巻十一巻十一第二十話 聖徳太子が法隆寺を築いた話(欠話) 巻11第20話 聖徳太子建法隆寺語 第二十(欠文) 【解説】草野真一 『今昔物語集』は聖徳太子を日本仏教の祖として描いている。聖徳太子が築いたとされる寺院はいくつもあるが、法隆寺をその代表とすることに異論がある者はないだろう。飛鳥の聖徳太... 2023.01.26巻十一
巻二十四巻二十四第四十九話 亡き親に歌をそなえた貧しい娘の話 巻24第49話 七月十五日立盆女読和歌語 第四十九 今は昔、七月十五日の盂蘭盆の日※1に、たいそう貧しい女が、亡き親のために食べ物を供えることができないので、着ていたたった一つの薄紫色の綾の衣を盆に載せて、その上を蓮の葉で覆い、それを持っ... 2021.08.19巻二十四
巻二十四巻二十四第四十八話 大江定基、飢えたる女の和歌に感動する 巻24第48話 参河守大江定基送来読和歌語 第四十八 今は昔、大江定基朝臣(おおえのさだもとのあそん)が三河守(みかわのかみ・現在の愛知県東部の国司)だったころ、世の中が大飢饉に見舞われ、食べ物がまったく無い時期があり、その五月の長雨のと... 2019.11.19巻二十四
巻六巻六第三十二話 天に生まれることより蓮華蔵世界への転生を望んだ僧の話 巻6第32話 震旦僧霊幹講花厳経語 第卅二 今は昔、震旦(中国)の隋の時代、一人の僧がありました。名を霊幹といいます。常に華厳経を講じていました。遠方の人も近在の人も、多くの人がやってきて、霊幹の講義を聞いていました。 開皇十七年(59... 2023.01.19巻六
巻十一巻十一第十九話 光明皇后が法華寺を尼寺とした話(欠話) 巻11第19話 光明皇后建法華寺為尼寺語 第十九(欠文) 【解説】 草野真一 光明皇后はさまざまな芸能・映画・ドラマ・マンガなどに描かれた人物である。もっとも有名なものは千人の病者の垢を洗い落とすことを発願した話だろう。最後の千人目に重症... 2023.01.18巻十一
巻十一巻十一第三十三話 秦河勝が広隆寺をつくった話(欠話) 巻11第33話 秦川勝始建広隆寺語 第卅三(欠文) 【解説】 草野真一 秦河勝(川勝)は日本仏教の祖・聖徳太子の朋輩であった人物として知られ、同時に秦氏の族長であったとされる。国宝第一号となった弥勒菩薩半跏像は広隆寺(京都市右京区)にあり... 2023.01.18巻十一
巻二巻二第三十一話 死んでもすぐに生まれ子を失う不幸な女の話 巻2第31話 微妙比丘尼語 第(卅一) 今は昔、天竺に羅漢(聖者)の比丘尼(尼僧)がありました。名を微妙(みみょう)といいます。 多くの尼に向けて、自分が前世に犯した善悪の業を語りました。 「過去の世に、一人の長者がありました。家は大... 2023.01.18巻二
巻三巻三第十話 金翅鳥が阿修羅から子を守った話 巻3第10話 金翅鳥子免修羅難語 第(十) 今は昔、金翅鳥という鳥がいました。その鳥は須弥山の側面の洞穴に巣を作り、そこで子供達を産み育てていました。須弥山は高さ十六万由旬(ヨージャナ、古代インドの長さの単位)はある山で、水面より上に八万... 2023.01.04巻三
巻二十巻二十第四十五話 小野篁、右大臣の良相を蘇生させる 巻20第45話 小野篁依情助西三条大臣語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 まだ学生の身分だったとき、あることで朝廷が篁を処罰したのですが、当時、西三条大臣(にしさんじょうのおとど)・良相(よしみ、藤原良相・冬嗣の五... 2020.05.27巻二十
巻十七巻十七第四十三話 鞍馬寺の修行僧が女の鬼に襲われた話 巻17第43話 籠鞍馬寺遁羅刹鬼難僧語 第四十三 今は昔、一人の修行僧が鞍馬寺(京都市左京区)に籠り、修行していました。 ある夜、薪を拾い、火をつけてくべていると、夜がさらに深くなったころ、羅刹鬼が女の姿になって、僧の前に座り、火をくべ... 2022.12.25巻十七
巻二十四巻二十四第四十五話 小野篁、隠岐に流され歌を詠む 巻24第45話 小野篁被流隠岐国時読和歌語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 ある罪により、隠岐国(おきのくに・現在の島根県隠岐諸島、中世まで流刑地)に流されたとき、船に乗って出発しようとして、京の知人の許に、こう詠... 2020.05.28巻二十四
巻六巻六第三十一話 手洗い水を受けた虫が天人に生まれ変わった話(華厳経の不思議) 巻6第31話 天竺迦弥多羅花厳経伝震旦語 第卅一 今は昔、天竺の執師子国(スリランカ)に一人の比丘(僧)がありました。名を迦弥多羅(かみたら)といいます。第三果(聖者の四つの階梯の第三)を得た人です。震旦(中国)では能支と呼ばれました。 ... 2022.12.17巻六
巻二十四巻二十四第四十四話 阿倍仲麻呂、唐で故郷を思う歌 巻24第44話 安陪仲麿於唐読和歌語 今は昔、安陪仲麿(あべのなかまろ、仲麻呂。百人一首でも仲麿と表記)という人がいました。 遣唐使として、さまざまなことを習うために、かの国へ渡りました。 長年、帰国できませんでしたが、その後また、日... 2019.10.09巻二十四
巻十九巻十九第八話 キジになって鷹と犬に追われた男の話 巻19第8話 西京鷹仕者見夢出家語 第八 今は昔、西京に鷹狩りを仕事にしている者がありました。息子が何人もいて、その子たちにも鷹狩りを仕事にするように伝え教えていました。 常に心にかけ、夜となく昼となく好んだことでしたから、寝ても覚めて... 2022.12.08巻十九
巻六巻六第三十話 胎蔵界の曼荼羅を念じて海難から救われた話 巻6第30話 震旦沙弥念胎蔵界遁難語 第三十 今は昔、震旦(中国)の大興善寺の灌頂の阿闍梨(僧の資格を与える高僧)に恵応という人がありました。その弟子に沙弥(小僧)がひとりありました。七歳のときから師の阿闍梨に仕え、昼夜奉仕していました。... 2022.12.04巻六