巻九

巻九第十話 カラスが血を流しながら墓を築いた話

巻9第10話 震旦顔烏自築墓語 第十 今は昔、震旦(中国)の東陽(浙江省)というところに、顔烏という者がありました。小さなころから孝養の心が深い人でした。 やがて父が亡くなりました。顔烏は父を葬ろうと、墓を築こうとしました。誰の手も借り...
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6-2 The Tale of Buddhism’s Transmission from India to China

Once upon a time, during the reign of Emperor Ming of the Later Han Dynasty (AD 57-75), the emperor had a dream of a gol...
巻十二

巻十二第五話 薬師寺で最勝会がおこなわれた話

巻12第5話 於薬師寺行最勝会語 第五 今は昔、天智天皇が薬師寺を建て、仏法がさかんになりました。 淳和天皇の御代に、中納言従三位兼行中務卿直世王という人がありました。才があり、心に悟りあり、内外の道(仏典と俗典)に通じていました。天長...
巻三十一

巻三十一第四話 幽閉された絵師が描いた地獄の絵の話

巻31第4話 絵師巨勢広高出家還俗語 第四 今は昔、一条の院の御代に、巨勢広高という絵師がありました。腕は古の人に劣らず、今も肩を並べる者はありません。 もとより広高は道心ある人でしたが、重い病を受けてわずらって、世の中をつまらないもの...
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26-14 The Story of the Disappearing Gold Miner

Once upon a time, in the province of Noto (now Ishikawa Prefecture), iron ore was mined and delivered to the provincial ...
巻九

巻九第九話 故国に戻れない父を探し当て帰国させた話

巻9第9話 震旦禽堅自夷域迎父孝養語 第九 今は昔、震旦(中国)の蜀の城都(四川省成都)に、禽堅という人がありました。父を信といいます。県の吏(役人)でした。 妻が禽堅を懐妊して七か月、夫の信は勅をうけたまわって夷(えびす、未開民族)の...
巻二十六

巻二十六第十八話 盗賊の恩返し

巻26第18話 観硯聖人在俗時値盗人語 第十八 今は昔、子どもたちをなで歩いた観硯聖人(かんけんしょうにん)という人がいました。 この人がまだ若く俗人であったころ、親の家に住んでいましたが、ある夜、 「壺屋に盗人が入った」 と報せた...
巻十四

巻十四第十三話 前生で経を食い荒らした僧の話

巻14第13話 入道覚念持法花知前生語 第十三 今は昔、入道覚念は明快律師の兄です。道心を発して出家した後は、戒を保ち、法華経を習い、訓読で誦しました。 しかし経の中の三行だけ、読むことができませんでした。そこに至るたび、忘れてしまうの...
巻十九

巻十九第十九話 山中で死んだ僧に出会った話

巻19第19話 東大寺僧於山値死僧語 第十九 今は昔、東大寺に住んでいる僧がありました。(仏にそなえるための)花を摘むため東の奥山に入り、道をあやまって迷ってしまいました。 谷と谷にはさまれた道を、どことも知れず、夢のように思いながら歩...
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4-12 The Story of the Priest Who Delivered a False Oracle

Once upon a time, there was a small kingdom in ancient India. In this kingdom, the people believed only in the gods and ...
巻十二

巻十二第四話 孝謙天皇が御斎会をはじめた話

巻12第4話 於大極殿被行御斎会語 第四 今は昔、高野姫の天皇(孝謙天皇)と申す帝がいらっしゃいました。聖武天皇の御娘です。女性ではありますが、才たけて、文の道を極めていらっしゃいました。 その御時に、 大極殿で御斎会をはじめられました...
巻十四

巻十四第十二話 経文の二字だけを忘れてしまう話

巻14第12話 醍醐僧恵増持法花知前生語 第十二 今は昔、醍醐寺に僧がありました。名を恵増といいます。法華経を習ってこれを誦し、他の経はまったく読みませんでした。真言も覚えませんでしたし、顕教(教義)も学びませんでした。まして、俗典(仏教...
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26-10 The Siblings Who Became a Couple on a Deserted Island

Once upon a time, there was a low-ranking man living in Hata District, Tosa Province (Kochi Prefecture). He cultivated f...
巻九

巻九第八話 虎をかくまい富貴の人となった話

巻9第8話 欧尚恋父死墓造菴居住語 第八 今は昔、震旦(中国)に、欧尚という人がありました。幼少の頃より孝養の心が深く、かぎりなく父母につくしていました。 父が死ぬと、欧尚は父の墓所に盧(庵)をつくり、朝暮に父を恋い悲しみました。 あ...
巻三十一

巻三十一第三話 淫行の罪を犯さないために少女を殺した僧の話

巻31第3話 湛慶阿闍梨還俗為高向公輔語 第三 今は昔、湛慶阿闍梨という僧がありました。慈覚大師(円仁)の弟子です。真言を極め、内外(日本と中国)の文道に通じていました。また、幾多の芸に優れていました。 湛慶は(真言の)行法を修め、公私...
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