巻11第37話 □始建龍門寺語 第卅七(欠文)
【解説】草野真一 吉野の龍門山は古くから神仙境とされ、女の色香に惑って能力を失った久米仙人は龍門寺で修行している(巻11第24話)。
一時は数々の堂宇を備えた大寺として栄えたが、次第に勢力を失い、応仁の乱のころに廃寺となった。寺院跡からさまざまな歴史的遺物が発掘されている。
「□始建龍門寺語」の□に入るのは義淵。義淵は龍蓋寺(岡寺)の開山でもあり、次の話(巻11第38話)にも述べられている。

巻十一第二十四話 女の色香に惑いただの人になった久米仙人の話
巻11第24話 久米仙人始造久米寺語 第廿四 今は昔、大和国吉野の郡(奈良県吉野郡)に龍門寺という寺がありました。寺には二人が籠って、仙の法を修行していました。一人をあづみ、一人を久米といいます。あづみは先に修行を完成させ、仙人となり、空...
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