巻二十四

巻二十四第四十八話 大江定基、飢えたる女の和歌に感動する

巻24第48話 参河守大江定基送来読和歌語 第四十八 今は昔、大江定基朝臣(おおえのさだもとのあそん)が三河守(みかわのかみ・現在の愛知県東部の国司)だったころ、世の中が大飢饉に見舞われ、食べ物がまったく無い時期があり、その五月の長雨のと...
巻二十四

巻二十四第四十五話 小野篁、隠岐に流され歌を詠む

巻24第45話 小野篁被流隠岐国時読和歌語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 ある罪により、隠岐国(おきのくに・現在の島根県隠岐諸島、中世まで流刑地)に流されたとき、船に乗って出発しようとして、京の知人の許に、こう詠...
巻十七

巻十七第二十七話 立山の地獄に堕ちた女の話

巻17第27話 堕越中立山地獄女蒙地蔵助語 第廿七 今は昔、仏の道を修行する僧がありました。名を延好といいます。 越中の国(富山県)立山(飛騨山脈/北アルプス)に参って籠もっているとき、丑の時(午前二時)ごろ、人の影のような者が出てきまし...
巻六

巻六第八話 金剛智三蔵が金剛界曼陀羅を震旦に伝えた話

巻6第8話 金剛智三蔵金剛界曼陀羅渡震旦語 第八 今は昔、大日如来は一切衆生(すべての生物)を救い護るために、金剛界の曼陀羅の大法を説き、金剛薩埵に伝えました。金剛薩埵はこれを、数百年ののち、龍猛菩薩に伝えました。龍猛菩薩はやはり数百年後...
巻二

巻二第十四話 大王の娘として生まれた貧しくいやしい女の話

巻2第14話 阿育王女子語 第(十四) 今は昔、天竺で、仏は阿難(アーナンダ、釈尊の身の回りの世話をした弟子)や多くの比丘とともに、王舎城(マガダ国の都、大陸では城門内に町がある)に入って、乞食(托鉢)をしていました。 町に至...
巻二十七

巻二十七第四十四話 死人を背負った男と死人に化けた男の話

巻27第44話 通鈴鹿山三人入宿不知堂語 第四十四 今は昔、伊勢国(ほぼ三重県)から近江国(滋賀県)へ越えようとする男が三人いました。身分は低くとも、三人はいずれも勇猛で思慮がありました。 鈴鹿山(*1)を通る頃、その山中に昔からどんな謂...
巻二十四

巻二十四第四十四話 阿倍仲麻呂、唐で故郷を思う歌

巻24第44話 安陪仲麿於唐読和歌語 今は昔、安陪仲麿(あべのなかまろ、仲麻呂。百人一首でも仲麿と表記)という人がいました。 遣唐使として、さまざまなことを習うために、かの国へ渡りました。 長年、帰国できませんでしたが、その後また、日...
巻二十四

巻二十四第四十三話 紀貫之が死んだ子を悼み歌を詠んだ話

巻24第43話 土佐守紀貫之子死読和歌語 第四十三 今は昔、紀貫之※1という歌人がいました。土佐守になってその国に下っていましたが、やがて任期が終わりました。 貫之には、年の頃七つ八つばかりの男の子※2がいて、かわいらしい子であったので...
巻十一

巻十一第一話④ 聖徳太子と飢えた人の死の話

巻11第1話 聖徳太子於此朝始弘仏法語 第一 (③より続く) 太子の妃は柏手氏の方でした。太子は妃におっしゃいました。「おまえは私にしたがってきて、年来ひとつも誤ることがなかった。とても幸福なことだ。もし死んだなら、同じ穴に入ろう(偕老同...
巻六

巻六第七話 善無畏三蔵が胎蔵界曼陀羅を震旦に伝えた話

巻6第7話 善無畏三蔵胎蔵界曼陀羅渡震旦語 第七 今は昔、大日如来は一切衆生(すべての生物)を救い護るために、胎蔵界の曼陀羅の大法を説き、金剛手菩薩(金剛薩埵)に伝えました。その後、数百年を経て、金剛手は中天竺の世無厭寺(ナーランダ大学/...
巻十一

巻十一第一話③ 前世の経を持ち帰った聖徳太子の話

巻11第1話 聖徳太子於此朝始弘仏法語 第一 (②より続く) 太子の叔母、推古天皇が即位されました。政をすべて太子に任せました。天皇の御前で袈裟を着て、塵尾(払子)をもち、高座に登って、勝鬘経を講じました。多くの名僧に意味を問うと、太子の...
巻二十四

巻二十四第四十話 円融天皇の葬送の歌

巻24第40話 円融院御葬送夜朝光卿読和歌語 今は昔、円融法皇が崩御なさって、紫野にご葬送申し上げましたが、先年、この地に子(ね)の日の行幸があったことなど思い出して、人びとが深い悲しみに打たれているとき、閑院左大将(かんいんのさだいしょ...
巻二十七

巻二十七第四十三話 源頼光と平季武が産女(うぶめ)に出会った話

巻27第43話 頼光郎等平季武値産女語 第四十三 今は昔、源朝臣頼光が美濃(岐阜県)守だった頃に、□□郡に出向していた時、夜に侍所に何人も武士達が集まっていて、様々な物語をしていました。「ここの国の渡(わたり、*1)という所に、産女(うぶ...
巻二十四

巻二十四第三十九話 藤原義孝、死んだ後に歌を詠む

巻24第39話 藤原義孝朝臣死後読和歌語 今は昔、右近少将・藤原義孝(ふじわのよしたか)という人がいました。 この人は、一条の摂政殿(藤原伊尹)の御子であります。 容貌・人柄をはじめ、気立ても才能もすべて人にすぐれていました。 また...
巻二十四

巻二十四第三十七話 藤原実方、陸奥国で歌を詠む

巻24第37話 藤原実方朝臣於陸奥国読和歌語 第卅七 今は昔、藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたのあそん)という人がいました。 小一条(こいちじょう)の大将・済時(なりとき)の大納言という人の子であります。 一条天皇の御代に...