巻一(全)

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巻一第十話 提婆達多が仏をあやめる話

巻1第10話 提婆達多奉諍仏語 第十 今は昔、提婆達多(だいばだった、デーヴァダッタ)という人がありました。釈尊の父方のいとこに当たります。提婆達多は釈尊の父・浄飯王の弟、黒飯王の子です。 提婆達多がいまだ太子だったころ、雁を射ました。...
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巻一第九話 舎利弗の超能力合戦

巻1第9話 舎利弗与外道術競語 第九 今は昔、釈迦如来の弟子・舎利弗(しゃりほつ/シャーリプトラ/サーリプッタ)尊者は、外道(仏教以外の教えを奉ずる者)の子でした。母の胎内にあるうちから智恵があり、母の腹を破って出てこようとしました。母は...
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巻一第八話 サールナート(鹿の園)で説いた(釈迦伝15)

巻1第8話 釈迦為五人比丘説法語 第八 今は昔、釈迦如来は波羅奈国(ばらなこく、ヴァラナシ=ベナレス)に赴き、憍陳如(きょうちんにょ)など、5人の比丘が修行しているところに行きました。 5人は如来がやってくるのを見て、語りあ...
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巻一第七話 そして彼はブッダとなった(釈迦伝14)

巻1第7話 菩薩於樹下成道語 第七 今は昔、天魔は種々の方法によって、菩薩の成道(悟りを開くこと)を妨げようとしました。しかし、菩薩は芥子ほども動かされることはありませんでした。端正な天女の形も刀で刺し殺される恐怖も慈悲の力で追いやり、二...
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巻一第六話 魔がおそいかかる(釈迦伝13)

巻1第6話 天魔擬妨菩薩成道語 第六 今は昔、菩薩(やがて悟りを開く人、この場合は釈迦)が菩提樹の下で瞑想しているとき、「過去の諸仏が無上道(悟り)を達成したとき、何に座っていたのだろうか」と考えました。そして、「草の上に座るべきだ」と結...
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巻一第五話③ 死んじまったらおしまいだ(釈迦伝12)

巻1第5話 悉達太子於山苦行語 第五 (巻一第五話②より続く) 太子は迦蘭仙の苦行所に入りました。?陳如(きょうちんにょ、釈尊の最初の弟子となる)ら、5人が修行していた場所です。 太子は尼連禅河(にれんぜんが、ネーランジャラー川)の河...
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巻一第五話② リクツだけじゃダメなんだ(釈迦伝11)

巻1第5話 悉達太子於山苦行語 第五 (巻一第五話①より続く) 太子は阿羅邏(あらら)仙人のもとに参りました。 天人たちが仙人に告げました。 「悉達(しっだ)国の王子が、国を捨て、父王と別れて、無上正真の道を求め、一切衆生の苦を救う...
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巻一第五話① 苦行の理由(釈迦伝10)

巻1第5話 悉達太子於山苦行語 第五 今は昔、悉達太子は出家して、跋伽(ばか)仙人の苦行林に入りました。仙人は太子を迎え、深く敬って言いました。 「多くの仙人には威光というものがありません。だからこそあなたをお迎えしたいと思ったのです」...
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巻一第四話③ 髪を落とし、苦行林に入った(釈迦伝09)

巻1第4話 悉達太子出城入山語 第四 (巻一第四話②より続く) 太子は跋伽(ばか)仙人の苦行林にたどりつきました。馬より降り、背をなでながら言いました。 「私はついにここまで来た。この上なく喜ばしいことだ」 さらに、車匿に告...
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巻一第四話① 父は子の心を知り涙した(釈迦伝07)

巻1第4話 悉達太子出城入山語 第四 今は昔、浄飯王の子・悉達太子は十九歳になりました。出家したいという気持ちを宿して、父王に面会しました。まるで帝釈天が梵天に詣でるように(どちらもバラモン教の神、仏教の守護神)、堂々とした姿でした。 ...
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巻一第四話② 愛馬とともに城を出た(釈迦伝08)

巻1第4話 悉達太子出城入山語 第四 (巻一第四話①より続く) 真夜中を過ぎたころ、浄居天そしてさまざまな天人が虚空に充ち満ちて、声をあわせて太子に語りかけました。 「城の内にある者も外にある者もことごとく眠っています。出家するなら今...
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巻一第三話③ 死を知った。どう生きるか考えた(釈迦伝06)

巻1第3話 悉達太子在城受楽語 第三 (巻一第三話②より続く) そのころ、ひとりのバラモンの子がありました。名を憂陀夷(うだい)と申します。聡明で智恵に恵まれ、弁舌に長けていました。 王は彼を呼びこう言いました。 「太子は今世に...
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巻一第三話② 老いと病を知る(釈迦伝05)

巻1第3話 悉達太子在城受楽語 第三 (巻一第三話①より続く) あるとき、太子はたくさんの花が咲きほこり、泉が清々しくすずしく流れていると聞いて、「外に出てみよう」と考えました。太子は侍女を遣わし、これを王に願い出ました。 「城に...
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巻一第三話① 王子は女に興味を示さなかった(釈迦伝04) 

巻1第3話 悉達太子在城受楽語 第三 今は昔、浄飯王の子・悉達太子(しっだたいし、シッダールタ王子)は、十七歳になりました。父王は大臣を集め、宣言しました。 「太子はすでに大人になった。后をめとってやろう。誰か、これはという娘を知る者はある...
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巻一第二話② シッダールタ「目的を達成した人」と名づけられた(釈迦伝03)

巻1第2話 釈迦如来人界生給語 第二 (巻一第二話①より続く) 摩訶那摩(まかなま)という大臣が大王のもとに参り、太子が生まれたことを伝えました。さまざまな希有があったことも申し上げました。 王は驚きつつ園に入りました。一人の女官が太子を抱...
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