巻二十

巻二十第四十四話 下毛野敦行、自邸の門より隣人の死棺を出す

巻20第44話 下毛野敦行従我門出死人語 第四十四 今は昔、右近将監(うこんのしょうげん・右近衛府の三等官)下毛野敦行(しもつけののあつゆき)という近衛舎人がいました。若いころから人望のあった者です。容貌・人品・風采・人柄をはじめ、乗...
巻六

巻六第二十三話 薬師仏が妊娠に苦しむ女を救った話

巻6第23話 震旦淄州女依薬師仏助得平産語 第廿三 今は昔、震旦の淄州(山東省淄博市)に一人の女がありました。懐妊してからすでに十二か月が経っていましたが、いまだ産まれませんでした。身体は腫れあがって痛み、かぎりなく苦しみました。声を出し...
巻二

巻二第二十六話 ふたつの国の王子となった人の話

巻2第26話 前生持不殺生戒人生二国王語 第(廿六) 今は昔、天竺に国王がありました。子がありませんでした。仏神に祈請し、子を授かるよう願ううち、后が懐妊しました。月が満ちて、子が生まれました。端厳美麗な男子でした。国王はおおいに喜び、大...
巻三

巻三第六話 牛になった舎利弗の話

巻3第6話 舎利弗慢阿難語 第六 今は昔、天竺にたくさんいらっしゃる仏の御弟子達の中で、舎利弗は智恵が一番の人でした。阿難は有学の位にて智恵が浅い人でした。そのため舎利弗はいつも阿難を侮っておりました。そこで阿難は「どうにかして舎利弗...
巻二十三(全)

巻二十三第二十一話 大学の学生、相撲人を投げ飛ばす

巻23第21話 大学衆試相撲人成村語 第(廿一) 今は昔、陸奥国(むつのくに・東北地方)に真髪成村(まかみのなりむら)という老いた相撲人(すまいびと・相撲取り)がいました。真髪為村(まかみのためむら)の父で、今いる経則(つねのり)の祖父に...
巻十九

巻十九第三十二話 平維叙、神に恩返しをされる

今は昔、陸奥守(むつのかみ・現在の東北地方の国司)平維叙(たいらのこれのぶ)という者がいました。貞盛朝臣(さだもりのあそん・平将門を誅殺した勲功者)の子であります。任国にはじめて下り、神拝(じんぱい・新任国司の行事)ということをしようと、...
巻二十

巻二十第三十六話 国司に布施を奪われた郡司の話

巻20第36話 河内守依慳貪感現報語 第卅六 今は昔、河内国讃良郡(かわちのくにささらのこおり・現在の大阪府北河内郡)に郡司の男がいました。心に三宝(さんぽう・仏、法、僧のこと)を信じて、深く後世を恐れていたので、仏像を描き、経を写し奉っ...
巻十一

巻十一第十四話 藤原鎌足と不比等が興福寺を築いた話

巻11第14話 淡海公始造山階寺語 第十四 今は昔、大織冠(藤原鎌足)がまだ内大臣になられず、なんの役職にも就いていないとき、女帝・皇極天皇の御代のことです。御子は(中大兄皇子、天智天皇)は春宮(皇太子)でいらっしゃいました。二人はともに...
巻六

巻六第二十二話 夢のお告げで妻を得た話

巻6第22話 震旦貧女銭供養薬師像得富語 第廿二 今は昔、震旦の田舎に一人の女がありました。貧しく、寡(やもめ、独身)であり、塵ほどの貯えもありませんでした。ただ、銅の銭が一文あるばかりでした。 女は思いました。「この銭一文で、一生を...
巻二

巻二第二十五話 身を投げても毒をあおっても死ななかった男の話

巻2第25話 波羅奈国大臣願子語 第(廿五) 今は昔、天竺の波羅奈国(ばらなこく、ヴァラナシ)に、一人の大臣がありました。家は大いに富み、財豊かでした。 この人には子がありませんでした。このことを昼夜朝暮に歎き悲んでいましたが、子を...
巻十七

巻十七第三十六話 女が髪に猪の油をつけていることを見抜いた行基の話

巻17第36話 文殊生行基見女人悪給語 第卅六 今は昔、行基菩薩という聖がありました。五台山に住むといわれる文殊菩薩が、わたしたち衆生を利益するために、行基として生まれなさったのです。 而るに、古京(奈良)の元興寺の村に、法会を開く人があ...
巻二十六

巻二十六第二十話 少女と噛み合って死んだ犬の話

巻26第20話 東小女与狗咋合互死語 第二十 今は昔、␣(欠字)国␣(欠字)郡に住む人がいました。その家に、年は十二か三ばかりの使いの少女がいました。その家の隣では白い犬を飼っていましたが、どうしたことか、この少女を見さえすると、敵の...
巻二十

巻二十第三十三話 吉志火麿、母を殺そうとして報いを受ける

巻20第33話 吉志火麿擬殺母得現報語 第卅三 今は昔、武蔵国多磨郡(東京都多摩市)鴨郷に、吉志火丸(きしのひまろ)という者がいました。 その母は、日下部真屓(くさかべのまとじ)であります。 聖武天皇の御代に、火丸は筑前守□□とい...
巻六

巻六第二十一話 七体の薬師の力で冥府から甦った男の話

巻6第21話 震旦温州司馬造薬師像得活語 第廿一 今は昔、震旦の温州に司馬(軍務官)がありました。とても重い病にかかり、癒えることもなく久しくありました。もはや死ぬばかりだと歎いていました。 親族や従者たちが集まり、泣き悲しみ、歎き合いま...
巻十七

巻十七第三十五話 泣き叫んだ弥勒菩薩像の話

巻17第35話 弥勒為盗人被壊叫給語 第卅五 今は昔、聖武天皇の御代、奈良に都があったとき、勅命があって、夜間に都を巡回する人がありました。 ある晩の夜半ごろ、葛木の尼寺(葛城寺、奈良県葛城市)の前の蓼原(たではら、墓原説あり)の中に、人...
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