巻十七

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巻十七第二十一話 六波羅蜜寺の地蔵像の由来

巻17第21話 但馬前司□□国挙依地蔵助得活語 第廿一 今は昔、但馬(兵庫県)の前司(ぜんじ、前任の国司)国挙(くにたか)という人がありました。長く公務をつとめ、私も充実させているうち、身に病を受け、死ぬことになりました。すぐに閻魔の庁に...
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巻十七第三十二話 上総守時重、法華経を読誦して地蔵の助けを受ける

巻17第32話 上総守時重書写法花蒙地蔵助語 第卅二 今は昔、上総守(かずさのかみ・現在の千葉県中央部の国司)藤原時重朝臣(ふじわらのときしげのあそん)という人がいました。かの国の国司(上総国は親王任国なので、臣下の守はないが、介を守と通...
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巻十七第二十話 父の行いによって救われた僧の話

巻17第20話 播磨国公真依地蔵助得活語 第二十 今は昔、播磨の国印南の郡(兵庫県高砂市)歌見の浦というところに、極楽寺という寺がありました。その寺に公真という僧がありました。公真は三尺(約90センチ)の彩色の地蔵菩薩像をつくり、寺に...
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巻十七第十九話 子供のころ遊びでつくった地蔵が助けてくれた話

巻17第19話 三井寺浄照依地蔵助得活語 第十九 今は昔、三井寺(園城寺、滋賀県大津市)に一人の僧がありました。名を浄照といいます。 十一、二歳ぐらい、まだ出家していない子供のころ、同じぐらいの年齢の子と、戯れに僧形の像を刻んで、こ...
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巻十七第十八話 地獄からよみがえった人の話

巻17第18話 備中国僧阿清衣地蔵助得活語 第十八 今は昔、備中の国窪屋の郡大市の郷(岡山県倉敷市)に古老の僧がありました。名を阿清といいます。俗姓は百済の氏です。阿清は紀寺(きのてら、奈良県にあった寺)の基勝律師の弟子でしたが、現在はそ...
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巻十七第十七話 東大寺の僧が生き返った話

巻17第17話 東大寺蔵満依地蔵助得活語 第十七 今は昔、東大寺に一人の僧がありました。名を蔵満といいます。義蔵律師の弟子です。 蔵満が所用あって東大寺から京に上る途上、登昭という人相見として名高い人に出会いました。蔵満はとても喜んで言い...
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巻十七第十六話 流刑の島で地蔵をあがめた聖人の話

巻17第16話 伊豆国大島郡建地蔵寺語 第十六 今は昔、伊豆の国大島の郡(東京都大島町)に、鳥獣もおとずれることのない絶海の孤島がありました。これ以上の悪所はないといえる辺地です。その島の西南に、たいへん霊験に満ちた土地がありました。...
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巻十七第十五話 夢のお告げで伯耆大山に向かった貧しい僧の話

巻17第15話 依地蔵示従愛宕護移伯耆大山僧語 第十五 今は昔、愛宕護(あたご)の山に一人の僧が住んでいました。名を蔵算といい、仁和寺の池上(地名)の平救阿闍梨(へいきゅうあじゃり、阿闍梨は高位の僧の意)の弟子でした。 蔵算...
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巻十七第十四話 地蔵に臨終の地を聞いた話

巻17第14話 依地蔵示従鎮西移愛宕護僧語 第十四 今は昔、鎮西肥前(九州佐賀県)の国の背振(せぶり)の山は、書写山の性空聖人が修行されていたところです。深い山で、これ以上に貴いところはありません。仏道を修行する行人は、みなこの山を訪れまし...
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巻十七第十三話 地蔵に命を助けられた水銀採掘者の話

巻17第13話 伊勢国人依地蔵助存命語 第十三 今は昔、伊勢国飯高の郡(三重県松阪市)に住んでいる男がありました。毎月二十四日(地蔵の縁日)には精進して戒を受け、地蔵菩薩を念じており、これを年来の勤めとしていました。 飯高の郡には、水銀...
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巻十七第十二話 地蔵の夢を見た話

巻17第12話 改綵色地蔵人得夢告語 第十二 今は昔、阿弥陀仏を造るついでに、古い地蔵菩薩像を改めて彩色して、正法寺という寺に安置しました。この地蔵は、もともと三井寺の塔の中にあったもので、手と蓮花座(ハスの花の形をした台座)がありません...
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巻十七第十一話 僧を軽んじた神主の話

巻17第11話 駿河国富士神主帰依地蔵語 第十一 今は昔、駿河の国富士の宮(浅間神社)に神主がありました。和気光時(わけのみつとき)といいました。妻とともに、深く地蔵菩薩を信仰していました。しかし、光時は神主だったので、僧と出会っても馬を...
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巻十七第十話 夢のお告げで伝染病を忌避した話

巻17第10話 僧仁康祈念地蔵遁疫癘難語 第十 今は昔、京に祇陀林寺という寺がありました。その寺に仁康という僧が住んでいました。横川の慈恵大僧正(良源)の弟子です。因果を信じて、三宝を敬い、戒行をたもち、仏のように人々をあわれみました。 ...
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巻十七第九話 地蔵菩薩が飢えた老母を救った話

巻17第9話 僧浄源祈地蔵衣与老母語 第九 今は昔、比叡山の横川に僧がありました。名を浄源といいます。俗姓は紀氏(きのうじ)、慶祐阿闍梨(きょうゆうあじゃり)という方から瓶の水をうつすように(入室写瓶)教えを授かりました。長く山上に住み、...
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巻十七第八話 姿を消した美しい僧の話

巻17第8話 沙弥蔵念世称地蔵変化語 第八 今は昔、陸奥の国の国府に小松寺という寺がありました。ひとりの沙弥(しゃみ、正式な認可を受けていない僧)がその寺に住んでいました。名を蔵念といいます。平将門の孫である良門の子です。良門は金泥の大般...