巻十一巻十一第二十話 聖徳太子が法隆寺を築いた話(欠話) 巻11第20話 聖徳太子建法隆寺語 第二十(欠文) 【解説】草野真一 『今昔物語集』は聖徳太子を日本仏教の祖として描いている。聖徳太子が築いたとされる寺院はいくつもあるが、法隆寺をその代表とすることに異論がある者はないだろう。飛鳥の聖徳太... 2023.01.26巻十一
巻十一巻十一第十九話 光明皇后が法華寺を尼寺とした話(欠話) 巻11第19話 光明皇后建法華寺為尼寺語 第十九(欠文) 【解説】 草野真一 光明皇后はさまざまな芸能・映画・ドラマ・マンガなどに描かれた人物である。もっとも有名なものは千人の病者の垢を洗い落とすことを発願した話だろう。最後の千人目に重症... 2023.01.18巻十一
巻十一巻十一第三十三話 秦河勝が広隆寺をつくった話(欠話) 巻11第33話 秦川勝始建広隆寺語 第卅三(欠文) 【解説】 草野真一 秦河勝(川勝)は日本仏教の祖・聖徳太子の朋輩であった人物として知られ、同時に秦氏の族長であったとされる。国宝第一号となった弥勒菩薩半跏像は広隆寺(京都市右京区)にあり... 2023.01.18巻十一
巻十一巻十一第十八話 高野姫天皇(称徳天皇)が西大寺をつくった話 巻11第18話 高野姫天皇造西大寺語 第十八 今は昔、高野姫天皇(称徳天皇)は聖武天皇の御娘でいらっしゃいました。女性ではありましたが、広い知識をもち、文の道をきわめていらっしゃいました。また、仏法を知り、「道場を建立したい」といまだ天皇... 2022.11.05巻十一
巻十一巻十一第十七話 天武天皇が薬師寺を築いた話(薬師寺の由来) 巻11第17話 天智天皇造薬師寺語 第十七 今は昔、天武天皇が位につきました。つづいて、持統天皇という女帝が即位しました。 高市の郡(奈良県橿原市)に寺をつくり、薬師仏を安置しました。奈良の都の時代に、元明天皇という女帝が、西京の六条、... 2022.10.09巻十一
巻十一巻十一第十六話 代々の天皇が受け継いだ大安寺 巻11第16話 代々天皇造大安寺所々語 第十六 今は昔、聖徳太子が熊凝の村(奈良県大和郡山市)に寺をつくりました。太子は完成を見ずに亡くなりました。推古天皇が後を継ぎました。推古天皇よりはじまり、聖武天皇に至るまで、九代の天皇が受け伝えつ... 2022.09.10巻十一
巻十一巻十一第十五話 インドから日本へわたった仏像の話(元興寺の由来) 巻11第15話 聖武天皇始造元興寺語 第十五 今は昔、元明天皇は奈良の都に元興寺を建立しました。堂塔を建て、金堂には□丈の弥勒像を安置しました。この弥勒は日本で造った仏ではありませんでした。 昔、東天竺に生天子国という国があ... 2022.06.12巻十一
巻十一巻十一第十四話 藤原鎌足と不比等が興福寺を築いた話 巻11第14話 淡海公始造山階寺語 第十四 今は昔、大織冠(藤原鎌足)がまだ内大臣になられず、なんの役職にも就いていないとき、女帝・皇極天皇の御代のことです。御子は(中大兄皇子、天智天皇)は春宮(皇太子)でいらっしゃいました。二人はともに... 2022.04.22巻十一
巻十一巻十一第十三話 聖武天皇が東大寺建立のために金を請うた話 巻11第13話 聖武天皇始造東大寺語 第十三 今は昔、聖武天皇が東大寺を建造しました。銅で居長□丈の盧舎那仏の像を鋳造させ、巨大な堂を造っておおいました。また、講堂・食堂・七層の塔二基・様々の堂・僧房・戒壇・別院・諸門、それぞれをつくりま... 2022.03.10巻十一
巻十一巻十一第十二話② 智証大師円珍が大陸の火事を鎮めた話 (①より続く) 巻11第12話 智証大師亙唐伝顕密法帰来語 第十二 和尚は本意のとおり天台山に登り、禅林寺で定光禅の菩提樹を礼拝しました(智顗による植樹があったか)。また、天台大師(智顗)が眠っている墳墓に礼しました。禅林寺は、天台大師の... 2022.02.04巻十一
巻十一巻十一第十二話① 智証大師円珍が金色の不動尊を得た話 巻11第12話 智証大師亙唐伝顕密法帰来語 第十二 今は昔、文徳天皇の御代に、智証大師(円珍)という聖がありました。俗姓は和気の氏。讃岐の国那珂の郡金倉の郷(香川県丸亀市)の人です。 父は財産家で、母は佐伯の氏、高野の弘法大師(空海)の姪... 2022.02.04巻十一
巻十一巻十一第十一話 慈覚大師円仁が追われ毒を飲まされる話 巻11第11話 慈覚大師亙唐伝顕密法帰来語 第十一 今は昔、承和の御代(西暦834年~848年)に慈覚大師という聖がありました。俗姓は壬生の氏、下野国都賀の郡(栃木県小山市・都賀郡)の人です。 誕生のとき、家を紫の雲がおおいました。そのこ... 2022.01.13巻十一
巻十一巻十一第十話 伝教大師最澄が比叡山をひらいた話 巻11第10話 伝教大師亙唐伝天台宗帰来語 第十 今は昔、桓武天皇の御代に、伝教大師という聖がありました。俗姓は三津の氏、近江の国志賀郡(滋賀県大津市)の人です。幼いときより賢く、七歳になるころには、明らかな智恵があり、多くのことを知って... 2022.01.01巻十一
巻十一巻十一第九話② 弘法大師空海が大日如来となった話 (①より続く) 巻11第9話 弘法大師渡唐伝真言教帰来語 第九 ちょうどそのとき、遣唐大使として、越前の守正三位藤原朝臣葛野麻呂(かどのまろ)という人が唐にわたることになりました。ともに海の道三千里を行くことになりました。 まず蘇... 2021.12.24巻十一
巻十一巻十一第九話① 弘法大師空海が真言を学ぶことを決意した話 巻11第9話 弘法大師渡唐伝真言教帰来語 第九 今は昔、弘法大師という聖がありました。俗姓は佐伯の氏、讃岐の国多度の郡屏風の浦(香川県善通寺市)の人です。母である阿刀の氏は、聖人があらわれて胎の中に入る夢を見て懐妊し、大師を生みました。 ... 2021.12.24巻十一