巻十一

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巻十一第三十五話 馬が見つけた毘沙門天(鞍馬寺の由来)

巻11第35話 藤原伊勢人始建鞍馬寺語 第卅五 今は昔、桓武天皇の御代に、従四位の藤原伊勢人という人がありました。心は賢く智恵深い人でした。 そのころ、天皇は東寺を建造されていました。伊勢人はその行事(造営責任者)でしたが、心の中では思...
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巻十一第三十四話 法輪寺を建てた話(欠話)

巻11第34話 □建法輪寺語 第卅四(欠文) 【解説】 草野真一 『新日本古典文学大系35 今昔物語集3』の解説によれば、「□建法輪寺語」の□に入るのは道昌の可能性が高いという。道昌は空海の弟子だった人で、驚異の記憶力を得る虚空蔵求聞持法...
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巻十一第三十二話② 寺を建てた夫妻(坂上田村麻呂が清水寺を建てた話②)

(①より続く) 巻11第32話 田村将軍始建清水寺語 第卅二 大納言の坂上田村麻呂という人が近衛の将監であったときに、居所を新しい京の西に賜りました。仕事が休みのとき、京を出て、東の山に行き、産を控えた妻のために鹿を求めることがありまし...
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巻十一第三十二話① 山中で出会った聖人が消えた話(坂上田村麻呂が清水寺を建てた話①)

巻11第32話 田村将軍始建清水寺語 第卅二 今は昔、大和国高市の郡八多の郷(奈良県高市郡高鳥町)に、小島山寺(子嶋寺)という寺がありました。その寺に賢心という僧がありました。報恩大師という人の弟子です。ひたすら聖の道を求め、苦行を怠るこ...
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巻十一第三十一話 祟りをなす霊木から観音を切り出した話(長谷寺の観音像)

巻11第31話 徳道上人始建長谷寺語 第卅一 今は昔、大水(洪水)が起こったとき、近江の国高島の郡(滋賀県高島市)に大木が流れてきました。郷の人がこの木の端を伐り取ると。その人の家は焼けました。また、その家よりはじまって郷村に病が流行し、...
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巻十一第三十話 大友御子が九死に一生を得て菩薩を彫った話(笠置寺磨崖仏の由来)

巻11第30話 天智天皇御子始笠置寺語 第三十 今は昔、天智天皇の御代、皇子(大友御子、のちの弘文天皇)がありました。智恵ぶかく、才賢い人でした。文の道を好みました。漢詩と賦をつくることは、この皇子からこの国に広まったとされています。また...
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巻十一第二十九話 天智天皇が供養のために指を切り落とした話

巻11第29話 天智天皇建志賀寺語 第廿九 今は昔、天智天皇が近江の国志賀郡(滋賀県大津市)粟津の宮(近江大津宮)にいらっしゃったとき、寺を建てる願を立てました。「建てるべき地をお示しください」と祈り願った夜の夢に、僧があらわれて告げまし...
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巻十一第二十八話 智証大師円珍が三井寺を再興し新しい宗派を開いた話

巻11第28話 智証大師初門徒立三井寺語 第廿八 今は昔、智証大師(円珍)は、比叡山の僧として、千光院というところに住んでいました。天台座主としてかの院にいらっしゃったのです。天皇をはじめ、世をあげて大師をかぎりなく貴びました。 大師は...
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巻十一第二十七話 慈覚大師円仁が比叡山を受け継いだ話

巻11第27話 慈覚大師始建楞厳院語 第廿七 今は昔、慈覚大師(円仁)は伝教大師(最澄)の入室写瓶の(瓶の水をうつすように教えを得た)弟子として、比叡山を受け継ぎました。仏法興隆の志はことに深いものでした。首楞厳院を建立して中堂を建て、観...
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巻十一第二十六話 伝教大師最澄が比叡山を開いた話

巻11第26話 伝教大師始建比叡山語 第廿六 今は昔、伝教大師は比叡山を開き、根本中堂にみずから薬師如来の像をつくり、安置しました。天台宗を立て、智者大師(智顗)の教えをひろめました。 弘仁三年(812年)七月、法華三昧堂を...
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巻十一第二十五話 弘法大師空海が高野山を開いた話

巻11第25話 弘法大師始建高野山語 第廿五 今は昔、弘法大師(空海)は、真言の教え(密教)をさまざまな所に弘め、老に臨むと、多くの弟子に寺をゆずりました。 「私が唐にいたとき投げた三鈷が落ちたところに向かおう」 弘仁七年...
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巻十一第二十四話 女の色香に惑いただの人になった久米仙人の話

巻11第24話 久米仙人始造久米寺語 第廿四 今は昔、大和国吉野の郡(奈良県吉野郡)に龍門寺という寺がありました。寺には二人が籠って、仙の法を修行していました。一人をあづみ、一人を久米といいます。あづみは先に修行を完成させ、仙人となり、空...
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巻十一第二十三話 夜の海に光り音を奏でる霊木の話

巻11第23話 建現光寺安置霊仏語 第廿三 今は昔、敏達天皇の御代に、河内国和泉の郡(大阪府和泉市)の前の海の沖(大阪湾)に、楽器の音がきこえました。箏・笛・琴・箜篌(くご)などの音のようでした。雷のとどろきのようでした。また、光がありま...
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巻十一第二十二話 伐ろうとすると人が死ぬ古木の話

巻11第22話 推古天皇造元元興寺語 第廿二 今は昔、推古天皇という女帝の御代に、この朝に仏法がさかんになり、堂塔を造る人も世に多くありました。天皇も、銅製の丈六(一丈六尺、約4.85メートル。仏像にもっとも適当とされる大きさ)の釈迦の像...
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巻十一第二十一話 聖徳太子が四天王寺を建てた話

巻11第21話 聖徳太子建天王寺語 第廿一 今は昔、聖徳太子はこの国に生まれ、「仏法を弘めて、この国の人を利益しよう」と考え、伯父である敏達天皇の御代にそれを進言して、国の内に仏法を崇めて、堂塔を造り、他国より来た僧に帰依するようになりま...
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