第十

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巻十第十七話 虎を射ようとして岩を射った人の話

巻10第17話 李広箭射立似虎巌語 第十七 今は昔、震旦の漢の時代に、李広という人がいました。勇猛果敢な人で、特に弓術に勝れた腕を持っていました。 ある時、一匹の虎が李広の母を襲いました。このことを人から聞いた李広が驚き慌てて帰ってきて...
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巻十第十六話 十の太陽が天に現れた話

巻10第16話 養由天現十日時射落九日語 第十六 今は昔、震旦の周の時代に養由(ようゆう、楚の大夫で弓の名手)という人がいました。極めて勇猛果敢な人で、弓を射れば、どんな物にも的中させることは、掌を指すように軽々とやってのけます。そこで、...
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巻十第十五話 孔子が盗人を教え諭そうとして逃げ帰った話

巻10第15話 孔子為教盗跖行其家怖返語 第十五 今は昔、震旦の周の時代に、柳下恵という人がいました。世にも賢い人であると、重用されていました。 その人の弟に盗跖(とうせき)という人がいました。この人はある山の麓を根城として、乱暴な悪人...
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巻十第十四話 死体を葬って仙人となった男の話

巻10第14話 費長房夢習仙法至蓬莱返語 第十四 今は昔、震旦の漢の時代に、費長房という人がいました。 この人が道を歩いていると、途中で、からからに乾いて白骨化してはいるものの、ばらばらになってしまわずに何とか人の形を留めている野晒しの...
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巻十第十三話 荘子が動物たちを見て走り逃げた話

巻10第13話 荘子見畜類所行走逃語 第十三 今は昔、震旦に荘子という人がいました。聡明でとても広い知識を持っていました。 ある時この人が道を歩いていますと、沢に一羽の鷺(さぎ)がいて、何かを窺っているようでした。荘子はこれを見て、...
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巻十第十二話 荘子が命を語った話

巻10第12話 荘子行人家殺雁備肴語 第十二 今は昔、震旦に荘子という人がいました。聡明で非常に賢い人でした。 この人が道を歩いていて一つの杣山(そまやま、木材を切り出す山)を通りますと、多くの杣木(そまぎ、木材にする木)の中に、幹が曲...
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巻十第十一話 後の千金より今日の粟を求めた荘子の話(轍鮒の急)

巻10第11話 荘子□□□許借粟語 第十一 今は昔、震旦の周の時代に、荘子という人がいました。 非常に聡明で、広い知識を持っていましたが、家はとても貧しく、貯えはほとんどありませんでした。 あるとき、荘子はもう今日食べるものすらなく、...
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巻十第十話 孔子のつとめを馬鹿にした老人の話

巻10第10話 孔子逍遥値栄啓期聞言語 第十 今は昔、震旦で、孔子は林の中に小高い丘のある場所へ行き、気ままな散策を楽しまれていました。孔子は琴をお弾きになったり、連れてきた十人余りの弟子たちをぐるりに座らせて、書物を読ませたりしていまし...
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巻十第九話 孔子の問答の話

巻10第9話 臣下孔子道行値童子問申語 第九 今は昔、震旦の周の時代(前1046~前256年)に、魯の孔丘という人がいました。この人の父は叔梁といい、また母は顔氏の家系の人です。この孔丘は孔子として世に広く知られたその人です。身の丈は九尺...
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巻十第八話 落ち葉の詩に恋した男の話

巻10第8話 震旦呉招孝見流詩恋其主語 第八 今は昔、震旦に、呉の招孝という人がいました。とても聡明な人でした。 この人が若い頃、宮中から流れ出てくる川の辺りに行って川遊びをしていたところ、木の葉が流れ下ってくるのを見つけて、手に取って...
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巻十第七話 美ゆえに殺された楊貴妃の話

巻10第7話 唐玄宗后楊貴妃依皇寵被殺語 第七 今は昔、震旦の唐の時代に玄宗という皇帝がおわしました。もとより色好みで、女人を愛でるお心が強いお方でした。 さて、皇帝には、寵愛なさっている后と女御がおられました。后は元献皇后といい、女御...
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巻十第六話 忘れられたまま年老いた女御の話

巻10第6話 唐玄宗后上陽人空老語 第六 今は昔、震旦の唐の玄宗皇帝の代(712~756年)、后や女御が大勢おりました。ご寵愛を受けている者も、皇帝にお目にかかったことのない者もありましたが、皆宮中に住まっていました。 さて、ある公卿の...
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巻十第五話 美しき女人が未開の地に連れて行かれた話

巻10第5話 漢元帝后王照君行胡国語 第五 今は昔、震旦の漢の元帝の代(前49年~前33年)のこと、皇帝は大臣や公卿の娘から、見目麗しく、なんとも言えず雅やかな趣の女性を選んでは召し抱え、宮の内に居住させて寵愛なさっていました。しかしその...
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巻十第四話 天の川を訪ねて行った男の話

巻10第4話 漢武帝以張騫令見天河水上語 第四 今は昔、漢の武帝の代(前147~前87)に、張騫(ちょうけん)という人がいました。 皇帝が彼を召し出して、「天の川の上流がどこにあるのか尋ねて来い」と仰せになりましたので、張騫はその宣旨を...
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巻十第三話 項羽と劉邦、そして家臣たちの話

巻10第3話 高祖罸項羽始漢代為帝王語 第三 今は昔、震旦に漢の高祖(劉邦)という人がいました。秦が滅びる際に咸陽宮(かんようきゅう)を討ち従え、占領していました。また一方には、項羽という人もいました。こちらは秦の国王の血筋の人で、「自分...
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