巻二十八巻二十八第七話 田楽で堂を供養して笑われた男の話 巻28第7話 近江国矢馳郡司堂供養田楽語 第七 今は昔、比叡山の西塔に、教円座主という学僧がいました。話が面白い人で、人を笑わせるような説法をして人々を導いていました。 その人がまだ若い頃、供奉といって西塔にいましたときに、近江国□□の... 2024.09.23巻二十八
巻二十八巻二十八第三十九話 寄生虫の生まれ変わりがとけ失せた話 巻28第39話 寸白任信濃守解失語 第卅九 今は昔、腹の中に寸白(すんぱく・さなだ虫、条虫科の寄生虫)を持った女がいました。□□の□□という人の妻になり、男の子を産みました。その子を□□といいました。しだいに成長し、元服など済んだのち、官... 2020.11.24巻二十八
巻二十八巻二十八第三十八話 受領たるもの、倒れた所の土をつかめ 巻28第38話 信濃守藤原陳忠落入御坂語 第卅八 今は昔、信濃守(しなののかみ・現在の長野県の国司)藤原陳忠(ふじわらののぶただ)という人がいました。 任国に下って国を治め、任期が終わって上京してくる途中、御坂峠(みさかとうげ・神坂... 2020.12.21巻二十八
巻二十八巻二十八第三十一話 藤原清廉、猫を怖れて大金を支払う 巻28第31話 大蔵大夫藤原清廉怖猫語 第卅一 今は昔、大蔵丞(おおくらのじょう・大蔵省の三等官)から従五位下に昇進した藤原清廉(ふじわらのきよかど)という者がいました。大蔵大夫(おおくらのたいふ)と呼ばれていました。この男は前世が鼠でで... 2020.11.17巻二十八
巻二十八巻二十八第二十七話 伊豆守小野五友の目代の話 巻28第27話 伊豆守小野五友目代語 第廿七 今は昔、小野五友(おののいつとも・正しくは、小野五倫)という者がいました。長年、外記(げき)を勤めた功労で伊豆守(いずのかみ)になりました。 これが伊豆守として任国にいたときのこと、あいにく目... 2020.11.05巻二十八
巻二十八巻二十八第二十話 高僧の長い長い鼻の話(芥川龍之介『鼻』元話) 巻28第20話 池尾禅珍内供鼻語 第二十 今は昔、池の尾(京都府長岡京市)に、禅智内供(ないぐ、天皇など身分の高い人を修する)という高僧がありました。戒律をよく守り、真言などにも詳しく、行法はたいへん熱心でしたから、池の尾の堂塔・僧房などに... 2018.07.10巻二十八
巻二十八巻二十八第六話 清原元輔、賀茂の祭りで落馬する 巻28第6話 歌読元輔賀茂祭渡一条大路語 第六 今は昔、清原元輔(きよはらのもとすけ)という歌人がいました。それが内蔵助(くらのすけ・宮中の御用物の調達にあたった内蔵寮の次官)になって賀茂祭の奉幣使を務めたのですが、一条大路を通っていると... 2021.07.24巻二十八
巻二十八巻二十八第五話 越前守為盛の六衛府の官人への言いわけ 巻28第5話 越前守為盛付六衛府官人語 第五 今は昔、藤原為盛朝臣(ふじわらのためもりのあそん)という人がいました。越前守(えちぜんのかみ・現在の福井県東部の国司)であったとき、六衛府の下級役人に支給すべき大粮米(だいろうのよね・官給の米... 2020.10.09巻二十八
巻二十八巻二十八第四話 老人が宮中行事で笑いものにされた話 巻28第4話 尾張守□□五節所語 第四 今は昔、□天皇の御代に、□という者がおりました。万年受領で、官位にありつけずうだつのあがらないままだったところ、やっとのことで尾張守に任命されたので、喜びいさんで任地にくだりましたが、尾張国はすたれ... 2024.07.09巻二十八
巻二十八巻二十八第三話 老人が歌会で下劣なふるまいをした話 巻28第3話 円融院御子日参曽祢吉忠語 第三 今は昔、円融院が天皇の位を退きなさってのち、御子の日のお出かけのために、船岡山というところにお出かけになった時、堀川院からお出かけになって、二条通を西に大宮通まで出て、通りを北上していらっしゃ... 2024.05.06巻二十八
巻二十八巻二十八第二話 源頼光の郎等たち、祭り見物に行く 巻28第2話 頼光郎等共紫野見物語 第二 今は昔、摂津守(せっつのかみ・大阪府北西部と兵庫県南東部の国司)源頼光朝臣(みなもとのよりみつのあそん)の郎等に、平貞道(たいらのさだみち)・平季武(たいらのすえたけ)・□□の公時(きんとき)とい... 2021.09.22巻二十八
巻二十八巻二十八第一話 誤って妻に声をかけ平手打ちされた女好きの話 巻28第1話 近衛舎人共稲荷詣重方値女語 第一 今は昔、二月の初午の日は、昔から都中の身分の上中下問わずみんなが稲荷詣といって伏見にお参りに集まる日でした。 それについて、いつもより人が多く参詣した年がありました。その日近衛府の舎人たち... 2024.04.23巻二十八