巻十二

巻十二第十七話 盗まれた絵が声を出して助けを求めた話

巻12第17話 尼所被盗持仏自然奉値語 第十七 今は昔、河内の国若江の郡の遊宜の村(大阪府八尾市)に、一人の沙弥(僧になってない修行者)の尼がありました。仏の道を心に懸け、かぎりなく熱心に修行しました。平群(奈良県生駒市)の山寺に住み、人...
巻九

巻九第二十一話 棘(いばら)に消えた少女の話

巻9第21話 震旦代州人好畋猟失女子語 第廿一 今は昔、隋の開皇年間(581~600年)の末のころ、代州の人で王という人がおりました。帝に仕え、驃騎将軍となりました。また、荊州の鎮守をつとめました。とても狩猟を好み、朝暮に生命を殺していま...
巻三

巻三第十九話 仏を疑った老女奴隷の話

巻3第19話 須達家老婢得道語 第(十九) 今は昔、天竺(インド)の舎衛城(シュラーヴァスティー、コーサラ国の首都)に、須達長者(スダッタ、祇園精舎を寄贈した富豪)が住んでいました。老婢(老いた女奴隷)がひとりありました。名を毗低羅(びて...
巻十九

巻十九第三十一話 ドクロと霊が恩を返す話

巻19第31話 髑髏報高麗僧道登恩語 第卅一 今は昔、高句麗(朝鮮半島の国)からこの朝(日本)に渡る僧がありました。名を道登といいます。元興寺に住みました。 「善根を積むため、宇治の橋をつくり渡そう」と考え、工事をはじめました。そのころ...
巻七(全)

巻七第四十八話 僧に弁護され生き返った男の話

巻7第48話 震旦華州張法義依懺悔得活語 第卌八 今は昔、震旦の華州の鄭県に、張の法義という人がいました。若い頃は貧に喘ぎ、礼法も知りませんでした。 貞観十年(636年)華山に入り、木を伐っていましたところ、ふと見ると岩窟に一人の僧がい...
English

31-3 The Tale of a Monk Who Killed a Girl to Avoid Committing Lustful Sin

Once upon a time, there lived a monk named Acharya Tankei. He was a disciple of the great priest Jikaku Daishi (Ennin). ...
巻七(全)

巻七第四十七話 生き返って肉を食い戒を犯した男の話

巻7第47話 震旦鄭師弁活持戒語 第卌七 今は昔、震旦の唐の時代に右監門兵曹参軍である、鄭の師弁という人がいました。まだ年若い頃に突然病にかかり、死んでしまいました。父母は泣き悲しみましたがどうすることもできず、あきらめざるを得ません...
巻十二

巻十二第十六話 仏に祈り難を逃れた罪人の話

巻12第16話 獦者依仏助免王難語 第十六 今は昔、聖武天皇の御代、神亀四年(717年)九月中旬、天皇は群臣とともに狩りに出られました。添上の郡山村(奈良市帯解)の山で、一匹の鹿を見ました。鹿は網見の里(奈良県天理市朝和)の百姓の家の中に...
巻七(全)

巻七第四十六話 地獄で親に会えなかった僧の話

巻7第46話 真寂寺僧恵如得閻魔王請語 第卌六 今は昔、震旦の長安の都に真寂寺という寺がありました。この寺に恵如禅師という僧が住んでいました。この人は若い頃から精魂込めて仏法を信仰し、いささかも怠ることなく仏道を修行していました。 ある...
巻九

巻九第二十話 鳥になって継母に復讐した子の話

巻9第20話 震旦周代臣伊尹子伯奇死成鳴報継母怨語 第二十 今は昔、震旦の周の代に、伊尹(いいん、尹吉甫)という大臣がありました。伯奇という男子が一人あり、端正で美しい姿をしておりました。伯奇の母が死んだ後、伊尹は後妻を迎え、伯奇の継母と...
巻七(全)

巻七第四十五話 岩の経蔵を造った人の話

巻7第45話 震旦幽州僧知菀造石経蔵納法問語 第卌五 今は昔、震旦の幽州というところに知菀(ちおん)という僧がいました。悟りの道に入り、仏道をもっぱらに学び、衆生を弘く救おうという誓願をたてていました。 随の大業の時代(605〜618年...
巻三十一

巻三十一第十九話 つかないのに鳴る不思議な鐘の話

巻31第19話 愛宕寺鋳鐘語 第十九 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人が愛宕寺(おたぎでら、六道珍皇寺)を建立し、その寺で使うために鋳物師に鐘を鋳させたところ、鋳物師が言うには、 「この鐘は撞(つ)く人がなくても、十二の時(今の...
English

4-8 The Saint Who Wept Before a False Buddha

Once upon a time,in the land of India, there lived an enlightened arhat (saint) named Upagupta. His way of benefiting ot...
巻七(全)

巻七第四十四話 氷の川をつきやぶって出た型破りな僧の話

巻7第44話 河東僧道英知法語 第卌四 今は昔、河東に道英という僧がいました。若い頃から禅行を怠りませんでしたが、身にまとう衣服などは全く気に掛けず、調えもしませんでした。 しかし、道英は物事の道理を判断するひろい智慧があり、経文に説か...
巻十九

巻十九第三十話 亀に救われた百済の僧の話

巻19第30話 亀報百済僧弘済恩語 第三十 今は昔、備後の国三谷の郡(広島県三次市)に住む人がありました。その郡の大領(長官)が先祖でした。百済(朝鮮半島の国)が滅んだとき、縁あってかの国を助けるため、多くの眷属(兵)をひきつれ、海をわた...
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