ほんやくネット

巻二十七

巻二十七第十五話 赤子を食らう白髪の老婆の話

巻27第15話 産女行南山科値鬼逃語 第十五 今は昔、ある所に宮仕えしている若い女がおりました。父・母、親類縁者もおらず、少しの知り合いすらいなかったので、立ち寄る所もなくて、ただ局にいて、「もし、病気になった時に、どうしたらいいのだろう...
今昔物語集について

漱石、芥川、芳賀矢一そして南方熊楠

Twitterで『今昔物語集』に関するたいへん興味ぶかい論議があったのでご紹介いたします。 発端は、牛頭凡俗さん(@GozuBonzoku)による次のツイートがあったことです。 要約しますと、芥川龍之介が作家デビューの前に習作である『鼻...
巻十七

巻十七第二十二話 地獄からよみがえった男の話

巻17第22話 賀茂盛孝依地蔵助得活語 第廿二 今は昔、賀茂の盛孝という人がありました。心がまっすぐで、処世にも長けていました。公私にいそがしく、家は豊かでした。また、慈悲の心があり、生き物を殺すこともありませんでした。道心深く、月ごとの...
巻五

巻五第九話 法を聞くために身を焼いた王の話

巻5第9話 転輪聖王為求法焼身語 第九 今は昔、天竺に転輪聖王(世界を支配する理想的帝王)がありました。一切衆生を利益するために、法を求めて、閻浮提(えんぶだい、世界)に宣旨を下しました。「閻浮提の内に、誰か仏法を知る者はあるか」「辺土に...
巻三十

巻三十第七話 女を追い九州に下った少将が拉致された話

巻30第7話 右近少将□□□□行鎮西語 第七 今は昔、右近の少将□□という人がありました。容姿やありさまが美しく、心持ちのよい人でした。管絃をたしなんでいました。 九月十日のころ(旧暦)、月がとても美しい夜に、少将が人の家をたずねることが...
巻四

巻四第十七話 仏の宝玉をとったスリランカの盗人の話

巻4第17話 天竺仏為盗人低被取眉間玉語 第十七 今は昔、天竺の僧迦羅国(そうからこく、スリランカ)に、小伽藍がありました。その寺に、等身大の仏がありました。寺は前の王の願いで建てられたものです。仏の御頭(みぐし)の眉間には玉(宝玉)が入...
巻二

巻二第八話 幸福の理由ははるか昔の生にある

巻2第8話 舎衛国金天比丘語 第八 今は昔、舎衛国(コーサラ国)に一人の長者がありました。家は大きく富み、無量の財宝がありました。男の子がひとりできました。その児の身は金色で、この世に並ぶものがないほど美しい子でした。父母はこれを喜...
巻二十七

巻二十七第十四話 東国から上ってきた人が鬼に喰われた話

巻27第14話 従東国上人値鬼語 第十四 今は昔、東の方から上京してきた人が、勢田橋(瀬田の唐橋。滋賀県大津市瀬田川にかかる。東国からの入り口)を渡って来て、日が暮れたので、人家に宿を借りようとした所、その辺に人も住まない大きな家があり、...
巻二十七

巻二十七第十三話 安義橋の鬼が弟に化けて命を奪った話

巻27第13話 近江国安義橋鬼噉人語 第十三 今は昔、近江(滋賀県)守□□という人が、その国に赴任していた時期に、館の男たちの間に勇猛な者が多数いて、今昔物語りなどをして、碁・双六を打って、遊びほうけては喰って酒を飲んでいると「この国に安...
巻二十

巻二十第十七話 施しをせず牡蠣を救った人の死後の話

巻20第17話 讃岐国人行冥途還来語 第十七 今は昔、讃岐国香水(かがわ)の郡坂田の郷(香川県高松市)に、一人の富人がありました。姓は綾の氏です。妻も同姓でした。 その隣に年老たる嫗(おうな、老婆)が二人ありました。ともに寡(やもめ)であ...
巻四

巻四第十六話 二つにわかれたガンダーラの仏画の話

巻4第16話 天竺乾陀羅国絵仏為二人女成半身語 第十六 今は昔、天竺の乾陀羅国(けんだらこく、ガンダーラ)に大王がありました。波斯利迦王(はしりかおう、カニシカ王)といいます。王は七重の宝塔を建てました。その東に一里(約400メートル)行...
巻五

巻五第三十二話 老人の知恵で難局を乗り切る話

巻5第32話 七十余人流遣他国語 第卅二 今は昔、天竺に、七十歳を越した人を流してしまう国がありました。その国にあるひとりの大臣がありました。朝暮に母の面倒を見て、孝養していました。 やがて、母は七十歳になりました。「朝に顔を見て、夕に会...
巻二

巻二第七話 縛られ監禁された女奴隷が天に生まれた話

巻2第7話 婢依迦旃延教化生天報恩語 第七 今は昔、天竺の阿般提国(あはんだいこく)に長者がありました。大いに富んで、財をたくわえていましたむさぼる心を持っていて、慈悲がありませんでした。 長者の家に、一人の婢(奴隷女)がありました。...
巻二十七

巻二十七第十二話 朱雀院で餌袋のお菓子がとられた話

巻27第12話 於朱雀院被取餌袋菓子語 第十二 今は昔、六条院の左大臣と申し上げる方がいらっしゃいまして、お名前を重信と申し上げます。 その大臣が方違えに朱雀院へ一夜お泊りになるということで、石見守藤原頼信という、当時瀧口(たきぐち、*1...
巻十七

巻十七第二十一話 六波羅蜜寺の地蔵像の由来

巻17第21話 但馬前司□□国挙依地蔵助得活語 第廿一 今は昔、但馬(兵庫県)の前司(ぜんじ、前任の国司)国挙(くにたか)という人がありました。長く公務をつとめ、私も充実させているうち、身に病を受け、死ぬことになりました。すぐに閻魔の庁に...