巻十七

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巻十七第三十三話② 目覚めると女が消えていた話

(①より続く) 巻17第33話 比叡山僧依虚空蔵助得智語 第卅三 それから、僧は学問につとめて、日夜怠りませんでした。「あの人に会いたい」と思う気持ちが、頭を焦がす炎のように思えて、心を尽くし肝を砕いて学問しました。二年ばかり経つと、学生...
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巻十七第三十三話① 比叡山の僧が女のために真剣に学びはじめる話

巻17第33話 比叡山僧依虚空蔵助得智語 第卅三 今は昔、比叡山に若い僧がありました。出家してから、学問の志はあったのですが、遊び戯れることに夢中になり、学問することはありませんでした。わずかに法華経を受け習うばかりでした。とはいえ、まっ...
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巻十七第三十一話 孤独の地獄に堕ちた説経僧の話

巻17第31話 説経僧祥蓮依地蔵助免苦語 第卅一 今は昔、大和国吉野の郡(奈良県吉野郡)に一人の僧が住んでいました。名を祥蓮といいました。説経を仕事として世を渡っていました。法を説いて人を教化していましたが、自分の勤めは熱心ではありません...
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巻十七第三十話 予言どおりに縁日に死んだ僧の話

巻17第30話 下野国僧依地蔵助知死期語 第三十 今は昔、下野国(栃木県)に薬師寺という寺がありました。戒壇(解説参照)の置かれた寺で、とてもありがたい寺でした。その寺に一人の堂童子の僧があり、名を蔵縁と申しました。その僧はずっと地蔵菩薩...
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巻十七第二十九話 地蔵尼君と呼ばれた女の話

巻17第29話 陸奥国女人依地蔵助得活語 第廿九 今は昔、陸奥国(東北地方)に恵日寺という寺がありました。入唐した興福寺の僧、得一菩薩が建てた寺です。その寺のわきに尼がありました。平の将行という人の第三の娘です。この尼は出家する前、とても...
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巻十七第二十八話 地蔵が京に住む女を助けた話

巻17第28話 京住女人依地蔵助得活語 第廿八 今は昔、京の太刀帯(たちはき)町のあたりに住んでいる女性がありました。もとは東国の人です。縁あって京に上り、住んでいました。 その女人は善心があって、月の二十四日(地蔵の縁日)に六波羅蜜寺の...
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巻十七第二十七話 立山の地獄に堕ちた女の話

巻17第27話 堕越中立山地獄女蒙地蔵助語 第廿七 今は昔、仏の道を修行する僧がありました。名を延好といいます。 越中の国(富山県)立山(飛騨山脈/北アルプス)に参って籠もっているとき、丑の時(午前二時)ごろ、人の影のような者が出てきまし...
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巻十七第二十六話 亀を救い冥途で助けられた話

巻17第26話 買亀放男依地蔵助得活語 第廿六 今は昔、近江の国甲賀の郡(滋賀県甲賀市)に一人の下人がありました。とても貧しく、よりどころもありませんでした。妻は常に人に雇われ、機織りを職業として生きていました。 妻は織った布を一反、自分...
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巻十七第三十二話 上総守時重、法華経を読誦して地蔵の助けを受ける

巻17第32話 上総守時重書写法花蒙地蔵助語 第卅二 今は昔、上総守(かずさのかみ・現在の千葉県中央部の国司)藤原時重朝臣(ふじわらのときしげのあそん)という人がいました。かの国の国司(上総国は親王任国なので、臣下の守はないが、介を守と通...
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巻十七第二十五話 つくりかけの地蔵菩薩像の話

巻17第25話 養造地蔵仏師得活人語 第廿五 今は昔、因幡の国高草の郡(鳥取市)野坂の郷に寺がありました。名を国隆寺といいます。かの国の前の次官、□□千包(ちかね)という人が建立した寺です。この寺の別当である僧が、仏師を呼び、宿願にしたが...
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巻十七第二十四話 狩りの途中で地蔵を見た男の話

巻17第24話 聊敬地蔵菩薩得活人語 第廿四 今は昔、源の満仲の朝臣という人がありました。勇猛で武芸の道に長けていました。公私にわたって、その道で並ぶ者はありませんでした。 その人のもとに、一人の郎等(家来)がありました。荒っぽく殺生を...
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巻十七第二十三話 冥途で六人の地蔵が救ってくれた話

巻17第23話 依地蔵助活人造六地蔵語 第廿三 今は昔、周防の国(すおうのくに、山口県防府市)の一の宮(その地でもっとも格式の高い神社)に、玉祖の大明神という神社がありました。そこの宮司で、玉祖の惟高という人がありました。宮司の子孫ではあ...
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巻十七第二十二話 地獄からよみがえった男の話

巻17第22話 賀茂盛孝依地蔵助得活語 第廿二 今は昔、賀茂の盛孝という人がありました。心がまっすぐで、処世にも長けていました。公私にいそがしく、家は豊かでした。また、慈悲の心があり、生き物を殺すこともありませんでした。道心深く、月ごとの...
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巻十七第二十一話 六波羅蜜寺の地蔵像の由来

巻17第21話 但馬前司□□国挙依地蔵助得活語 第廿一 今は昔、但馬(兵庫県)の前司(ぜんじ、前任の国司)国挙(くにたか)という人がありました。長く公務をつとめ、私も充実させているうち、身に病を受け、死ぬことになりました。すぐに閻魔の庁に...
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巻十七第二十話 父の行いによって救われた僧の話

巻17第20話 播磨国公真依地蔵助得活語 第二十 今は昔、播磨の国印南の郡(兵庫県高砂市)歌見の浦というところに、極楽寺という寺がありました。その寺に公真という僧がありました。公真は三尺(約90センチ)の彩色の地蔵菩薩像をつくり、寺に...
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