巻六(全)

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巻六第六話① 般若心経を得た三蔵法師の話

巻6第6話 玄奘三蔵渡天竺伝法帰来語 第六 今は昔、唐の玄宗皇帝の時代、震旦に、玄奘法師という聖人がありました。 天竺に至る道の途上、広野を歩んでいるとき、日が暮れてしまいました。宿泊するところもなかったので、ただ足に任せて歩いていくと、...
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巻六第五話 仏教を中国に伝えた鳩摩羅什とその父の話

巻6第5話 鳩摩羅焔奉盗仏伝震旦語 第五 今は昔、仏が摩耶夫人(まやぶにん、釈尊の実母)を教化するため忉利天(とうりてん)に昇り、九十日間滞在することがありました。天竺の優填王(うでんおう、ウダヤナ)は仏の不在をかなしみ、仏を恋い、赤栴檀...
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巻六第四話 呉王孫権と光を放つ仏舎利の話

巻6第4話 康僧会三蔵至胡国行出仏舎利語 第四 今は昔、天竺に康僧会三蔵という聖人がいらっしゃいました。仏法を伝えるため、震旦に渡る中途、胡(呉の誤りとされる)という国に入りました。 その国の王は未だ三宝(仏法僧)を知らなかったので、三...
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巻六第三話② 帝を否定し死を予言した達磨の話

(①より続く) 巻6第3話 震旦梁武帝時達磨渡語 第三 梁の武帝の時代でした。武帝は巨大な伽藍を建立して、数体の仏像を鋳造し、塔をたて、数部の経巻を書写して思いました。「私は殊勝の功徳を修した。これを智恵ある僧に見せて、讃められ貴ばれ...
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巻六第三話① 仏法を弘めようとして追い払われた達磨の弟子の話

巻6第3話 震旦梁武帝時達磨渡語 第三 今は昔、南天竺に、達磨和尚という聖人がありました。その弟子に、仏陀耶舎(ぶっだやしゃ)という比丘(僧)がありました。 達磨は仏陀耶舎に言いました。 「すみやかに震旦国に行き、法を伝えなさい」...
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巻六第二話 インドから中国に仏法が伝わった話

巻6第2話 震旦後漢明帝時仏法渡語 第二 今は昔、後漢の明帝のころ(西暦57~75)のことです。帝は身長一丈(約3メートル)の金色に光る人がやってくる夢を見ました。 目覚めてから、知恵ある大臣を召し、この夢の相を見てくれと言いました。大臣...
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巻六第一話 始皇帝が僧を投獄した話

巻6第1話 震旦秦始皇時天竺僧渡語 第一 今は昔、震旦の秦の始皇帝の時代に、天竺から僧が渡ってきました。名を「釈の利房」といいます。十八人の賢者をつれて、法文と聖教をもたらしました。 皇帝は問いました。「おまえたちは何者か。どこの国から来...
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