巻三十一

巻三十一第三十三話 空に去っていった娘の話(かぐや姫の物語)

巻31第33話 竹取翁見付女児養語 第卅三 今は昔、ひとりのおじいさんがおりました。竹を取って籠をつくり、それを売って生活していました。 おじいさんがいつものように籠をつくろうと竹の林に入っていくと、光る竹がありました。竹の節の中には、三寸...
巻二十八

巻二十八第三十八話 受領たるもの、倒れた所の土をつかめ

巻28第38話 信濃守藤原陳忠落入御坂語 第卅八 今は昔、信濃守(しなののかみ・現在の長野県の国司)藤原陳忠(ふじわらののぶただ)という人がいました。 任国に下って国を治め、任期が終わって上京してくる途中、御坂峠(みさかとうげ・神坂...
巻九

巻九第四話 我が子を殺し、まま子を生かすことを願った母の話

巻9第4話 魯州人殺隣人不負過語 第四 今は昔、震旦(中国)の魯州(河南省魯山県)に、兄弟がありました。弟は母の連れ子で、兄は父と先妻の子でした。 兄は幼少で父と母をなくしました。弟とともに、弟の母に孝養しました。母の子(弟)が母に孝養...
English

31-14 Monks traveling through the lands of Shikoku wander into a strange place and are transformed into horses

Once upon a time, three monks doing their ascetic training were traveling by foot along the old Shikoku pilgrimage route...
巻三十一

巻三十一第三十一話 太刀帯の詰め所で魚を売っていた老婆の話(芥川龍之介『羅生門』元話)

巻31第31話 太刀帯陣売魚嫗語 第卅一 今は昔、三条天皇が皇太子でいらっしゃる時に、太刀帯(たちはき・皇太子を護衛する役職)の詰め所にいつも訪れて、魚を売る女がいました。 太刀帯たちが、女の売っていた魚を買って食べると、味が美味し...
巻二十四(全)

巻二十四第五十五話 大隅の郡司が歌を詠んで許された話

巻24第55話 大隅国郡司読和歌語 第五十五 今は昔、大隅(鹿児島県)の守␣(欠字。「拾遺集」によると桜島忠信が該当。以後忠信とする。)という人がいました。任国に下って政務を執り行っていたが、郡司※1に職務怠慢の行為があったので、...
巻二十六

巻二十六第十三話 貧しい家に銀を見つけ豊かになった人の話

巻26第13話 兵衛佐上緌主於西八条見得銀語 第十三 今は昔、兵衛佐の□という人がありました。冠の上緌(上緒、あげお)が長かったので、世間の人は上緌の主と呼んでいました。 西八条の大路と京極の大路が交差するあたりの畑の中に、貧しい小家が...
巻十一(全)

巻十一第三十八話 観音より子をさずかった夫婦の話

巻11第38話 義淵僧正始造龍蓋寺語 第卅八 今は昔、天智天皇の御代に、義淵僧正という人がありました。俗姓は阿刀の氏。化生(人ならぬ者)の人です。 父母は大和国高市の郡(奈良県高市郡)の天津守の郷に長いこと住んでいましたが、子がありませ...
巻十一(全)

巻十一第三十七話 龍門寺を建てた話(欠話)

巻11第37話 □始建龍門寺語 第卅七(欠文) 【解説】草野真一 吉野の龍門山は古くから神仙境とされ、女の色香に惑って能力を失った久米仙人は龍門寺で修行している(巻11第24話)。 一時は数々の堂宇を備えた大寺として栄えたが、次第に勢力...
巻二十四(全)

巻二十四第五十四話 好色漢の親王と身持ちの堅い女の話

巻24第54話 陽成院之御子元良親王読和歌語 今は昔、陽成天皇の御子に元良親王(もとよしのしんのう)と申す方がおられました。 たいそうな色好みでいらっしゃったので、当時の女で美人の聞こえある者には、すでに会ったことのある者であろうとなか...
巻十四

巻十四第八話 地獄に母をさがした三人の子の話

巻14第8話 越中国書生妻死堕立山地獄語 第八 今は昔、越中の国(富山県)に書生(書記官)がありました。三人の男子があり、毎日国府(国司の役所)に出かけて公事を勤めておりました。 あるとき、書生の妻がとつぜん病にかかり、何日かわずらって...
巻十一(全)

巻十一第三十六話 山の頂に五色の雲を見た話(信貴山縁起)

巻11第36話 修行僧明練始建信貴山語 第卅六 今は昔、仏道を修行する僧がありました。名を明練(命蓮)といいます。常陸の国(茨城県)の人です。心に深く仏の道を願って、故郷の国を捨て、霊験で名高い地を転々として修行するうち、大和国(奈良県)...
巻二十六

巻二十六第十二話 能登の浜辺に宝が流れ着いた話

巻26第12話 能登国鳳至孫得帯語 第十二 今は昔、能登国鳳至郡(石川県鳳珠郡)に、鳳至(ふげし)の孫だといって、そこに住む者がありました。貧しく、不便しているとき、怪(変異の予兆)があったので、陰陽師にその吉凶を占ってもらいました。 ...
巻九

巻九第三話 血を流す母の木像と殺された隣人の話

巻9第3話 震旦丁蘭造木母致孝養語 第三 今は昔、震旦(中国)の漢の時代、河内(河南省)に丁蘭という人がありました。幼少のとき、母をなくしました。 十五歳になるとき、丁蘭は母のすがたを恋い、工人に母の木像をつくらせました。帳(とばり)の...
巻十一(全)

巻十一第三十五話 馬が見つけた毘沙門天(鞍馬寺の由来)

巻11第35話 藤原伊勢人始建鞍馬寺語 第卅五 今は昔、桓武天皇の御代に、従四位の藤原伊勢人という人がありました。心は賢く智恵深い人でした。 そのころ、天皇は東寺を建造されていました。伊勢人はその行事(造営責任者)でしたが、心の中では思...
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