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巻二十五(全)

巻二十五第五話 平維茂と藤原諸任の死闘(その2)

巻25第5話 平維茂罸藤原諸任語 第五 さて一方、余五はかの家で、夜が明けるまで走り回って下知しながら奮戦し、敵を多く射殺して、もはや矢も尽き、味方も残り少なくなったので、「この上、戦っても無駄だ」と思い、着ていた衣を脱ぎ捨て、女が着て...
巻二十五(全)

巻二十五第五話 平維茂と藤原諸任の死闘(その1)

巻25第5話 平維茂罸藤原諸任語 第五 今は昔、実方(さねかた)の中将(藤原実方)というひとが陸奥守(むつのかみ・東北地方の国司)になって任国に下りましたが、この人は高貴な家柄の貴族であったので、国内のしかるべき武士たちはみな前の守に対す...
巻六(全)

巻六第三話② 帝を否定し死を予言した達磨の話

(①より続く) 巻6第3話 震旦梁武帝時達磨渡語 第三 梁の武帝の時代でした。武帝は巨大な伽藍を建立して、数体の仏像を鋳造し、塔をたて、数部の経巻を書写して思いました。「私は殊勝の功徳を修した。これを智恵ある僧に見せて、讃められ貴ばれ...
巻六(全)

巻六第三話① 仏法を弘めようとして追い払われた達磨の弟子の話

巻6第3話 震旦梁武帝時達磨渡語 第三 今は昔、南天竺に、達磨和尚という聖人がありました。その弟子に、仏陀耶舎(ぶっだやしゃ)という比丘(僧)がありました。 達磨は仏陀耶舎に言いました。 「すみやかに震旦国に行き、法を伝えなさい」...
巻四(全)

巻四第四十話 貧しく美しい娘と話さない太子の話

巻4第40話 天竺貧女書写法花経語 第四十 今は昔、天竺に女がありました。家が貧しく、財がないうえに、子もありませんでした。女は仏神に祈りました。 「せめて子をつくり、生きるたよりとしたい」 女はたちまち懐妊し、一人の女の子を産みまし...
巻三十(全)

巻三十第十一話 貝を愛でた古い妻と食うことだけを考えた新しい妻の話

巻30第11話 品不賤人去妻後返棲語 第十一 今は昔、誰と言うことはできませんが、人品賤しからぬ君達受領(公達受領、位階は高いが地方の国司となった者)の年若い青年がありました。心に情があり、由緒正しく見えました。 その人は年来いっしょに暮...
巻二(全)

巻二第十一話 手のひらに無限に金貨がわき出る幸福な男の話

巻2第11話 舎衛城宝手比丘語 第十一 今は昔、天竺の舎衛城(コーサラ国の都)に、一人の長者がありました。家は大いに富み、無量の財宝がありました。一人の男子が生まれました。世に並ぶものがない端正な子でした。 子は両手のひらに、それぞれ金貨...
巻二十七(全)

巻二十七第三十二話 謎の家に勤めた女の話

巻27第32話 民部大夫頼清家女子語 第卅二 今は昔、民部大夫(戸籍などを扱う民部省の役人)で、□□頼清という人がありました。斎院を勘当になった(賀茂神社の職を解かれた)ので木幡(宇治市木幡)の別邸にうつりました。 ...
巻二十七(全)

巻二十七第三十一話 「出る」家に住む話

巻27第31話 三善清行宰相家渡語 第卅一 今は昔、宰相(参議。政治をおこなう役職)三善清行(みよしのきよつら)という人がありました。世に善宰相と呼ばれる方です。浄蔵大徳(徳ある僧)の父であります。すべてにおいて貴い人で、陰陽道もきわめて...
巻二十七(全)

巻二十七第三十話 小さい霊と血染めの白米の話

巻27第30話 幼児為護枕上蒔米付血語 第三十 今は昔、ある人が方違え(解説参照)のために下京あたりの家に行きました。その家に昔から霊がついているのを知らず、みなで休みました。幼い子もありました。 幼い子の枕の近くに火をともし、そばにいた二...
巻二十(全)

巻二十第二十三話 極楽に生まれようとして小蛇になった聖人の話

巻20第23話 比叡山横川僧受小蛇身語 第廿三 今は昔、比叡山の横川に僧がありました。道心をおこし、ひたすらに阿弥陀の念仏を唱え、「極楽に生まれさせてください」と願っていました。法文もよく知っていましたが、ただ極楽に生まれることを...
巻四(全)

巻四第三十九話 弥勒像をつくった人の話

巻4第39話 末田地阿羅漢造弥勒語 第卅九 今は昔、北天竺の烏仗那国(うじょうなこく)の達麗羅川(だりらせん)に、寺がありました。金色に輝く十丈(30メートル)ほどの弥勒菩薩の木像がありました。仏が涅槃に入った(亡くなった)後に、末田地大...
巻四(全)

巻四第三十八話 貧しい人が大金持ちになった話

巻4第38話 天竺貧人得富貴語 第卅八 今は昔、天竺に一人の人がありました。身分の高い人でしたが、とても貧しく、生きていくことさえ困難でした。物乞いをして命をつないでいましたが、人はみな門を閉じ、彼を寄せつけませんでした。彼はとても歎き悲...
巻二十三(全)

巻二十三第十四話 平致経が夜半に僧正の警護をした話

巻23第14話 左衛門尉平致経送明尊僧正語 第十四 今は昔、宇治殿(藤原頼通・道長の長子)が全盛であられたころ、三井寺(園城寺の通称)の明尊僧正(みょうそんそうじょう)はご祈祷僧として夜の宿直に伺候していましたが、御灯明はともしていません...
巻六(全)

巻六第二話 インドから中国に仏法が伝わった話

巻6第2話 震旦後漢明帝時仏法渡語 第二 今は昔、後漢の明帝のころ(西暦57~75)のことです。帝は身長一丈(約3メートル)の金色に光る人がやってくる夢を見ました。 目覚めてから、知恵ある大臣を召し、この夢の相を見てくれと言いました。大臣...
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