巻六巻六第四十四話 翼が生えて極楽に飛んだ僧の話 巻6第44話 震旦僧感持観無量寿経阿弥陀経語 第四十四 今は昔、震旦(中国)の并州に僧がありました。名を僧感といいます。 心を発し、観無量寿経と阿弥陀経を読誦することを業として、長い月日を過ごしました。 ある日、夢を見ました。 「わ... 2023.09.24巻六
巻二十六巻二十六第八話④ 神になった男(生贄になった男④) (③より続く) 巻26第8話 飛騨国猿神止生贄語 第八 生贄を出した家の家主は、「私が出した生贄に問題があったのだろうか」と冷静ではいられず、怖ろしく思っていました。生贄の男の妻は思いました。 「夫は刀を隠して持っていった。このように... 2023.09.21巻二十六
巻二十六巻二十六第八話③ 返り討ちにあった猿神(生贄になった男③) (②より続く) 巻26第8話 飛騨国猿神止生贄語 第八 祭の七日前になりました。この家は注連(しめなわ)をめぐらせました。男にも精進潔斎させました。村の他の家々も注連を引き、慎しんでいました。妻は、「夫とともにいられるのは、あと何日か」... 2023.09.21巻二十六
巻二十六巻二十六第八話② 消沈する美しい妻(生贄になった男②) (①より続く) 巻26第8話 飛騨国猿神止生贄語 第八 郡司の家ほどは大きくありませんが、みごとに飾られた家でした。男女の使用人が多くありました。使用人たちは僧の来訪を待ち喜び、走り騒ぎました。浅黄の男は、板敷の上から「はやくあがってく... 2023.09.21巻二十六
巻二十六巻二十六第八話① 山の中の隠れ里(生贄になった男①) 巻26第8話 飛騨国猿神止生贄語 第八 今は昔、仏道修行のため旅をする僧がありました。あてもなく歩むうち、飛騨国(岐阜県北部)に入りました。 ある日、山深く入り、道に迷うことがありました。方角もまったくわからないまま、木の葉がうずたかく... 2023.09.21巻二十六
巻十一巻十一第二十九話 天智天皇が供養のために指を切り落とした話 巻11第29話 天智天皇建志賀寺語 第廿九 今は昔、天智天皇が近江の国志賀郡(滋賀県大津市)粟津の宮(近江大津宮)にいらっしゃったとき、寺を建てる願を立てました。「建てるべき地をお示しください」と祈り願った夜の夢に、僧があらわれて告げまし... 2023.09.10巻十一
巻三巻三第十四話 人前に出せないほど醜い姫の話 巻3第14話 波斯匿王娘金剛醜女語 第(十四) 今は昔、天竺(インド)の舎衛国(コーサラ国、祇園精舎がある)に波斯匿王(プラセーナジット王)という王がいました。妃は末利夫人(マッリカー夫人)といい、その容姿の美しさは、十六の大国(インドの... 2023.09.10巻三
巻六巻六第四十三話 浄土教の祖・曇鸞大師の話 巻6第43話 震旦曇鸞焼仙経生浄土語 第四十三 今は昔、震旦(中国)の斉の代に僧がありました。名を曇鸞といいます。震旦の仙経(不老不死を説いた道教の経典)十巻を伝え得て、これを見て、「長生不死の法はこれに勝るものはない」と深く思い、閑かな... 2023.08.30巻六
巻十四巻十四第二話 殺し合い続けた鼠と蛇の話 巻14第2話 信濃守為蛇鼠写法花救苦語 第二 今は昔、信濃守の□という人がありました。 任国の信濃(長野県)の任期を終えて、京ににのぼるとき、大きな蛇がお供についてきました。一行がとどまると蛇もとどまり、薮の中におりました。昼は、前にな... 2023.08.26巻十四
巻十七巻十七第四十八話 妙見菩薩が盗まれた絹を取り戻した話 巻17第48話 依妙見助得被盗絹語 第四十八 今は昔、紀伊の国の安諦の郡(和歌山県有田川町)に私部寺(さきいべでら)という寺がありました。その寺の前に、富裕な家がありました。その家に盗人が入り、絹十疋を盗まれました。誰が盗んだのかわかりま... 2023.08.18巻十七
巻六巻六第四十二話 義浄三蔵と武則天の話 巻6第42話 義浄三蔵訳最勝王経語 第四十二 今は昔、震旦(中国)に則天皇后(武則天・則天武后)という女帝がいらっしゃいました。仏記を受け、深く仏法を信じ、広く衆生(民)をあわれみました。 そのころ、義浄三蔵という聖人があり... 2023.08.13巻六
巻二十六巻二十六第七話 生贄を食らう猿神の話 巻26第7話 美作国神依猟師謀止生贄語 第七 今は昔、美作国(岡山県)に中参と高野という神がありました。中参は猿、高野は蛇のすがたをしていました。 毎年、これを祭るために、生贄を備えました。その生贄には、国人の娘で、未だ嫁が... 2023.08.10巻二十六
巻十一巻十一第二十八話 智証大師円珍が三井寺を再興し新しい宗派を開いた話 巻11第28話 智証大師初門徒立三井寺語 第廿八 今は昔、智証大師(円珍)は、比叡山の僧として、千光院というところに住んでいました。天台座主としてかの院にいらっしゃったのです。天皇をはじめ、世をあげて大師をかぎりなく貴びました。 大師は... 2023.08.08巻十一
このプロジェクトについて意訳と直訳――読みやすいのがいちばんです お仕事なさってくれている方から、翻訳は直訳すべきなのか、意訳をするべきなのかとよく問われます。言い換えれば、原文を重視すべきかストーリーを重んじるべきかということです。 意訳/ストーリー重視でやってください、とお願いしています。 研究者... 2023.08.04このプロジェクトについて
巻二(全)巻二第四十一話 衣服を買わない異様な風体の長者の話 巻2第41話 舎衛城婆提長者語 第四一 今は昔、天竺(インド)の舎衛城(コーサラ国の首都)に一人の長者がありました。名を婆提(ばだい)といいます。家は大いに富み、無量の財宝にあふれていました。飲食・衣服・金銀などの珍しい財宝が倉に積みあげ... 2023.08.03巻二(全)