巻二十九

巻二十九第二十五話 平貞盛、胎児の肝を採る

巻29第25話 丹波守平貞盛取児干語 第廿五 丹波守(たんばのかみ・現在の京都府中部と兵庫県北東部の国司)に在任中、任国で悪性の瘡(かさ・皮膚疾患)をわずらい、□□という名医を京から迎えて診察させたところ、医師(くすし)は、「命に係わるよ...
巻二十九

巻二十九第五話 平貞盛、盗賊を追い払う

巻29第5話 平貞盛朝臣於法師家射取盗人語 第五 今は昔、下京(左京の五条・六条)のあたりに、いくらか財産のある法師がいました。 家は豊かで、何不自由なく暮らしていましたが、その家に不思議なお告げがありました。そこで、賀茂忠行(かものただ...
巻二十七

巻二十七第二十三話 播磨国の鬼が、人家に来て射られた話

巻27第23話 播磨国鬼来人家被射語 第廿三 今は昔、播磨国(兵庫県姫路市)の□□郡に住んでいる人が死んだので、その後に死穢を祓おうとして、陰陽師を呼んで家にしばらく居てもらったが、その陰陽師が言うには、「こんど、某日に、この家に鬼が来る...
巻二

巻二第十話 金貨をにぎって生まれた赤子の話

巻2第10話 舎衛城金財比丘語 第十 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の都)に、一人の長者がありました。家は大きく富み、無量の財がありました。長者は男子をさずかりました。世に並ぶ者のない美しい子でした。 生まれたとき、両手のひらを握ってい...
巻三十

巻三十第十話 すぐれた歌で夫を連れ戻した妻の話

巻30第10話 住下野国去妻後返棲語 第十 今は昔、下野の国(栃木県)に住む者がありました。 長く夫妻は仲むつまじくともに棲んでおりましたが、何があったのでしょうか、夫はその妻のもとを去り、異なる妻をつくりました。夫はすっかり心変わりして...
巻六

巻六第一話 始皇帝が僧を投獄した話

巻6第1話 震旦秦始皇時天竺僧渡語 第一 今は昔、震旦の秦の始皇帝の時代に、天竺から僧が渡ってきました。名を「釈の利房」といいます。十八人の賢者をつれて、法文と聖教をもたらしました。 皇帝は問いました。「おまえたちは何者か。どこの国から来...
巻二十五

巻二十五第四話 従者の仇討ち

巻25第4話 平維茂郎等被殺語 第四 今は昔、上総守(かずさのかみ・現在の千葉県中央の国司)平兼忠(たいらのかねただ)という者がいました。これは平貞盛(たいらのさだもり)という武人の弟の繁茂(しげもち・正しくは繁盛)の子であります。 その...
巻四

巻四第十九話 経を聞いた鼠の話

巻4第19話 天竺僧房天井鼠聞経得益語 第十九 今は昔、仏が涅槃に入った後の天竺に、ひとりの比丘がある房に住んでおりました。常に法華経を誦していました。その房の天井の上に五百の老鼠がおり、日々夜々に法華経を聞き、数(あまた)の年をかさねま...
巻十七

巻十七第二十四話 狩りの途中で地蔵を見た男の話

巻17第24話 聊敬地蔵菩薩得活人語 第廿四 今は昔、源の満仲の朝臣という人がありました。勇猛で武芸の道に長けていました。公私にわたって、その道で並ぶ者はありませんでした。 その人のもとに、一人の郎等(家来)がありました。荒っぽく殺生を...
巻二十七

巻二十七第二十二話 猟師の母が鬼となり、子どもを食べようとした話

巻27第22話 猟師母成鬼擬噉子語 第廿二 今は昔、□□国の□□郡に、鹿や猪を殺すことを生業としている、兄弟二人がいました。いつも山に行って、鹿を射れば、兄弟で一緒に山に行っていました。 「待ち」ということをしていました。それは高い木の...
巻二十七

巻二十七第二十一話 霊の荷物を運んだ男が、中を見て死んだ話

巻27第21話 美濃国紀遠助値女霊遂死語 第廿一 今は昔、長門国(山口県)の前司、藤原孝範(*1)という人がおりました。その人が下総(千葉県)権守(ごんのかみ、国司)だった時に、関白殿に仕えていた者で、美濃国にある生津(いくつ、*2)の荘...
巻二十七

巻二十七第二十話 近江国の生霊が、京に来て人を殺した話

巻27第20話 近江国生霊来京殺人語 第二十 今は昔、京から美濃・尾張(岐阜県・愛知県)の方に下ろうとする下郎がおりました。 京を暁に出立しようと思い、夜深くに起きて行くと、□□と□□の辻で、大路に青みがかった衣を着た女房の裾を取ったのが...
巻二十七

巻二十七第十九話 油瓶の物気が人を殺した話

巻27第19話 鬼現油瓶形殺人語 第十九 今は昔、小野宮右大臣と申し上げる方がいらっしゃいまして、お名前を実資と申し上げました(藤原実資)。才覚がおありで、賢くいらっしゃったので、世の人は「賢人の右大臣」とお呼びしました。 その人が、参...
巻二十

巻二十第四十五話 小野篁、右大臣の良相を蘇生させる

巻20第45話 小野篁依情助西三条大臣語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 まだ学生の身分だったとき、あることで朝廷が篁を処罰したのですが、当時、西三条大臣(にしさんじょうのおとど)・良相(よしみ、藤原良相・冬嗣の五...
巻五

巻五第三十二話 老人の知恵で難局を乗り切る話

巻5第32話 七十余人流遣他国語 第卅二 今は昔、天竺に、七十歳を越した人を流してしまう国がありました。その国にあるひとりの大臣がありました。朝暮に母の面倒を見て、孝養していました。 やがて、母は七十歳になりました。「朝に顔を見て、夕に会...