巻二(全)巻二第四十一話 衣服を買わない異様な風体の長者の話 巻2第41話 舎衛城婆提長者語 第四一 今は昔、天竺(インド)の舎衛城(コーサラ国の首都)に一人の長者がありました。名を婆提(ばだい)といいます。家は大いに富み、無量の財宝にあふれていました。飲食・衣服・金銀などの珍しい財宝が倉に積みあげ... 2023.08.03巻二(全)
巻二十六巻二十六第八話② 消沈する美しい妻(生贄になった男②) (①より続く) 巻26第8話 飛騨国猿神止生贄語 第八 郡司の家ほどは大きくありませんが、みごとに飾られた家でした。男女の使用人が多くありました。使用人たちは僧の来訪を待ち喜び、走り騒ぎました。浅黄の男は、板敷の上から「はやくあがってく... 2023.09.21巻二十六
巻六巻六第四十一話 命を奪った畜生を供養するために生き返った男の話 巻6第41話 張居道書写四巻経得活語 第四十一 今は昔、震旦(中国)は温州の治中に、張居道という人がありました。妻子を喜ばせるために、猪・羊・鵝(雁)・鴨などを殺しました。 その後、十日もたたないうちに、居道は病を得て死にました。三夜を... 2023.07.27巻六
巻二十六巻二十六第八話① 山の中の隠れ里(生贄になった男①) 巻26第8話 飛騨国猿神止生贄語 第八 今は昔、仏道修行のため旅をする僧がありました。あてもなく歩むうち、飛騨国(岐阜県北部)に入りました。 ある日、山深く入り、道に迷うことがありました。方角もまったくわからないまま、木の葉がうずたかく... 2023.09.21巻二十六
巻二十六巻二十六第七話 生贄を食らう猿神の話 巻26第7話 美作国神依猟師謀止生贄語 第七 今は昔、美作国(岡山県)に中参と高野という神がありました。中参は猿、高野は蛇のすがたをしていました。 毎年、これを祭るために、生贄を備えました。その生贄には、国人の娘で、未だ嫁が... 2023.08.10巻二十六
巻二十六巻二十六第六話 継母が悪霊が憑いた人の家に娘をつれていく話(欠話) 巻26第6話 継母託悪霊人家将行継娘語 第六(欠文) 【解説】草野真一 『新日本古典文学大系37 今昔物語集5』(岩波書店)によれば、成立時から欠けていたらしい。 『今昔物語集』は似た話を続けて述べる「二話一類」という様式で記述され... 2023.07.28巻二十六
巻二十六巻二十六第五話④ 追放された母娘(埋められた児の話④) 巻26第5話 陸奥国府官大夫介子語 第五 (③より続く) 夜が明けるのも待ち遠しく、翌朝になって児に食事をさせたあと、従者たちを呼び集めて、兄のもとへ行きました。着いてみると、家は静かで、人もほとんどありません。「介殿は」と問うと、「国... 2023.07.25巻二十六
巻十一巻十一第二十七話 慈覚大師円仁が比叡山を受け継いだ話 巻11第27話 慈覚大師始建楞厳院語 第廿七 今は昔、慈覚大師(円仁)は伝教大師(最澄)の入室写瓶の(瓶の水をうつすように教えを得た)弟子として、比叡山を受け継ぎました。仏法興隆の志はことに深いものでした。首楞厳院を建立して中堂を建て、観... 2023.07.18巻十一
巻二(全)巻二第四十話 聖者になった奴隷の話 巻2第40話 曇摩美長者奴富那奇語 第(四十) 今は昔、天竺(インド)に放鉢国(ほうはちこく)という国がありました。その国に一人の長者があり、名を曇摩美(どんまみ)といいました。たいへんな富豪で、その国第一の人でした。二人の子があって、兄... 2023.07.12巻二(全)
巻十七(全)巻十七第四十七話 吉祥天女に米が尽きない袋をもらった話 巻17第47話 生江世経仕吉祥天女得富語 第四十七 今は昔、越前の国(福井県)に生江世経という人がありました。加賀(石川県)の掾(第三等官)でした。はじめはとても貧しく、食べることさえ難しいほどであったのに、とくに吉祥天女にねんごろに仕え... 2023.07.06巻十七(全)
巻六巻六第四十話 阿弥陀経を読まず往生できなかった話 巻6第40話 震旦道珍始読阿弥陀経語 第四十 今は昔、震旦(中国)の梁の代に僧がありました。名を道珍といいます。念仏を修し、水想観(清水を念ずることからはじまる浄土観相法)をしていました。 あるとき、道珍は夢に水を見ることがありました。... 2023.07.04巻六
巻三巻三第十三話 妻が不在の間にひとりで亀肉を食べた王子の話 巻3第13話 仏耶説輸多羅宿業給語 第(十三) 今は昔、仏が悉達太子(シッダールタ)と申されていたときに、三人の妻がいらして、その中のお一人に耶輸多羅(やしゅだら、ヤショーダラー)と申される方がおりました。太子はその方を大層大事にされまし... 2023.07.02巻三
巻十四巻十四第二話 殺し合い続けた鼠と蛇の話 巻14第2話 信濃守為蛇鼠写法花救苦語 第二 今は昔、信濃守の□という人がありました。 任国の信濃(長野県)の任期を終えて、京ににのぼるとき、大きな蛇がお供についてきました。一行がとどまると蛇もとどまり、薮の中におりました。昼は、前にな... 2023.08.26巻十四
巻十一巻十一第二十六話 伝教大師最澄が比叡山を開いた話 巻11第26話 伝教大師始建比叡山語 第廿六 今は昔、伝教大師は比叡山を開き、根本中堂にみずから薬師如来の像をつくり、安置しました。天台宗を立て、智者大師(智顗)の教えをひろめました。 弘仁三年(812年)七月、法華三昧堂を... 2023.06.26巻十一
巻十一巻十一第二十五話 弘法大師空海が高野山を開いた話 巻11第25話 弘法大師始建高野山語 第廿五 今は昔、弘法大師(空海)は、真言の教え(密教)をさまざまな所に弘め、老に臨むと、多くの弟子に寺をゆずりました。 「私が唐にいたとき投げた三鈷が落ちたところに向かおう」 弘仁七年... 2023.06.24巻十一