巻七

巻七第四話 神童が前世を知る話

巻7第4話 震旦僧智諳誦大般若経二百巻語 第四 今は昔、震旦の都に僧がおりました。名を僧智と申しました。香炉を呑む夢を見た母親が懐妊してできた子なのですが、生まれ落ちるなり『大般若経』と経典名を唱えたものですから、まわりはみな不思議がりま...
巻二十九

巻二十九第十八話 羅城門の老婆の話(芥川龍之介『羅生門』元話)

巻29第18話 羅城門登上層見死人盗人語 第十八 今は昔、摂津の国(大阪府)から、盗みをするために京に入ってきた男がありました。 羅城門に至りましたが、日が暮れる前だったので、まだ朱雀大路(京のメインストリート)の方に向かっていく人が多...
巻二十二

巻二十二第五話 藤原北家中興の祖・冬嗣と三人の息子たち

巻22第5話 閑院冬嗣右大臣幷子息語 今は昔、閑院(かんいん)の右大臣、冬嗣(ふゆつぐ)と申し上げる方にたくさんの御子(みこ)たちがおいでになりました。長兄を長良(ながら)の中納言と申し上げます。どういうわけか、この中納言は長男でいらっし...
巻二十

巻二十第三話 天狗が仏に化けて古木に現れた話

巻20第3話 天狗現仏坐木末語 第三 今は昔、延喜の天皇(醍醐天皇)のころ(897~930)、五条の道祖神がいらっしゃるところ(現在の松原道祖神社)に、実のならない大きな柿の木がありました。 その柿の木の上に、仏が現われました。 まば...
巻一

巻一第十話 提婆達多が仏をあやめる話

巻1第10話 提婆達多奉諍仏語 第十 今は昔、提婆達多(だいばだった、デーヴァダッタ)という人がありました。釈尊の父方のいとこに当たります。提婆達多は釈尊の父・浄飯王の弟、黒飯王の子です。 提婆達多がいまだ太子だったころ、雁を射ました。...
巻十七

巻十七第二話 乱暴者を地蔵菩薩と思い込んだ話

巻17第2話 紀用方仕地蔵菩薩蒙利益語 第二 今は昔、尾張に、長く公にとつとめた後、出家して、入道と称した人がありました。その人の家に一人の乱暴者がありました。武蔵介紀用方(むさしのすけきのもちかた)といいました。用方は武勇をもって聞こえ...
巻一

巻一第九話 舎利弗の超能力合戦

巻1第9話 舎利弗与外道術競語 第九 今は昔、釈迦如来の弟子・舎利弗(しゃりほつ/シャーリプトラ/サーリプッタ)尊者は、外道(仏教以外の教えを奉ずる者)の子でした。母の胎内にあるうちから智恵があり、母の腹を破って出てこようとしました。母は...
巻二十二

巻二十二第四話 内麿の大臣、あばれ馬を乗りこなす

巻22第4話 内麿大臣乗悪馬語第四 今は昔、内麿(うちまろ)の右大臣と申し上げる方は、房前(ふささき)の大臣のお孫に当たり、大納言・藤原真楯(ふじわらのまたて)と申した方の御子であります。生まれつきすぐれた才能をお持ちで、殿上人(てんじょう...
巻一

巻一第八話 サールナート(鹿の園)で説いた(釈迦伝15)

巻1第8話 釈迦為五人比丘説法語 第八 今は昔、釈迦如来は波羅奈国(ばらなこく、ヴァラナシ=ベナレス)に赴き、?陳如(きょうちんにょ)など、5人の比丘が修行しているところに行きました。 5人は如来がやってくるのを見て、語りあ...
巻一

巻一第七話 そして彼はブッダとなった(釈迦伝14)

巻1第7話 菩薩於樹下成道語 第七 今は昔、天魔は種々の方法によって、菩薩の成道(悟りを開くこと)を妨げようとしました。しかし、菩薩は芥子ほども動かされることはありませんでした。端正な天女の形も刀で刺し殺される恐怖も慈悲の力で追いやり、二...