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巻二十五(全)

巻二十五第一話 東国・平将門の乱(その2)

巻25第1話 平将門発謀反被誅語 (その1より続く) このように始終、合戦が行われていましたが、ここに武蔵権守(むさしごんのかみ)興世王(おきよのおう)という者がありました。 これは、将門と心を同じくする者です。 正式に...
巻二十五(全)

巻二十五第一話 東国・平将門の乱(その1)

巻25第1話 平将門発謀反被誅語 今は昔、朱雀院(すざくいん)の御代のとき、東国に平将門(たいらのまさかど)という武人がいました。 これは桓武天皇の子孫の高望親王(たかもちしんのう)と申す方の子にあたる鎮守府将軍(ちんじゅふしょうぐん)良持...
巻一(全)

巻一第十八話② 天国と地獄で美人を見た話

(①より続く) 難陀は「妻のところに帰りたい」という気持ちを捨てきれませんでした。 仏が外出しているすきに出ていこうと考え、扉に近づくと、扉はたちまち閉まり、また別の扉が開きました。開いている扉から出ようとすると、今度はその扉が閉まり、...
巻一(全)

巻一第十八話① 美しい妻を置いて出家した話

巻1第18話 仏教化難陀令出家給語 第十八 今は昔、仏の弟子に難陀(なんだ)という人がいました。出家する以前は、インド中に知れわたるほどの美人を妻としており、その愛欲に執着し、仏法も信ぜず、仏の叱責にもしたがいませんでした。 ある日、仏...
巻二十(全)

巻二十第六話 憑かれた女に誘惑される話

巻20第6話 仏眼寺仁照阿闍梨房託天狗女来語 第六 今は昔、京の東山は仏眼寺に仁照阿闍梨(あじゃり、高位の僧)という人がありました。とても貴い方でした。 長く寺で修行し、寺を出ることもありませんでしたが、ある日、七条に住む金箔打ちの妻と...
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卷二十第一语 天狗由西至东追寻念诵经文的海水之源

卷二十 天竺天狗听闻海水声来此朝语第一 却说从前,天竺(印度)有天狗的存在。 天狗从天竺飞往震旦(中国)的途中,听闻海水的声音如此回响,“诸行无常。是法灭法。生灭灭已。寂灭为乐。”天狗对此感到十分惊讶,“海水为何会念诵如此深远的经文?”...
巻二十六

巻二十六第一話 子を鷲に奪われた父親の話

巻26第1話 於但馬国鷲爴取若子語 第一 今は昔、但馬国七美郡(兵庫県美方郡)川山の郷(存在しない)に住む者がありました。その家に一人の赤子があり、庭を這いまわっていました。空を飛びゆく鷲が、赤子を見て、とつぜん降下してこれをつかみと...
巻十七(全)

巻十七第四話 地蔵が死刑を止めた話

巻17第4話 依念地蔵菩薩遁主殺難語 第四 今は昔、備中の国(岡山県)に、藤原文時という人がありました。字(あざな)を大藤大夫といいました。先祖代々の良家の血統であり、富豪で、多くの子孫に恵まれていました。家は津の郡(岡山県都窪郡)宮の郷...
巻一(全)

巻一第十七話 家を出よと勧める父と涙にくれる母の話

巻1第17話 仏迎羅睺羅令出家給語 第十七 今は昔、仏は息子の羅睺羅(らごら、ラーフラ)を出家させようと考え、目連(モッガラーナ)を使者として迎えに遣わそうと考えていました。羅睺羅の母・耶輸陀羅(やしゅだら、ヤショーダラー。釈尊の奥さん、...
巻一(全)

巻一第十六話 差し出された指を見て弟子になった話

巻1第16話 鴦掘摩羅切仏指語 第十六 今は昔、天竺に鴦掘摩羅(あうくつまら、アングリマーラ)という人がありました。指鬘比丘(しまんびく)の弟子です。師から受けた外道(仏教以外の信仰)の法を学んでいました。 師の指鬘比丘は鴦掘摩羅に言い...
巻二十二(全)

巻二十二第八話 時平の大臣、伯父の妻を盗む(谷崎純一郎『少将滋幹の母』の素材)

巻22第8話 時平大臣取国経大納言妻語 今は昔、本院の左大臣と申し上げる方がおいでになりました。御名を時平(ときひら)と申し上げます。昭宣公(しょうせんこう・藤原基経)と申し上げる関白の御子であります。この方は、本院という所に住んでおられま...
巻二十二(全)

巻二十二第七話 閑院の右大臣冬嗣の孫・高藤の恋

巻22第7話 高藤内大臣語 今は昔、閑院(かんいん)の右の大臣(おとど)と申す方がおいでになりました。御名を冬嗣(ふゆつぐ)と申し上げます。世間の評判もたいへんよく、生まれつき非常に賢い方でありましたが、若くしてお亡くなりになりました。 ...
巻一(全)

巻一第十五話 母なくして子が生まれた話

巻1第15話 提何長者子自然太子語 第十五 今は昔、天竺に提何(だいか)長者という人がありました。提何夫妻は年老いていましたが、子がありませんでした。 提何は妻に語りました。 「天上の世界、そして人間の世界では子がある人こそ富める人だ。子が...
巻二十(全)

巻二十第五話 木から落ちた女天狗の話

巻20第5話 仁和寺成典僧正値尼天狗語 第五 今は昔、仁和寺に成典僧正という人がありました。俗姓は藤原氏であり、広沢の寛朝大僧正を師として真言の密法を受け、行法を怠ることがなかったので、僧正まで出世しました。 仁和寺の辰巳(東南)の方角に、...
巻一(全)

巻一第十四話 仏教が伝わらない街を教化した話

巻1第14話 仏入婆羅門城教化給語 第十四 今は昔、婆羅門城(ばらもんじょう)には仏法が伝えられておらず、みなが外道(仏教以外の教え)を信じ、その典籍を学んでいました。仏は教化のため、城に入りました。 外道が説きました。 「城に狗曇沙...
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