巻二十

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巻二十第三十四話 鯰になった父を食って死んだ男の話

巻20第34話 出雲寺別当浄覚父成鯰肉得現報忽死語 第卅四 今は昔、上津出雲寺という寺がありました。造立から久しく経って、堂が倒れ傾いてきましたが、修理をしようという人がありませんでした。かつて伝教大師(最澄)が震旦(中国)にいて達磨宗(...
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巻二十第四十五話 小野篁、右大臣の良相を蘇生させる

巻20第45話 小野篁依情助西三条大臣語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 まだ学生の身分だったとき、あることで朝廷が篁を処罰したのですが、当時、西三条大臣(にしさんじょうのおとど)・良相(よしみ、藤原良相・冬嗣の五...
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巻二十第四十四話 下毛野敦行、自邸の門より隣人の死棺を出す

巻20第44話 下毛野敦行従我門出死人語 第四十四 今は昔、右近将監(うこんのしょうげん・右近衛府の三等官)下毛野敦行(しもつけののあつゆき)という近衛舎人がいました。若いころから人望のあった者です。容貌・人品・風采・人柄をはじめ、乗...
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巻二十第三十六話 国司に布施を奪われた郡司の話

巻20第36話 河内守依慳貪感現報語 第卅六 今は昔、河内国讃良郡(かわちのくにささらのこおり・現在の大阪府北河内郡)に郡司の男がいました。心に三宝(さんぽう・仏、法、僧のこと)を信じて、深く後世を恐れていたので、仏像を描き、経を写し奉っ...
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巻二十第三十三話 吉志火麿、母を殺そうとして報いを受ける

巻20第33話 吉志火麿擬殺母得現報語 第卅三 今は昔、武蔵国多磨郡(東京都多摩市)鴨郷に、吉志火丸(きしのひまろ)という者がいました。 その母は、日下部真屓(くさかべのまとじ)であります。 聖武天皇の御代に、火丸は筑前守□□とい...
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巻二十第三十二話 飢えた母と報いを受けて死んだ娘の話

巻20第32話 古京女為母依不孝感現報語 第卅二 今は昔、古京の時(都が奈良にあったころ)、一人の女がありました。孝養の心をもたず、母を養いませんでした。 母は寡婦で貧しく食がなく、飯を炊くことができなかったとき、思いました。 「娘の...
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巻二十第三十一話 母を責めて狂気に死んだ男の話

巻20第31話 大和国人為母依不孝得現報語 第卅一 今は昔、大和国添の上の郡(奈良県奈良市)に住む人がありました。字を瞻保(みやす)と言いました。朝廷につかえる学生(官僚候補生)でした。明け暮れ書物を学んでいましたが、心に智はありませんで...
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巻二十第三十話 現世で地獄の炎に焼かれた男の話

巻20第30話 和泉国人焼食鳥卵得現報語 第三十 今は昔、和泉の国和泉の郡の痛脚村(大阪府泉大津市)に一人の男がありました。よこしまな心を持ち、因果を知らず、常に鳥の卵を煮焼して食べていました。天平勝宝六年(754年)三月、この男の家に見...
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巻二十第二十九話 両眼をなくした馬殺しの男の話

巻20第29話 河内国人殺馬得現報語 第廿九 今は昔、河内の国(大阪府)□郡に住む人がありました。名を石別といいます。瓜をつくり、これを売って生計を立てていました。 ある日、馬に瓜を負わせて売りに行こうとして、馬が負う力よりずっと多く、こ...
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巻二十第二十八話 兎を捕らえ皮をはぎ殺した男の話

巻20第28話 大和国人捕菟感現報語 第廿八 今は昔、大和国(奈良県)□郡に住む人がありました。荒々しい心をもち、あわれみの心はありませんでした。好んで昼夜に生命を殺し、それを仕事にしていました。 あるとき、この人は野で兎をとらえて、生き...
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巻二十第二十七話 長屋王の怨霊の話

巻20第27話 長屋親王罸沙弥感現報語 第廿七 今は昔、天平元年(神亀六年)二月八日(西暦729年)、聖武天皇は元興寺において大きな法会をひらき、三宝(仏法僧)を供養しました。太政大臣(実際は左大臣)の長屋の親王という人が勅を受け、諸僧を...
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巻二十第二十六話 乞食僧を打って圧死した男の話

巻20第26話 白髪部猪麿打破乞食鉢感現報語 第廿六 今は昔、備中の国小田の郡(岡山県笠岡市)に、白髪部の猪麿という人がありました。よこしまな心をもち、三宝(仏法僧)を信ぜず、また、人にものを与えることをとてもいやがっていました。 ある日...
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巻二十第二十五話 乞食を打って報いを受けた人の話

巻20第25話 古京人打乞食感現報語 第廿五 今は昔、奈良に都があった時代、一人の人がありました。愚かな心をもち、因果(仏の教え)をまったく信じませんでした。 ある日、乞食の僧がやってきて、その人の居室に至りました。その人は乞食を見ておお...
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巻二十第二十四話 銭を惜しんで毒蛇になった僧の話

巻20第24話 奈良馬庭山寺僧依邪見受蛇身語 第廿四 今は昔、奈良に馬庭山寺という寺がありました。その山寺に、一人の僧が住んでいました。長くその寺でねんごろに勤め行っておりましたが、智りは得られず、邪見の心が深く、物を惜しんで人に与えるこ...
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巻二十第二十三話 極楽に生まれようとして小蛇になった聖人の話

巻20第23話 比叡山横川僧受小蛇身語 第廿三 今は昔、比叡山の横川に僧がありました。道心をおこし、ひたすらに阿弥陀の念仏を唱え、「極楽に生まれさせてください」と願っていました。法文もよく知っていましたが、ただ極楽に生まれることを望み...
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