巻二十

巻二十第十八話 別人の身体に宿って生き返った女の話

巻20第18話 讃岐国女行冥途其魂還付他身語 第十八 今は昔、讃岐の国山田の郡(香川県高松市)に女がいました。姓は布敷の氏です。この女は身に重い病を得ました。多くのめずらしい食物を門の左右に祭り、疫神(疫病神、災いをもたらす)を饗応しまし...
巻五

巻五第十話 法を求めて身体を刺した国王の話

巻5第10話 国王為求法以針被螫身語 第十 今は昔、天竺に王がありました。王は法を求めるため王位を捨て、山林に入って修行しました。 一人の仙人があらわれ、国王に告げました。「私は法文を持っている。おまえに教えようと思うが、どうか」「私は法...
巻十九

巻十九第三十二話 平維叙、神に恩返しをされる

今は昔、陸奥守(むつのかみ・現在の東北地方の国司)平維叙(たいらのこれのぶ)という者がいました。貞盛朝臣(さだもりのあそん・平将門を誅殺した勲功者)の子であります。任国にはじめて下り、神拝(じんぱい・新任国司の行事)ということをしようと、...
巻三十

第三十第九話 年老いた叔母を山に棄てる話

巻30第9話 信濃国姨母棄山語 第九 今は昔、信濃の国更科(長野県長野市)に住む者がありました。 年老いた姨母(をば、叔母)を家に住ませて、親のように養い、年来いっしょに暮らしていましたが、だんだん厭わしく思うようになりました。嫁はまるで...
巻四

巻四第十八話 凶暴な象が法を聞いた話

巻4第18話 天竺国王以酔象令殺罪人語 第十八 今は昔、天竺に国王がありました。国に王法を犯す不善の輩があれば、一頭の大象を酒に酔わせ、罪人に放ちました。大象は目を赤くして大口を開け、走りかかって罪人を踏み殺しました。この刑の恐ろしさから...
巻二

巻二第九話 砂を布施した人の話

巻2第9話 舎衛城宝天比丘語 第九 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の都)に、一人の長者がありました。家は大きく富み、無量の財がありました。長者は男子をさずかりました。世に並ぶ者のない美しい子でした。 子が生まれると、天から七宝の雨が降り...
巻二十七

巻二十七第十八話 鬼が板になって人を殺した話

巻27第18話 鬼現板来人家殺人語 第十八 今は昔、夏の頃、ある人の元に、若い侍で立派な者二人が、南向きの放出(はなちで)の間で宿直していました。この二人は元から武道の心得があり、□な田舎人たちに、太刀などを持ち、徹夜で物語をしていました...
巻二十七

巻二十七第十七話 川原の院で妻が吸い殺された話

巻27第17話 東人宿川原院被取吸妻語 第十七 今は昔、東国の方から、五位の位を買おうと思って、上京してきた者がいました。 その妻も「このついでに京の観光でもしよう」と言って、夫と共に上京した所、宿の手違いで宿所がなく、今晩宿泊する所...
巻十七

巻十七第二十三話 冥途で六人の地蔵が救ってくれた話

巻17第23話 依地蔵助活人造六地蔵語 第廿三 今は昔、周防の国(すおうのくに、山口県防府市)の一の宮(その地でもっとも格式の高い神社)に、玉祖の大明神という神社がありました。そこの宮司で、玉祖の惟高という人がありました。宮司の子孫ではあ...
巻三十

巻三十第八話 姫を誘拐した従者の話

巻30第8話 大納言娘被取内舎人語 第八 今は昔、□□天皇の御代に、大納言□□という人がありました。たくさんの子の中に、姿かたちがとくに美しい女子がひとりありました。父の大納言は彼女をことのほか愛し、片時も離すことなく養いました。天皇...
巻五

巻五第八話 バラモンに自分の首を与えた王の話

巻5第8話 大光明王為婆羅門与頭語 第八 今は昔、天竺に大光明王という王がいました。思いやりに深く人に物を与え、五百頭の大きな象にいろいろな宝を乗せ、多くの人を集めてその宝を与えることに対して全く惜しむことをしませんでした。いうまでもなく...
巻二十七

巻二十七第十六話 怪異の棲む堂、狂死した女の話

巻27第16話 正親大夫□□若時値鬼語 第十六 今は昔、正親の大夫という者がおりました。 その人が若かった時に、身分の高い所に宮仕えしていた女を語らって、時々は棲み通ったが、しばらく行かなくなっていたので、仲立ちの女に言伝をしている仲立ち...
巻二十七

巻二十七第十五話 赤子を食らう白髪の老婆の話

巻27第15話 産女行南山科値鬼逃語 第十五 今は昔、ある所に宮仕えしている若い女がおりました。父・母、親類縁者もおらず、少しの知り合いすらいなかったので、立ち寄る所もなくて、ただ局にいて、「もし、病気になった時に、どうしたらいいのだろう...
今昔物語集について

漱石、芥川、芳賀矢一そして南方熊楠

Twitterで『今昔物語集』に関するたいへん興味ぶかい論議があったのでご紹介いたします。 発端は、牛頭凡俗さん(@GozuBonzoku)による次のツイートがあったことです。 要約しますと、芥川龍之介が作家デビューの前に習作である『鼻...
巻十七

巻十七第二十二話 地獄からよみがえった男の話

巻17第22話 賀茂盛孝依地蔵助得活語 第廿二 今は昔、賀茂の盛孝という人がありました。心がまっすぐで、処世にも長けていました。公私にいそがしく、家は豊かでした。また、慈悲の心があり、生き物を殺すこともありませんでした。道心深く、月ごとの...