巻十七

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巻十七第三十七話 母に子を投げ棄てよと命じた行基の話

巻17第37話 行基菩薩教女人悪子給語 第卅七 今は昔、行基菩薩は文殊の化身でいらっしゃいます。 行基菩薩は難波の江に堀(運河)を築き、船着き場で法を説きました。貴賤上下の道俗男女(すべての人。身分の高い者も賤しい者も、出家も在家も、男...
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巻十七第三十六話 女が髪に猪の油をつけていることを見抜いた行基の話

巻17第36話 文殊生行基見女人悪給語 第卅六 今は昔、行基菩薩という聖がありました。五台山に住むといわれる文殊菩薩が、わたしたち衆生を利益するために、行基として生まれなさったのです。 而るに、古京(奈良)の元興寺の村に、法会を開く人があ...
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巻十七第三十五話 泣き叫んだ弥勒菩薩像の話

巻17第35話 弥勒為盗人被壊叫給語 第卅五 今は昔、聖武天皇の御代、奈良に都があったとき、勅命があって、夜間に都を巡回する人がありました。 ある晩の夜半ごろ、葛木の尼寺(葛城寺、奈良県葛城市)の前の蓼原(たではら、墓原説あり)の中に、人...
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巻十七第三十四話 柴の木に弥勒菩薩があらわれた話

巻17第34話 弥勒菩薩化柴上給語 第卅四 今は昔、近江の国坂田の郡の表江の里(滋賀県米原市)に人がありました。家は大きく富み、多くの財を持っていました。「瑜伽論という法文を書写する」と願を発しましたが、公私にわたり忙しかったので、その願...
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巻十七第三十三話② 目覚めると女が消えていた話

(①より続く) 巻17第33話 比叡山僧依虚空蔵助得智語 第卅三 それから、僧は学問につとめて、日夜怠りませんでした。「あの人に会いたい」と思う気持ちが、頭を焦がす炎のように思えて、心を尽くし肝を砕いて学問しました。二年ばかり経つと、学生...
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巻十七第三十三話① 比叡山の僧が女のために真剣に学びはじめる話

巻17第33話 比叡山僧依虚空蔵助得智語 第卅三 今は昔、比叡山に若い僧がありました。出家してから、学問の志はあったのですが、遊び戯れることに夢中になり、学問することはありませんでした。わずかに法華経を受け習うばかりでした。とはいえ、まっ...
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巻十七第三十二話 上総守時重、法華経を読誦して地蔵の助けを受ける

巻17第32話 上総守時重書写法花蒙地蔵助語 第卅二 今は昔、上総守(かずさのかみ・現在の千葉県中央部の国司)藤原時重朝臣(ふじわらのときしげのあそん)という人がいました。かの国の国司(上総国は親王任国なので、臣下の守はないが、介を守と通...
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巻十七第三十一話 孤独の地獄に堕ちた説経僧の話

巻17第31話 説経僧祥蓮依地蔵助免苦語 第卅一 今は昔、大和国吉野の郡(奈良県吉野郡)に一人の僧が住んでいました。名を祥蓮といいました。説経を仕事として世を渡っていました。法を説いて人を教化していましたが、自分の勤めは熱心ではありません...
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巻十七第三十話 予言どおりに縁日に死んだ僧の話

巻17第30話 下野国僧依地蔵助知死期語 第三十 今は昔、下野国(栃木県)に薬師寺という寺がありました。戒壇(解説参照)の置かれた寺で、とてもありがたい寺でした。その寺に一人の堂童子の僧があり、名を蔵縁と申しました。その僧はずっと地蔵菩薩...
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巻十七第二十九話 地蔵尼君と呼ばれた女の話

巻17第29話 陸奥国女人依地蔵助得活語 第廿九 今は昔、陸奥国(東北地方)に恵日寺という寺がありました。入唐した興福寺の僧、得一菩薩が建てた寺です。その寺のわきに尼がありました。平の将行という人の第三の娘です。この尼は出家する前、とても...
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巻十七第二十八話 地蔵が京に住む女を助けた話

巻17第28話 京住女人依地蔵助得活語 第廿八 今は昔、京の太刀帯(たちはき)町のあたりに住んでいる女性がありました。もとは東国の人です。縁あって京に上り、住んでいました。 その女人は善心があって、月の二十四日(地蔵の縁日)に六波羅蜜寺の...
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巻十七第二十七話 立山の地獄に堕ちた女の話

巻17第27話 堕越中立山地獄女蒙地蔵助語 第廿七 今は昔、仏の道を修行する僧がありました。名を延好といいます。 越中の国(富山県)立山(飛騨山脈/北アルプス)に参って籠もっているとき、丑の時(午前二時)ごろ、人の影のような者が出てきまし...
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巻十七第二十六話 亀を救い冥途で助けられた話

巻17第26話 買亀放男依地蔵助得活語 第廿六 今は昔、近江の国甲賀の郡(滋賀県甲賀市)に一人の下人がありました。とても貧しく、よりどころもありませんでした。妻は常に人に雇われ、機織りを職業として生きていました。 妻は織った布を一反、自分...
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巻十七第二十五話 つくりかけの地蔵菩薩像の話

巻17第25話 養造地蔵仏師得活人語 第廿五 今は昔、因幡の国高草の郡(鳥取市)野坂の郷に寺がありました。名を国隆寺といいます。かの国の前の次官、□□千包(ちかね)という人が建立した寺です。この寺の別当である僧が、仏師を呼び、宿願にしたが...
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巻十七第二十四話 狩りの途中で地蔵を見た男の話

巻17第24話 聊敬地蔵菩薩得活人語 第廿四 今は昔、源の満仲の朝臣という人がありました。勇猛で武芸の道に長けていました。公私にわたって、その道で並ぶ者はありませんでした。 その人のもとに、一人の郎等(家来)がありました。荒っぽく殺生を...
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