巻三十一巻三十一第二十七話 忘れ草と思い草を植えた兄弟の話 巻31第27話 兄弟二人殖萱草紫苑語 第廿七 今は昔、□国□郡に住む人がありました。 男の子が二人ありましたが、父が死んだので、その二人の子は深く嘆き悲しみ、何年経っても忘れることができませんでした。 昔は死んだ人は土葬にしたので、こ... 2025.12.10巻三十一
巻三十一巻三十一第二十六話 最高権力者がかしづいた巫女の話 巻31第26話 打臥御子巫語 第廿六 今は昔、打臥(うちふし)の御子(みこ)という巫(かんなぎ・神降ろしなどをする人)が世にいました。 昔から賀茂(上賀茂・下賀茂の両神社)の巫女というのは聞いたこともありませんが、この巫女は賀茂の若宮(... 2025.11.15巻三十一
巻三十一巻三十一第二十五話 豊前の大君の話 巻31第25話 豊前大君知世中作法語 第廿五 今は昔、□□天皇の御代に、豊前(とよさき)の大君(おおぎみ)という人がいました。 桓武天皇の第五皇子の御孫でありましたが、位は四位で官職は刑部卿(ぎょうぶきょう)兼大和守などでありました。 ... 2025.11.03巻三十一
巻三十一巻三十一第二十四話 祇園が比叡山の末寺になった話 巻31第24話 祇薗成比叡山末寺語 第廿四 今は昔、祇園(祇園社、感神院。八坂神社の旧称)はもと山階寺(やましなでら・興福寺の別称)の末寺でありました。 その真東に比叡山の末寺の蓮花寺(れんげじ)という寺がありました。 さ... 2025.10.12巻三十一
巻三十一巻三十一第二十三話 多武峰が比叡山の末寺になる話 巻31第23話 多武峰成比叡山末寺語 第廿三 今は昔、比叡山に尊睿律師(そんえいりつし)という人がおりました。 長年、山に住み、顕密(けんみつ)の二教を学んで高僧の誉れが高かい方でした。 また、優れた観相家(かんそうか・人相見)でもあ... 2025.08.20巻三十一
巻三十一巻三十一第二十二話 讃岐国の満濃池をくずす国司のこと 巻31第22話 讃岐国満農池頽国司語 第廿二 今は昔、讃岐国(さぬきのくに・現在の香川県)郡に満濃(まの)の池という大きな池がありました。高野の大師(弘法大師)がこの国の人のためを思って、大勢の人を集めて築きなされた池であります。池の周り... 2020.10.24巻三十一
巻三十一巻三十一第二十一話 能登国の鬼の寝屋島のこと 巻31第21話 能登国鬼寝屋島語 第廿一 今は昔、能登(のと・現在の石川県北部)の国の沖に寝屋(ねや)という島があります。その島では、河原に石がころがっているように無数に鮑(あわび)がとれるというので、この国に光の島という浦がありますが、... 2020.10.18巻三十一
巻三十一巻三十一第二十話 出世のために大岩を砕いた僧の話 巻31第20話 霊巌寺別当砕巌廉語 第二十 今は昔、北山に霊厳寺(りょうがんじ)という寺がありました。 この寺は、妙見菩薩(みょうけんぼさつ)がお姿を現し給う所であります。 寺の前に三町(さんちょう・約327m)ほど離れて大岩があり、... 2025.07.17巻三十一
巻三十一巻三十一第十九話 つかないのに鳴る不思議な鐘の話 巻31第19話 愛宕寺鋳鐘語 第十九 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人が愛宕寺(おたぎでら、六道珍皇寺)を建立し、その寺で使うために鋳物師に鐘を鋳させたところ、鋳物師が言うには、 「この鐘は撞(つ)く人がなくても、十二の時(今の... 2025.06.14巻三十一
巻三十一巻三十一第十八話 越後国に小人が漂着した話 巻31第18話 越後国被打寄小船語 第十八 今は昔、源行任朝臣(みなもとのゆきとうのあそん)という人が越後守(えちごのかみ・新潟県の国司)としてその国に在任中、□□郡の浜に小さな船が打ち寄せられました。 幅二尺五寸(約76㎝)、深さ二寸... 2025.05.22巻三十一
巻三十一巻三十一第十七話 流れ着いた巨人の死体の話 巻31第17話 常陸国□□郡寄大死人語 今は昔、藤原信通朝臣(ふじわらののぶみちのあそん)という人が常陸守(ひたちのかみ・茨木県北東部の国司)として、その国に在任中のこと、任期が終わるという年の四月頃、風がものすごく吹き、ひどく荒れた夜、... 2025.05.07巻三十一
巻三十一巻三十一第十六話 見知らぬ島に流れ着いた話 巻31第16話 佐渡国人為風被吹寄不知島語 第十六 今は昔、佐渡国(さどのくに)に住む者が大勢で一艘の船に乗り、出かけたところ、沖合でにわかに南風が吹き出し、矢を射るように船を北の方に吹き流しました。 船の者たちは「もはやこれまで」と観... 2025.04.02巻三十一
巻三十一巻三十一第十五話 犬の妻となった女の話 巻31第15話 北山狗人為妻語 第十五 今は昔、京に住む若い男が北山(きたやま・京都の北方の山々の総称)の辺りに遊びに行ったのですが、いつしか陽がとっぷりと暮れてしまいました。 どことも知れぬ野山の中に迷い込んで、道も分からなくなり、帰... 2025.03.05巻三十一
巻三十一巻三十一第十四話 馬に変えられた修行者の話 巻31第14話 通四国辺地僧行不知所被打成馬語 第十四 今は昔、仏の道を修行する僧が三人、四国の辺地(伊予・讃岐・阿波・土佐)の海辺を廻ることがありました。僧たちはそこを廻っているうち、思いがけず山に入りました。深山に迷い、ただ海辺に... 2024.04.10巻三十一
巻三十一巻三十一第十三話 酒のわき出る隠れ里の話 巻31第13話 通大峰僧行酒泉郷語 第十三 今は昔、仏の道を修行する僧がありました。大峰を通るとき、道を違えて、谷を下っていくと、大きな人郷に出ました。 僧は喜びました。 「人の家に立ち寄って『ここはどこですか』と聞こう」... 2024.04.23巻三十一