巻三十一

巻三十一第二十一話 能登国の鬼の寝屋島のこと

巻31第21話 能登国鬼寝屋島語 第廿一 今は昔、能登(のと・現在の石川県北部)の国の沖に寝屋(ねや)という島があります。その島では、河原に石がころがっているように無数に鮑(あわび)がとれるというので、この国に光の島という浦がありますが、...
巻十七

巻十七第十六話 流刑の島で地蔵をあがめた聖人の話

巻17第16話 伊豆国大島郡建地蔵寺語 第十六 今は昔、伊豆の国大島の郡(東京都大島町)に、鳥獣もおとずれることのない絶海の孤島がありました。これ以上の悪所はないといえる辺地です。その島の西南に、たいへん霊験に満ちた土地がありました。...
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4-25 Priest Aryadeva visits Master Nagarjuna

Once upon a time, there lived a Buddhist philosopher called Nagarjuna in western India. He had infinite wisdom and bene...
巻二十

巻二十第四十四話 下毛野敦行、自邸の門より隣人の死棺を出す

巻20第44話 下毛野敦行従我門出死人語 第四十四 今は昔、右近将監(うこんのしょうげん・右近衛府の三等官)下毛野敦行(しもつけののあつゆき)という近衛舎人がいました。若いころから人望のあった者です。容貌・人品・風采・人柄をはじめ、乗...
巻十九

巻十九第二十六話 下野公助、父に打たれても逃げなかった話

巻19第26話 下野公助為父敦行被打不逃語 第廿六 今は昔、右近の馬場で手番(てつがい・射手を左右に分けて二人一組で勝負を競う。五月の節句の宮中行事)が行われたとき、中将・大将たちが馬場で着座していました。その日、下野公助(しもつけの...
巻二十八

巻二十八第五話 越前守為盛の六衛府の官人への言いわけ

巻28第5話 越前守為盛付六衛府官人語 第五 今は昔、藤原為盛朝臣(ふじわらのためもりのあそん)という人がいました。越前守(えちぜんのかみ・現在の福井県東部の国司)であったとき、六衛府の下級役人に支給すべき大粮米(だいろうのよね・官給の米...
巻一

巻一第三十八話 目と手足を失った盗賊たちの話

巻1第38話 舎衛国五百群賊語 第卅八 今は昔、天竺の舎衛国(しゃえこく、コーサラ国)に五百人の盗賊がおりました。波斯匿王(はしのくおう、プラセーナジット王)は盗賊たちをみな捕らえ、重い咎(刑)を課しました。両目をえぐり、手足を切断して、...
巻五

巻五第二十五話 猿と亀のだましあいの話

巻5第25話 亀為猿被謀語 第廿五 今は昔、天竺の海辺に山がありました。一匹の猿が、木の実を食べて暮らしていました。山の近くの海に、亀の夫妻が住んでいました。妻の亀が夫の亀に言いました。「私はあなたの子を妊娠しました。しかし、私は腹に病が...
巻一

巻一第三十七話 子どもを護った執金剛神の話

巻1第37話 財徳長者幼子称仏遁難語 第卅七 今は昔、天竺に財徳長者という人がありました。幼い愛子があり、つねに「南無仏」ととなえるよう教えていました。子は教えにしたがい、常に「南無仏」ととなえていました。寒いときも、暑いときも、心に...
巻二十

巻二十第三十三話 吉志火麿、母を殺そうとして報いを受ける

巻20第33話 吉志火麿擬殺母得現報語 第卅三 今は昔、武蔵国多磨郡鴨郷(むさしのくにたまのこおりかものさと、神奈川県)に、吉志火丸(きしのひまろ)という者がいました。その母は、日下部真屓(くさかべのまとじ)であります。 聖武天皇の御代に...
巻十九

巻十九第十四話 人殺しの悪人が僧になって旅する話(マンガリンクあり)

巻19第14話 讃岐国多度郡五位聞法即出家語 第十四 今は昔、讃岐国多度の郡(香川県善通寺市)に、源大夫という人がありました。名はわかりません。とても猛々しい人で、殺生を生業としていました。日夜朝暮に山野に行っては鹿鳥を狩り、川海に行って...
巻十二

巻十二第三十三話 多武峰の増賀聖人の話

巻12第33話 多武峰増賀聖人語 第卅三 今は昔、多武峰(とうのみね、奈良県桜井市)に増賀聖人(そうがしょうにん)という人がいました。 俗姓は□□氏、京の人であります。 生まれてあまりたたない頃、父母が何かの縁があって関東の方に下ることにな...
巻十四

巻十四第三話 蛇になった女と焼き殺された男の話(安珍と清姫の物語)

巻14第3話 紀伊国道成寺僧写法花救蛇語 第三 今は昔、熊野に向かう二人の僧がありました。一人は老僧、もう一人は若く、容姿端麗でした。牟婁の郡(和歌山県)である家に泊まりました。 家主は若い寡婦(独身女性。未婚または未...
巻十七

巻十七第十五話 夢のお告げで伯耆大山に向かった貧しい僧の話

巻17第15話 依地蔵示従愛宕護移伯耆大山僧語 第十五 今は昔、愛宕護(あたご)の山に一人の僧が住んでいました。名を蔵算といい、仁和寺の池上(地名)の平救阿闍梨(へいきゅうあじゃり、阿闍梨は高位の僧の意)の弟子でした。 蔵算...
巻四

巻四第十一話 打たれた児と南海のコウモリの話

巻4第11話 天竺羅漢比丘値山人打子語 第十一 今は昔、天竺に羅漢(聖者)の僧がありました。ある日、羅漢はひとりの山人(木こりなどして山で生活する人)と出会いました。山人は幼い童子をつれていて、ムチで打ち、哭(な)かせていました。 羅漢...