巻十二

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巻十二第二十三話 空にただよう五色の光を見た話

巻12第23話 於法成寺薬師堂始例時日現瑞相語 第廿三 今は昔、入道大相国(藤原道長)が法成寺を建立した後、寺の東に、西向に子午の堂を造り、七仏薬師を安置して、万寿元年(1024年)六月二十六日に供養をおこないました。 堂ではじめて例時...
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巻十二第二十二話 藤原道長が幻の僧を引き寄せた話

巻12第22話 於法成寺絵像大日供養語 第廿二 今は昔、後一条天皇の御代に、関白太政大臣(藤原道長。関白はいわばニックネームで、道長は関白になっていない)は、寛仁三年(1018年)の三月二十一日に出家されました。 翌年の某月某日、自身が...
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巻十二第二十一話 興福寺に奇蹟が起こった話

巻12第21話 山階寺焼更建立間語 第廿一 今は昔、大織冠(藤原鎌足)が子孫のために山階寺(やましなでら、後の興福寺)を造られました、 丈六(一丈六尺、約4.85メートル。仏像にもっとも適当とされる大きさ)の釈迦如来像と、両脇侍の二菩薩...
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巻十二第二十話 燃え上がる寺を鳩が護った話

巻12第20話 薬師寺食堂焼不焼金堂語 第二十 今は昔、□年□月□日の夜、薬師寺の食堂(じきどう)で火事が起こりました。火は南にむかっていたために、食堂の南にあった講堂・金堂はたちまち焼け落ちました。寺の僧たちはこれを悲しみ、泣く泣くわめ...
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巻十二第十九話 薬師の胸から薬がしたたり盲目の女を救った話

巻12第19話 薬師仏従身出薬与盲女語 第十九 今は昔、奈良の都に越田の池という池がありました。その池の南に蓼原里という里がありました。其の里の中に堂があり、蓼原堂といいます。その堂に薬師仏の木像がありました。 阿倍の天皇(孝謙天皇)の...
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巻十二第十八話 火災にあっても燃えなかった絵像の話

巻12第18話 河内国八多寺仏不焼火語 第十八 今は昔、河内の国石川の郡(大阪府南河内郡)に、八多寺という寺がありました。寺には阿弥陀如来の絵像がありました。 その郷の古老が語りました。 「昔、この寺のそばに女人が住んでいた。夫が死ん...
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巻十二第十七話 盗まれた絵が声を出して助けを求めた話

巻12第17話 尼所被盗持仏自然奉値語 第十七 今は昔、河内の国若江の郡の遊宜の村(大阪府八尾市)に、一人の沙弥(僧になってない修行者)の尼がありました。仏の道を心に懸け、かぎりなく熱心に修行しました。平群(奈良県生駒市)の山寺に住み、人...
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巻十二第十六話 仏に祈り難を逃れた罪人の話

巻12第16話 獦者依仏助免王難語 第十六 今は昔、聖武天皇の御代、神亀四年(717年)九月中旬、天皇は群臣とともに狩りに出られました。添上の郡山村(奈良市帯解)の山で、一匹の鹿を見ました。鹿は網見の里(奈良県天理市朝和)の百姓の家の中に...
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巻十二第十五話 仏に助けられた貧しい女の話

巻12第15話 貧女依仏助得富貴語 第十五 今は昔、聖武天皇の御代に、奈良の都、大安寺の西の郷に、一人の女人がありました。とても貧しく、衣食を得る手だてもありませんでした。 女人はしっかりした心で考えました。 「大安寺の丈六(一丈六尺...
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巻十二第十四話 洪水に流され生活をあらためた人の話

巻12第14話 紀伊国漂海依仏助存命語 第十四 今は昔、白壁の天皇(光仁天皇)の御代、紀伊の国日高の郡(和歌山県日高郡)に、紀麿という人がありました。因果の法(仏法)を信じず、三宝(仏法僧)を敬いませんでした。長く海辺に住み、網を持って海...
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巻十二第十三話 破壊される仏像の声を聞いた話

巻12第13話 和泉国尽恵寺銅像為盗人被壊語 第十三 今は昔、聖武天皇の御代に、和泉国日根郡(大阪府泉南市など)に、一人の盗人がありました。街道のわきに住んでいて、人を殺し、人の物を盗み取ることを仕事としていました。因果応報を信ぜず、寺に...
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巻十二第十二話 川に埋まっていた薬師仏の話

巻12第12話 修行僧従砂底掘出仏像語 第十二 今は昔、駿河国(静岡県中部)と遠江国(静岡県西部)の堺に川がありました。大井川といいます。その川上に鵜田郷というところがありました。遠江国榛原郡(静岡県島田市)にあります。 大...
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巻十二第十一話 橋が声を発した話

巻12第11話 修行僧広達以橋木造仏像語 第十一 今は昔、聖武天皇の御代に僧がありました。名を広達といいます。俗姓は下毛野の公、上総の国武射の郡(千葉県山武市)の人です。 広達は仏道を求め、ねんごろに修行していました。大和国吉野郡(奈良...
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巻十二第十話 八幡大菩薩と放生会の話

巻12第10話 於石清水行放生会語 第十 今は昔、八幡大菩薩が前生でこの国の帝王だったとき、軍をひきいて自ら出陣し、多くの命を奪いました。 はじめ大隅国(鹿児島県)に八幡大菩薩としてあらわれ、次に宇佐の宮(宇佐八幡宮、大分県宇佐市)に遷...
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巻十二第九話 比叡山の舎利会が京でおこなわれた話

巻12第9話 於比叡山行舎利会語 第九 今は昔、慈覚大師(円仁)が震旦(中国)から多くの仏舎利を持ち帰りました。貞観二年(860年)、惣持院を起こし、舎利会をはじめ比叡山の行事としました。多くの僧を請じ、音楽を調え、一日の法会を行いました...
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