巻二十九

巻二十九第三十一話 サメと虎の戦いの話

巻29第31話 鎮西人渡新羅値虎語 第卅一 今は昔、九州の□の国の□の郡に住んでいた人が、商いをする為に一艘の船に多くの人々と乗り合わせて新羅(朝鮮)の国へ渡りました。商いを終えた帰りに、新羅の山裾に沿って船を漕いでいましたが、「きれいな...
巻二十九

巻二十九第三十話 双六で殺された武士の話

巻29第30話 上総守維時郎等打双六被突殺語 第三十 今は昔、上総(千葉県中央部)の守で平維時朝臣(たいらのこれときのあそん)という人がいました。この人は□□(欠字。平維将のこと)の子で、優れた武将でしたので、朝廷の公務でも私的な用であっ...
巻二十六

巻二十六第二十二話 間男とまちがえられ殺された僧の話

巻26第22話 名僧立寄人家被殺語 第廿二 今は昔、京に名僧づらをして、人の招きを受けて加持祈祷を行い、それで世渡りをしている僧がいました。 あるとき、この僧がしかるべき身分の家に招かれたので、喜んで出かけようとしましたが、車を借りるこ...
巻十二

巻十二第八話 薬師寺の万灯会の話

巻12第8話 於薬師寺行万灯会語 第八 今は昔、薬師寺の万灯会は、その寺の僧、恵達がはじめて行いました。昼は本願薬師経を講じて法会を行います。そのとき、僧は法服を調え、それぞれの役をつとめます。音楽が鳴り響き、間断なく歌舞がおこなわれます...
巻二十九

巻二十九第二十九話 犯される恥から逃れるために我が子を見棄てた女の話

女被捕乞丐棄子逃語 第二十九 今は昔、□の国、□の郡にある山道を乞食二人が連れ立って歩いておりますと、前の方に子どもを背負った若い女がいました。 女は乞食どもが後ろに近付いて来るのを見て、脇に寄ってやり過ごそうとしましたが、乞食どもは立...
巻九

巻九第十三話 亀の恩返し

巻9第13話 □□人以父銭買取亀放河語 第十三 今は昔、天竺(インド)に一人の人がありました。隣国で商品を買うため、子に五千両の金を持たせました。子はその金を受け取り、大きな河にそって歩いていきました。 そのとき、河を船で行く人がありま...
巻二十九

巻二十九第二十八話 強盗殺人の謀に使われた女が自ら死んだ話

住清水南辺乞食以女人謀入殺語 第二十八 今は昔、誰とははっきり申せませんが、高い家柄の貴公子で、眉目秀麗な方がおり、近衛府の中将などの役職についておりました。 この方がお忍びで清水寺に参詣いたしましたところ、とても美しい女性が上品に着物...
巻二十九

巻二十九第二十七話 子が死んでも狩りに出かけ殺生を続けた男の話

主殿頭源章家罪造語 第二十七 今は昔、主殿の頭(とのもりのかみ)、源章家という人がおりました。武家の家柄ではありませんでしたが、とにかく猛々しい性格で、昼にせよ夜にせよ、また朝から晩まで、専ら生き物を殺してばかりおりました。 この章家と...
巻三十一

巻三十一第八話 炎にすがたを映して死んだ女の話

巻31第8話 移灯火影死女語 第八 今は昔、女御(身分の高い女性)のもとに勤めている若い女房がありました。小中将の君と呼ばれていました。すがたもありさまもとても美麗で、心ばえも悪くありませんでしたから、同僚の女房たちも、みな小中将を親しく...
巻十四

巻十四第十五話 前生でコオロギだった人の話

巻14第15話 越中国僧海蓮持法花経知前世報語 第十五 今は昔、越中の国(富山県)に海蓮という僧がありました。若年のころより法華経を習い、日夜に読誦していました。序品から観音品に至るまで、二十五品は暗(そら)で覚えて誦することができました...
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1-3③ Learned About Death and Thought About How to Live (Life of Siddhartha Gautama 06)

At that time, there was a Brahmin's son named Udaayin. He was wise, intelligent, and eloquent. The king summoned him and...
巻二十六

巻二十六第二十一話 鹿と間違って射殺された破戒僧の話

巻26第21話 修行者行人家祓女主死語 第廿一 今は昔、□□国□□郡に住む人がありました。 家にたくさんの犬を飼って置き、山に入って鹿や猪を食い殺させて、猟をすることを家業にしていました。 世間では、これを犬山というのであります。 ...
巻十二

巻十二第七話 鯖をかついだ不思議な老人が現れた話

巻12第7話 於東大寺行花厳会語 第七 今は昔、聖武天皇が東大寺を造り、開眼供養するとき、行基菩薩は婆羅門僧正という人が天竺(インド)より来るのを予知していて、その人を講師として供養することを勧めました。 「読師は誰にすべきだろう」 ...
巻三十一

巻三十一第七話 昔の女の霊に会って命を落とした話

巻31第7話 右少弁師家朝臣値女死語 第七 今は昔、右少弁・藤原師家という人がありました。たがいに心を通わせて、行き通う女がありました。 女の心ばえはとてもよく、つらいことも耐え忍び、静かに思いをめぐらす性格でしたから、弁は事にふれ「こ...
English

1-3② Understanding Aging and Sickness (Life of Siddhartha Gautama 05)

Once, the prince heard that many flowers were blooming in abundance and that a clear, refreshing spring was flowing near...
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