巻二十

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巻二十第二十七話 長屋王の怨霊の話

巻20第27話 長屋親王罸沙弥感現報語 第廿七 今は昔、天平元年(神亀六年)二月八日(西暦729年)、聖武天皇は元興寺において大きな法会をひらき、三宝(仏法僧)を供養しました。太政大臣(実際は左大臣)の長屋の親王という人が勅を受け、諸僧を...
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巻二十第二十六話 乞食僧を打って圧死した男の話

巻20第26話 白髪部猪麿打破乞食鉢感現報語 第廿六 今は昔、備中の国小田の郡(岡山県笠岡市)に、白髪部の猪麿という人がありました。よこしまな心をもち、三宝(仏法僧)を信ぜず、また、人にものを与えることをとてもいやがっていました。 ある日...
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巻二十第二十五話 乞食を打って報いを受けた人の話

巻20第25話 古京人打乞食感現報語 第廿五 今は昔、奈良に都があった時代、一人の人がありました。愚かな心をもち、因果(仏の教え)をまったく信じませんでした。 ある日、乞食の僧がやってきて、その人の居室に至りました。その人は乞食を見ておお...
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巻二十第二十四話 銭を惜しんで毒蛇になった僧の話

巻20第24話 奈良馬庭山寺僧依邪見受蛇身語 第廿四 今は昔、奈良に馬庭山寺という寺がありました。その山寺に、一人の僧が住んでいました。長くその寺でねんごろに勤め行っておりましたが、智りは得られず、邪見の心が深く、物を惜しんで人に与えるこ...
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巻二十第二十三話 極楽に生まれようとして小蛇になった聖人の話

巻20第23話 比叡山横川僧受小蛇身語 第廿三 今は昔、比叡山の横川に僧がありました。道心をおこし、ひたすらに阿弥陀の念仏を唱え、「極楽に生まれさせてください」と願っていました。法文もよく知っていましたが、ただ極楽に生まれることを望み...
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巻二十第四十五話 小野篁、右大臣の良相を蘇生させる

巻20第45話 小野篁依情助西三条大臣語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 まだ学生の身分だったとき、あることで朝廷が篁を処罰したのですが、当時、西三条大臣(にしさんじょうのおとど)・良相(よしみ、藤原良相・冬嗣の五...
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巻二十第四十四話 下毛野敦行、自邸の門より隣人の死棺を出す

巻20第44話 下毛野敦行従我門出死人語 第四十四 今は昔、右近将監(うこんのしょうげん・右近衛府の三等官)下毛野敦行(しもつけののあつゆき)という近衛舎人がいました。若いころから人望のあった者です。容貌・人品・風采・人柄をはじめ、乗...
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巻二十第三十六話 国司に布施を奪われた郡司の話

巻20第36話 河内守依慳貪感現報語 第卅六 今は昔、河内国讃良郡(かわちのくにささらのこおり・現在の大阪府北河内郡)に郡司の男がいました。心に三宝(さんぽう・仏、法、僧のこと)を信じて、深く後世を恐れていたので、仏像を描き、経を写し奉っ...
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巻二十第三十三話 吉志火麿、母を殺そうとして報いを受ける

巻20第33話 吉志火麿擬殺母得現報語 第卅三 今は昔、武蔵国多磨郡鴨郷(むさしのくにたまのこおりかものさと、神奈川県)に、吉志火丸(きしのひまろ)という者がいました。その母は、日下部真屓(くさかべのまとじ)であります。 聖武天皇の御代に...
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巻二十第二十二話 寺に住み着いた牛が夢で語った話

巻20第22話 紀伊国名草郡人造悪業受牛身語 第廿二 今は昔、紀伊国の名草の郡三上の村(和歌山県和歌山市)に、寺を建造し、薬王寺と名づけました。寄進を求めて多くの医薬を購入し、寺に置いて、人々にほどこしました。 聖武天皇の御代に、薬の材料...
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巻二十第二十一話 罪のために牛として生まれた男の話

巻20第21話 武蔵国大伴赤麿依悪業受牛身語 第廿一 今は昔、武蔵の国多摩の郡(東京都心・都下)の大領(郡司の最高位)に、大伴の赤麿という人がありました。天平勝宝元年(西暦749年)の十二月十九日に、亡くなりました。 翌年五月七日、その家...
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巻二十第二十話 牛となって生前の借りをかえした話

巻20第20話 延興寺僧恵勝依悪業受牛身語 第二十 今は昔、延興寺という寺がありました。その寺に、恵勝という僧がおりました。長く寺に住む間に、寺の風呂に使う薪一束を人に与えたことがありました。その後、恵勝はこれを償うことなく亡くなりました...
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巻二十第十九話 地獄の鬼に賄賂をおくった話

巻20第19話 橘磐島賂使不至冥途語 第十九 今は昔、橘の磐島という者がありました。聖武天皇の御代、奈良の都の人でした。大安寺の西の郷に住んでいました。 大安寺の修多羅供(しゅたらく、寺院運営の基金)の銭四十貫を借り、越前の国(福井県)敦...
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巻二十第十八話 別人の身体に宿って生き返った女の話

巻20第18話 讃岐国女行冥途其魂還付他身語 第十八 今は昔、讃岐の国山田の郡(香川県高松市)に女がいました。姓は布敷の氏です。この女は身に重い病を得ました。多くのめずらしい食物を門の左右に祭り、疫神(疫病神、災いをもたらす)を饗応しまし...
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巻二十第十七話 施しをせず牡蠣を救った人の死後の話

巻20第17話 讃岐国人行冥途還来語 第十七 今は昔、讃岐国香水(かがわ)の郡坂田の郷(香川県高松市)に、一人の富人がありました。姓は綾の氏です。妻も同姓でした。 その隣に年老たる嫗(おうな、老婆)が二人ありました。ともに寡(やもめ)であ...
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