巻二十

巻二十第十九話 地獄の鬼に賄賂をおくった話

巻20第19話 橘磐島賂使不至冥途語 第十九 今は昔、橘の磐島という者がありました。聖武天皇の御代、奈良の都の人でした。大安寺の西の郷に住んでいました。 大安寺の修多羅供(しゅたらく、寺院運営の基金)の銭四十貫を借り、越前の国(福井県)敦...
巻四

巻四第二十一話 五頭の獅子を出し許された罪人の話

巻4第21話 為国王負過人供養三宝免害語 第廿一 今は昔、天竺に一人の男がありました。罪を犯し、その過(とが)を受けることになりました。国王は男を捕え、首を切ろうとしました。そのとき男が申しました。「私に七日の猶予をください」王は男の願い...
巻四

巻四第二十話 妻を欲する王と鬼神の道をたどった夫の話

巻4第20話 天竺人為国王被召妻人依唱三帰免蛇害語 第二十 今は昔、天竺のひなびた田舎に一人の人がありました。端正美麗な妻をもっていました。夫婦はとても仲がよく、ともに住み、深く結びついていました。 あるとき、国王は思いました。「国内で端...
巻二十三

巻二十三第十四話 平致経が夜半に僧正の警護をした話

巻23第14話 左衛門尉平致経送明尊僧正語 第十四 今は昔、宇治殿(藤原頼通・道長の長子)が全盛であられたころ、三井寺(園城寺の通称)の明尊僧正(みょうそんそうじょう)はご祈祷僧として夜の宿直に伺候していましたが、御灯明はともしていません...
巻六

巻六第二話 インドから中国に仏法が伝わった話

巻6第2話 震旦後漢明帝時仏法渡語 第二 今は昔、後漢の明帝のころ(西暦57~75)のことです。帝は身長一丈(約3メートル)の金色に光る人がやってくる夢を見ました。 目覚めてから、知恵ある大臣を召し、この夢の相を見てくれと言いました。大臣...
巻二十三

巻二十三第十三話 一条天皇治世における政道

巻23第13話 平維衡同致頼合戦蒙咎語 第十三 今は昔、一条天皇の御代に、前下野守(さきのしもつけのかみ・現在の栃木県の前国司)・平維衡(たいらのこれひら)という武人がいました。これは陸奥守(むつのかみ・現在の東北地方の国司)・貞盛(さだ...
巻二十九

巻二十九第二十五話 平貞盛、胎児の肝を採る

巻29第25話 丹波守平貞盛取児干語 第廿五 丹波守(たんばのかみ・現在の京都府中部と兵庫県北東部の国司)に在任中、任国で悪性の瘡(かさ・皮膚疾患)をわずらい、□□という名医を京から迎えて診察させたところ、医師(くすし)は、「命に係わるよ...
巻二十九

巻二十九第五話 平貞盛、盗賊を追い払う

巻29第5話 平貞盛朝臣於法師家射取盗人語 第五 今は昔、下京(左京の五条・六条)のあたりに、いくらか財産のある法師がいました。 家は豊かで、何不自由なく暮らしていましたが、その家に不思議なお告げがありました。そこで、賀茂忠行(かものただ...
巻二十七

巻二十七第二十三話 播磨国の鬼が、人家に来て射られた話

巻27第23話 播磨国鬼来人家被射語 第廿三 今は昔、播磨国(兵庫県姫路市)の□□郡に住んでいる人が死んだので、その後に死穢を祓おうとして、陰陽師を呼んで家にしばらく居てもらったが、その陰陽師が言うには、「こんど、某日に、この家に鬼が来る...
巻二

巻二第十話 金貨をにぎって生まれた赤子の話

巻2第10話 舎衛城金財比丘語 第十 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の都)に、一人の長者がありました。家は大きく富み、無量の財がありました。長者は男子をさずかりました。世に並ぶ者のない美しい子でした。 生まれたとき、両手のひらを握ってい...
巻三十

巻三十第十話 すぐれた歌で夫を連れ戻した妻の話

巻30第10話 住下野国去妻後返棲語 第十 今は昔、下野の国(栃木県)に住む者がありました。 長く夫妻は仲むつまじくともに棲んでおりましたが、何があったのでしょうか、夫はその妻のもとを去り、異なる妻をつくりました。夫はすっかり心変わりして...
巻六

巻六第一話 始皇帝が僧を投獄した話

巻6第1話 震旦秦始皇時天竺僧渡語 第一 今は昔、震旦の秦の始皇帝の時代に、天竺から僧が渡ってきました。名を「釈の利房」といいます。十八人の賢者をつれて、法文と聖教をもたらしました。 皇帝は問いました。「おまえたちは何者か。どこの国から来...
巻二十五

巻二十五第四話 従者の仇討ち

巻25第4話 平維茂郎等被殺語 第四 今は昔、上総守(かずさのかみ・現在の千葉県中央の国司)平兼忠(たいらのかねただ)という者がいました。これは平貞盛(たいらのさだもり)という武人の弟の繁茂(しげもち・正しくは繁盛)の子であります。 その...
巻四

巻四第十九話 経を聞いた鼠の話

巻4第19話 天竺僧房天井鼠聞経得益語 第十九 今は昔、仏が涅槃に入った後の天竺に、ひとりの比丘がある房に住んでおりました。常に法華経を誦していました。その房の天井の上に五百の老鼠がおり、日々夜々に法華経を聞き、数(あまた)の年をかさねま...
巻十七

巻十七第二十四話 狩りの途中で地蔵を見た男の話

巻17第24話 聊敬地蔵菩薩得活人語 第廿四 今は昔、源の満仲の朝臣という人がありました。勇猛で武芸の道に長けていました。公私にわたって、その道で並ぶ者はありませんでした。 その人のもとに、一人の郎等(家来)がありました。荒っぽく殺生を...