巻二十第八話 良源僧正の霊が余慶僧正を伏した話(欠話)

巻二十(全)

巻20第8話 良源僧正成霊来観音院伏余慶僧正語 第八(欠文)

【解説】草野真一

下の護符は、良源僧正の二態をあらわしている。(クリックすると拡大)

左は元三大師(がんざんだいし)、天台宗最高位の天台座主まで上り詰めた良源の肖像である。右は角大師と呼ばれ、良源が夜叉の姿に変じて疫病神を追い払ったときの姿を表現している。

余慶は良源と同時代の僧侶であるが、二者は対立していたようで、このエピソードもたぶん、それを下敷きにしたものだろう。巻二十は天狗(異形の者)を主人公とした話コレクションだから、ふたりの僧の対立にこの世ならぬ者がからんでくるという話だったにちがいない。おもしろそうだねえ。

関東の人なら初詣の名所として知っているだろう佐野厄除け大師は弘法大師ではなくて良源、元三大師である。他にも、良源ゆかりの関東の有名寺院はたくさんあって、えっここも良源なのかよとびっくりしちゃった。

初詣は関東の三大師【佐野厄よけ大師】で! 佐野を満喫できるスポット!
巻一第二十話 王女の出家(欠話)
巻1第20話 仏耶輸陀羅令出家語 第二十【解説】草野真一タイトルだけあって、中身がない。革袋に酒が入っていない理由について、多くの人が詮索した。千年も! 今でも続いている。前話が女性出家者第一号となった摩訶波闍波提(まかはじゃ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました