竺五百商人於大海値摩竭大魚語 第廿八 今は昔、天竺で五百人の船乗りが宝を求めるために航海していました。梶取(船長)が楼の上の人に問いました。「なにか見えるか」 楼上の人が答えました。「太陽がふたつ見えます。白い山が見え...
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巻五第二十七話 山中で象におそわれた僧の話

巻5第27話 天竺象足踏立株謀人令抜語 第廿七 今は昔、天竺に一人の比丘(僧)がありました。深い山の中を歩いていると、大象を見ました。比丘は恐れ、いそいで高い木に昇り、葉の中に隠れました。象は木の下を通っていきました。比丘は「うまく隠...
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巻五第二十六話 盲目の母象の子が捕らえられた話

巻5第26話 天竺林中盲象為母致孝語 第廿六 今は昔、天竺の林に、目の見えない母象と子象が住んでいました。子象は木の実や果物などを集めたり、清水をくんできたりして、盲目の母象を養っていました。 ある日、ひとりの人が林の中で道を見失い、出る...
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巻五第二十五話 猿と亀のだましあいの話

巻5第25話 亀為猿被謀語 第廿五 今は昔、天竺の海辺に山がありました。一匹の猿が、木の実を食べて暮らしていました。山の近くの海に、亀の夫妻が住んでいました。妻の亀が夫の亀に言いました。「私はあなたの子を妊娠しました。しかし、私は腹に病が...
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巻五第二十四話 鶴の忠告を信じず落ちて死んだ亀の話

巻5第24話 亀不信鶴教落地破甲語 第廿四 今は昔、天竺で、旱魃のために水が枯渇し、青い草葉もないときがありました。 池に亀が住んでいました。池の水は失せ、亀は命を失おうとしていました。 ある日、一羽の鶴がこの池に食事のためにやってき...
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巻五第二十三話 鼻のない九百九十九匹の猿の話

巻5第23話 舎衛国鼻欠猿供養帝釈語 第廿三 今は昔、天竺の舎衛国(コーサラ国)に山がありました。その山に一本の大樹があり、千匹の猿が住んでいました。みな心をひとつにして、帝釈天を供養していました。 千匹の猿のうち、九百九十...
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巻五第二十二話 王子を待ち死んだ姫と二人の子の話

巻5第22話 東城国皇子善生人通阿䫂女語 第廿二 今は昔、東城国に明頸演現王(みょうきょうえんげんおう)という王がありました。王にはひとりの皇子があり、善生人(ぜんしょうにん)といいました。皇子には妻がありませんでした。また、西城国に王が...
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巻五第二十一話 虎の威を借る狐の話

巻5第21話 天竺狐借虎威被責発菩提心語 第廿一 今は昔、天竺に山がありました。その山に、狐と虎がそれぞれ住んでいました。 狐は虎の威を借りて、ほかの獣たちをおどしていました。虎はこれを聞いて、狐のところに行きました。 「おまえはなぜ私の威...
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巻五第二十話 獣の王を自称した狐と獅子の話

巻5第20話 天竺狐自称獣王乗師子死語 第二十 今は昔、天竺に古寺がありました。僧房に比丘(僧)があって、常に経を読んでいました。ある狐がこの経を聞きました。 「人も獣も心を高く持てば、王となることができる」 狐は思いました。 「私...
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巻五第十九話 亀と洪水と嘘つきの話

巻5第19話 天竺亀報人恩語 第十九 今は昔、天竺に、釣り上げた亀を持って歩いている人がありました。道心ある人がこれを見て、亀をゆずってくれるよう頼み、買い取って放してやりました。 その後何年か経って、亀を放してやった人の寝枕で、ごそご...
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巻五第十八話 九色の美しい鹿を裏切った話

巻5第18話 身色九色鹿住山出河辺助人語 第十八 今は昔、天竺に山がありました。その山の中に、身の色は九色で、角の色は白い鹿が住んでいました。人は、山にそんな鹿がいるということを語りませんでした。その山のふもとに、大河がありました。一羽の...