巻一(全)

巻一第二話① 花園で生まれた太子の話(釈迦伝02)

今は昔、釈迦如来の母、摩耶夫人は、彼女の父の善覚長者と共に、春のはじめ二月八日に、嵐毗尼(ルンビニ)園に無憂樹(ムウジュ)を見に行きました。夫人は園に到着すると、宝の車より降りました。たくさんの美しい瓔珞(ネックレスや腕輪などの装飾品)をつ...
巻五(全)

巻五第六話 王の五百の卵が初めて父母を知る話

巻5第6話 般沙羅王五百卵初知父母語 第六 今は昔、天竺の般沙羅(はんしゃら)国に大王があり、その名を般沙羅王といいました。その后は五百の卵を産みました。大王はそれを見て奇妙に思いました。后もそれを恥ずかしく思い、小さな箱に入れて使いによ...
巻一(全)

巻一第一話 王妃が白象の夢を見て懐妊した話(釈迦伝01)

巻1第1話 釈迦如来人界宿給語 第一 今は昔、釈迦如来がまだ仏になっていないころは、釈迦菩薩といって、兜率天(とそつてん)の内院というところに住んでいました。 「閻浮提(人間界)に生まれよう」と考えはじめたとき、五衰が現れはじめました。五衰...
巻四(全)

巻四第十三話 船を海中にひきずりこんだ竜王の話

巻4第13話 天竺人於海中値悪竜人依比丘教免害語 第十三 今は昔、天竺の人は、道を行く時は必ず比丘(僧)をつれていたといいます。仏法の加護があるためです。 昔、ある人が商いのために船に乗り、海に出ました。にわかに悪風が吹いて、船を海の...
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巻五第五話 国王が山へ狩りに行き、鹿母夫人を后にする話

巻5第5話 国王入山狩鹿母夫人為后語 第五 今は昔、インドの波羅奈(はらな)という国の都から遠くない位置に、聖所遊居(しょうしょゆこ)と呼ばれる山がありました。その山には二人の仙人があり、一人は南の岳に、もう一人は北の岳に住んでいました。...
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巻四第十二話 いつわりの託宣をした神官の話

巻4第12話 羅漢比丘教国王太子死語 第十二 今は昔、天竺に小国がありました。その国では神のみを信じて、仏法を信じませんでした。 国王には、一人の皇子がありました。王は他に子がありませんでしたから、皇子をまるで宝石を愛でるように愛しました...
巻四(全)

巻四第十一話 打たれた児と南海のコウモリの話

巻4第11話 天竺羅漢比丘値山人打子語 第十一 今は昔、天竺に羅漢(聖者)の僧がありました。ある日、羅漢はひとりの山人(木こりなどして山で生活する人)と出会いました。山人は幼い童子をつれていて、ムチで打ち、哭(な)かせていました。 羅漢...
今昔物語集について

貨幣経済、ボランティア、テクノロジーそして千年の心

『今昔物語集』が書かれた時期は、貨幣経済がほとんどなかった時代です。 このテーマは歴史学者・網野善彦の著書にくりかえし出てきます。 じゃあ下の話はどう説明つけんのさと食ってかかりたくなりますが、当時は文盲率が驚くほど高かったですから...
巻四(全)

巻四第十話 心に仏を宿した僧の話

巻4第10話 天竺比丘僧沢観法性生浄土語 第十 今は昔、中天竺に比丘(僧)がありました。名を僧沢といいます。怠け心がとても強く、愚か者でした。比丘の姿をしていましたが、まともに修行したことがありません。経や真言もまったく知らず、ただ寺に住...
巻四(全)

巻四第九話② 強盗に襲われた僧と狂人を装う僧の話

巻4第9話 天竺陀楼摩和尚行所々見僧行語 第九 (①より続く) 陀楼摩(だるま)和尚は山のふもとの人里に宿をとりました。 夜がふけたころ、叫び声が聞こえました。 「強盗だ! 強盗が私を殺そうとしている。年来貯えていた財宝は、みな奪わ...
巻四(全)

巻四第九話① 碁を打つ老僧の話

巻4第9話 天竺陀楼摩和尚行所々見僧行語 第九 今は昔、陀楼摩(だるま)和尚という聖人がいらっしゃいました。天竺のすべての場所に赴き、あらゆる比丘(僧侶)のおこないを見て、世に伝えました。 ある大きな寺に詣でたときのことです。ある僧房で...
このプロジェクトについて

【協力】クレジットに関して(援助について)

このプロジェクトへの経済的援助を求めます。 経済的援助とは、「スタッフとして参加はできないが、ヘルプはする」というスタンスでご協力いただくことです。 援助いただいた方は、【協力】としてクレジットいたします。 個人的には、こ...
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巻五第四話 女を背負った一角仙人が山から王宮にやってくる話

巻5第4話 一角仙人被負女人従山来王城語 第四 今は昔、天竺に一角仙人という仙人がありました。額に角がひとつ生えていたことから、そのように呼ばれていました。 山奥で長いこと修行を積んでいました。雲に乗って空を飛び、高い山を動...
このプロジェクトについて

あなたの功績は1000年残る。

あなたが華族の血筋なら別ですが、そうでないかぎり墓は100年もちません。 あなたの周囲に100年以上残ってる墓がありますか? ほとんどないはずだし、あっても誰が入ってるかわからないはずです。 つまり、墓というモニュメントは、あなた...
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巻四第八話 ニセの仏を拝み泣いた聖人の話

巻4第8話 優婆崛多降天魔語 第八 今は昔、天竺に、優婆崛多(うばくった、ウパグプタ)という悟りに至った羅漢(聖者)がありました。人を利益すること、仏のようでした。法を説き、多くの人を教化しました。その法を聞くと、皆が利益を得て、罪を滅し...
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