巻十九

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巻十九第四十話 清水の舞台から飛び降りた男の話

巻19第40話 検非違使忠明於清水値敵存命語 第四十 今は昔、忠明という検非違使(警察官)がありました。若いとき、清水寺の橋殿(清水の舞台)で、京童部(きょうわらわべ、暴力団)と諍いになりました。 京童部は刀を抜いて、忠明をとりかこみ殺...
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巻十九第三十九話 烏帽子が破れて命拾いした男の話

巻19第39話 美濃守侍五位遁急難存命語 第卅九 今は昔、美濃の守(岐阜県南部の地方官、都から派遣された)□という人がありました。その人に仕えている五位(官位)がありました。名を□といいます。心が正しくまっすぐで、因果を知り、十斎日には心...
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巻十九第三十八話 大風で比叡山の大鐘が落ちた話

巻19第38話 比叡山大鐘為風被吹辷語 第卅八 今は昔、比叡山の東塔(エリアの名)に、大鐘がありました。鐘の周囲は八尺(約2.4メートル)ほどもありました。 永祚(えいそ)元年(989年)己丑 (つちのとうし)八月十三日、大風が吹いて、...
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巻十九第三十七話 念仏し続けた檜皮葺の老人の話

巻19第37話 比叡山大智房檜皮葺語 第卅七 今は昔、比叡山の東塔(エリアの名)の東の谷に大智房という建物がありました。 その房の上の檜皮(ひはだ)が損じてきたので、房主の□内供という人が檜皮葺(ひはだふき)の職人を呼び、修...
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巻十九第三十六話 殺されかかった舞人が助けられた話

巻19第36話 薬師寺舞人玉手公近値盗人存命語 第卅六 今は昔、薬師寺に、右兵衛の尉・玉手公近(たまてのきんちか)という舞人がおりました。 長年、朝廷に仕えておりました。若いころから阿弥陀仏への信仰が厚く、常に念仏を唱え、魚や鳥などの肉は...
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巻十九第三十五話 論で盗賊を撃退した人の話

巻19第35話 薬師寺最勝会勅使捕盗人語 第卅五 今は昔、薬師寺の最勝会のために、弁(べん、弁官)の源□という人が(勅使として奈良へ)下向しました。七日間の法要が終わったので、京へ帰る途中、奈良坂でのことでした。 衣櫃(こびつ、衣服など...
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巻十九第三十四話 比叡山の天狗が恩を返す話(欠話)

巻19第34話 比叡山天狗報助僧恩語 第卅四(欠文) 【解説】草野真一 『十訓抄』にあるのが同じ話ではないかと考えられている。
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巻十九第三十三話 高い木の上の宮殿に誘われた男の話

巻19第33話 東三条内神報僧恩語 第卅三 今は昔、いつごろのことかはわかりません。二条大路より北、洞院大路の西に面したあたりに住む僧がありました。 決して身分の高い者ではありませんでしたが、常に法華経や仁王経などを読んでいました。東三...
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巻十九第三十二話 平維叙、神に恩返しをされる

今は昔、陸奥守(むつのかみ・現在の東北地方の国司)平維叙(たいらのこれのぶ)という者がいました。貞盛朝臣(さだもりのあそん・平将門を誅殺した勲功者)の子であります。任国にはじめて下り、神拝(じんぱい・新任国司の行事)ということをしようと、...
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巻十九第三十一話 ドクロと霊が恩を返す話

巻19第31話 髑髏報高麗僧道登恩語 第卅一 今は昔、高句麗(朝鮮半島の国)からこの朝(日本)に渡る僧がありました。名を道登といいます。元興寺に住みました。 「善根を積むため、宇治の橋をつくり渡そう」と考え、工事をはじめました。そのころ...
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巻十九第三十話 亀に救われた百済の僧の話

巻19第30話 亀報百済僧弘済恩語 第三十 今は昔、備後の国三谷の郡(広島県三次市)に住む人がありました。その郡の大領(長官)が先祖でした。百済(朝鮮半島の国)が滅んだとき、縁あってかの国を助けるため、多くの眷属(兵)をひきつれ、海をわた...
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巻十九第二十九話 継母から子を守った亀の話

巻19第29話 亀報山陰中納言恩語 第廿九 今は昔、延喜の天皇(醍醐天皇)の御代に、中納言藤原山蔭という人がありました。何人も子がありましたが、その中に一人の男子がありました。端正で美しく、父はこの子をとても愛し養っていました。この子には...
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巻十九第二十八話 地獄から母を救い出した子の話

巻19第28話 僧蓮円修不軽行救死母苦語 第廿八 今は昔、大和国宇陀郡(奈良県宇陀市)に安日寺という寺がありました。蓮円という僧がおりました。蓮円の母は邪見(よこしまな心)が深く、因果の理を理解しませんでした。 やがて年月が経ち、母は老...
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巻十九第二十七話 児よりも母を助けた話

巻19第27話 住河辺僧値洪水棄子助母語 第廿七 今は昔、高潮が上がって、淀川の水かさが増し、河辺の多くの人の家が流れました時に、年のほど五、六歳くらいで、色白く見た目も端正な、気配りもしっかりできる男の子をもって、片時も身も離さず可愛が...
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巻十九第二十六話 下野公助、父に打たれても逃げなかった話

巻19第26話 下野公助為父敦行被打不逃語 第廿六 今は昔、右近の馬場で手番(てつがい・射手を左右に分けて二人一組で勝負を競う。五月の節句の宮中行事)が行われたとき、中将・大将たちが馬場で着座していました。 その日、下野公助(し...
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