巻十一

巻十一第四話 入唐して三蔵法師の弟子となり唯識をひろめた道照の話

巻11第4話 道照和尚亙唐伝法相還来語 第四 今は昔、本朝、天智天皇の御代に、道照和尚という聖人がいらっしゃいました。俗姓は丹氏、河内の国(大阪府)の人です。幼くして出家して、元興寺の僧となりました。智恵は深く心はまっすぐでした。また、道...
巻二十八

巻二十八第二話 源頼光の郎等たち、祭り見物に行く

巻28第2話 頼光郎等共紫野見物語 第二 今は昔、摂津守(せっつのかみ・大阪府北西部と兵庫県南東部の国司)源頼光朝臣(みなもとのよりみつのあそん)の郎等に、平貞道(たいらのさだみち)・平季武(たいらのすえたけ)・□□の公時(きんとき)とい...
巻二十九

巻二十九第九話 殺した法師の家をたずねた盗人の話

巻29第9話 阿弥陀聖殺人宿其家被殺語 第九 今は昔、□□の国□□の郡に□□寺という寺がありました。その寺に、阿弥陀の聖ということをして諸国を歩く法師がいました。上に鹿の角を付け、末端には二股の金具を付けた杖※1を突き、鉦(かね)を叩いて...
巻二十五

巻二十五第八話 源頼親、清原致信を討つ(欠話)

巻25第8話 源頼親朝臣令罸清原□□語 第八(欠文) 【解説】 柳瀬照美 本話は、表題だけをとどめる本文欠話。 表題から推測すると、寛仁元年(1017)3月8日、源頼親(みなもとのよりちか)が郎等に命じて、前大宰少監・清原致信(きよはらのむ...
巻十七

巻十七第二十八話 地蔵が京に住む女を助けた話

巻17第28話 京住女人依地蔵助得活語 第廿八 今は昔、京の太刀帯(たちはき)町のあたりに住んでいる女性がありました。もとは東国の人です。縁あって京に上り、住んでいました。 その女人は善心があって、月の二十四日(地蔵の縁日)に六波羅蜜寺の...
巻六

巻六第十一話 兄にわずかな協力をしたために救われた地獄の罪人の話

巻6第11話 震旦唐虞安良兄依造釈迦像得活語 第十一 今は昔、震旦の唐の時代、幽州の漢県(漁陽県)に、虞(ぐ)の安良いう人がありました。字を族といいます。殺生を仕事として半生を過ごし、殺した生類の数は甚だ多く、数えることもできないほどでし...
巻二十五

巻二十五第七話 藤原保昌が盗人の袴垂に衣を与えた話

巻25第7話 藤原保昌朝臣値盗人袴垂語 今は昔、世に袴垂(はかまだれ)というたいそうな盗賊の大親分がいました。肝っ玉が太く、力強く、足早く、腕っぷしすぐれ、頭も切れて、肩を並べる者のない男でありました。隙をうかがっては、多くの人びとの物を...
巻二十五

巻二十五第六話 源頼光、堂上の狐を射る

巻25第6話 春宮大進源頼光朝臣射狐語 第六 今は昔、三条天皇が皇太子であられた頃のことです。東三条殿(母方の祖父・藤原兼家の邸宅)においでになったとき、その寝殿の南面を春宮(とうぐう・皇太子)が歩いて行かれたところ、西の透渡殿(すきわた...
巻二十九

巻二十九第八話 冷たい川に落ち犬に食われた女の話

巻29第8話 下野守為元家入強盗語 第八 今は昔、下野(しもつけ)の守藤原為元※1という人がいました。家は三条大路よりは南、西洞院大路よりは西に当たる所にありました。 さて、十二月のつごもりの頃に、その家に強盗が入りました。隣家の人々が驚...
巻二十九

巻二十九第七話 使用人が強盗を捕らえ武士になった話

巻29第7話 藤大夫□□家入強盗被捕語 第七 今は昔、猪熊小路と綾小路が交差する辺り※1に、藤大夫□□※2という者が住んでいました。受領の供でもしたのでしょうか、田舎に行って京に帰って来る時に、多くの物を持ち返りそれを整理していました。そ...
巻二十九

巻二十九第六話 強盗するために人の家に押し入って捕らえられた放免たちの話(芥川龍之介『偸盗』元話②)

巻29第6話 放免共為強盗入人家被捕語 第六 今は昔、□□の□□という者がいました。家は上京の辺りにありました。若い時から受領について諸国に行くのを仕事にしていましたので、しだいに蓄えもでき、生活に不自由はなく家も豊かで従者も多く、自分の領...
巻二十九

巻二十九第四話 隠れた女の婿となった話

巻29第4話 隠世人聟□□□□語 第四 今は昔、␣(欠字)の␣(欠字)という人がいました。父母に先立たれ、この先どうやって世渡りをしていこうかと思いあぐねて、妻もいませんので、「頼りになる妻を娶(めと)りたいものだ」と探していますと、...
巻二十九

巻二十九第十九話 大盗・袴垂、死んだふりをして人を殺す

巻29第19話 袴垂於関山虚死殺人語 第十九 今は昔、袴垂(はかまだれ)という盗人がいました。盗みを仕事としていたので、捕えられて牢獄につながれましたが、大赦(たいしゃ・ほとんどの罪人を赦免すること)に浴して出獄したものの、頼って行く所も...
巻六

巻六第十話 真言を伝えるため震旦から天竺に戻りふたたび震旦に入った僧の話

巻6第10話 仏陀波利尊勝真言渡震旦語 第十 今は昔、北天竺の罽賓国(かひんこく、カブール。カシミール説もあり)に、仏陀波利(ぶっだはり)という聖人がありました。唐では覚護と呼ばれました。心を発して道を求めた人です。 文殊が清涼山(五台山...
巻十一

巻十一第三話 役行者が鬼神をつかって山に橋をかけた話

巻11第3話 役優婆塞誦持呪駈鬼神語 第三 今は昔、役(えん)の優婆塞(うばそく、在家信者)という聖人がありました。大和国葛上の郡茅原の村(奈良県御所市)の人です。俗姓は賀茂、役の氏でした。年来、葛木の山に住み、藤の皮を以て衣とし、松の葉を...