巻十七(全)巻十七第四十九話 光を放つ執金剛神像の話 巻17第49話 金鷲優婆塞修行執金剛神語 第四十九 今は昔、聖武天皇の御代、奈良の都の東の山に、ひとつの山寺がありました。その山寺に一人の優婆塞(うばそく、在家信者または出家してない修行者)がありました。名を金就といいます。この優婆塞が山... 2023.10.01巻十七(全)
巻六巻六第四十四話 翼が生えて極楽に飛んだ僧の話 巻6第44話 震旦僧感持観無量寿経阿弥陀経語 第四十四 今は昔、震旦(中国)の并州に僧がありました。名を僧感といいます。 心を発し、観無量寿経と阿弥陀経を読誦することを業として、長い月日を過ごしました。 ある日、夢を見ました。 「わ... 2023.09.24巻六
巻二十六巻二十六第二十話 少女と噛み合って死んだ犬の話 巻26第20話 東小女与狗咋合互死語 第二十 今は昔、␣(欠字)国␣(欠字)郡に住む人がいました。その家に、年は十二か三ばかりの使いの少女がいました。その家の隣では白い犬を飼っていましたが、どうしたことか、この少女を見さえすると、敵の... 2021.08.19巻二十六
巻二十六巻二十六第十七話 狐を使者にした話(芥川龍之介『芋粥』元話) 巻26第17話 利仁将軍若時従京敦賀将行五位語 第十七 今は昔、利仁の将軍という人がありました。当時もっとも力をもっている人(藤原基経)に仕えていました。越前国の、有仁という勢いもあり徳もある人の家に聟として入りましたから、結婚した後はかの... 2019.05.17巻二十六
巻二十六巻二十六第十四話 陸奥守に仕えていた男、黄金を見つけて裕福になる 巻26第14話 付陸奥守人見付金得富語 第十四 今は昔、陸奥守(むつのかみ・現在の東北地方の国司)□□という人がいました。 また同じころ、□□という者がいました。 二人が若いころ、守が意外にも自分をひどく憎んでいることがあった... 2020.12.11巻二十六
巻二十六巻二十六第八話④ 神になった男(生贄になった男④) (③より続く) 巻26第8話 飛騨国猿神止生贄語 第八 生贄を出した家の家主は、「私が出した生贄に問題があったのだろうか」と冷静ではいられず、怖ろしく思っていました。生贄の男の妻は思いました。 「夫は刀を隠して持っていった。このように... 2023.09.21巻二十六
巻十一巻十一第二十九話 天智天皇が供養のために指を切り落とした話 巻11第29話 天智天皇建志賀寺語 第廿九 今は昔、天智天皇が近江の国志賀郡(滋賀県大津市)粟津の宮(近江大津宮)にいらっしゃったとき、寺を建てる願を立てました。「建てるべき地をお示しください」と祈り願った夜の夢に、僧があらわれて告げまし... 2023.09.10巻十一
巻三巻三第十四話 人前に出せないほど醜い姫の話 巻3第14話 波斯匿王娘金剛醜女語 第(十四) 今は昔、天竺(インド)の舎衛国(コーサラ国、祇園精舎がある)に波斯匿王(プラセーナジット王)という王がいました。妃は末利夫人(マッリカー夫人)といい、その容姿の美しさは、十六の大国(インドの... 2023.09.10巻三
巻六巻六第四十三話 浄土教の祖・曇鸞大師の話 巻6第43話 震旦曇鸞焼仙経生浄土語 第四十三 今は昔、震旦(中国)の斉の代に僧がありました。名を曇鸞といいます。震旦の仙経(不老不死を説いた道教の経典)十巻を伝え得て、これを見て、「長生不死の法はこれに勝るものはない」と深く思い、閑かな... 2023.08.30巻六
巻十四巻十四第三話 蛇になった女と焼き殺された男の話(安珍と清姫の物語) 巻14第3話 紀伊国道成寺僧写法花救蛇語 第三 今は昔、熊野に向かう二人の僧がありました。一人は老僧、もう一人は若く、容姿端麗でした。牟婁の郡(和歌山県)である家に泊まりました。 家主は若い寡婦(独身女性... 2020.09.06巻十四
巻十七(全)巻十七第四十八話 妙見菩薩が盗まれた絹を取り戻した話 巻17第48話 依妙見助得被盗絹語 第四十八 今は昔、紀伊の国の安諦の郡(和歌山県有田川町)に私部寺(さきいべでら)という寺がありました。その寺の前に、富裕な家がありました。その家に盗人が入り、絹十疋を盗まれました。誰が盗んだのかわかりま... 2023.08.18巻十七(全)
巻六巻六第四十二話 義浄三蔵と武則天の話 巻6第42話 義浄三蔵訳最勝王経語 第四十二 今は昔、震旦(中国)に則天皇后(武則天・則天武后)という女帝がいらっしゃいました。仏記を受け、深く仏法を信じ、広く衆生(民)をあわれみました。 そのころ、義浄三蔵という聖人があり... 2023.08.13巻六
巻二十六巻二十六第八話③ 返り討ちにあった猿神(生贄になった男③) (②より続く) 巻26第8話 飛騨国猿神止生贄語 第八 祭の七日前になりました。この家は注連(しめなわ)をめぐらせました。男にも精進潔斎させました。村の他の家々も注連を引き、慎しんでいました。妻は、「夫とともにいられるのは、あと何日か」... 2023.09.21巻二十六
巻十一巻十一第二十八話 智証大師円珍が三井寺を再興し新しい宗派を開いた話 巻11第28話 智証大師初門徒立三井寺語 第廿八 今は昔、智証大師(円珍)は、比叡山の僧として、千光院というところに住んでいました。天台座主としてかの院にいらっしゃったのです。天皇をはじめ、世をあげて大師をかぎりなく貴びました。 大師は... 2023.08.08巻十一
このプロジェクトについて意訳と直訳――読みやすいのがいちばんです お仕事なさってくれている方から、翻訳は直訳すべきなのか、意訳をするべきなのかとよく問われます。言い換えれば、原文を重視すべきかストーリーを重んじるべきかということです。 意訳/ストーリー重視でやってください、とお願いしています。 研究者... 2023.08.04このプロジェクトについて