巻四(全)

巻四第三十二話 薬が人となり皇子を救った話

巻4第32話 震旦国王前阿竭陀薬来語 第卅二 今は昔、震旦(中国)に皇子がありました。容姿が端正で美しい心をもっていました。父王はこの皇子をたいへんに愛していました。 やがて、皇子は重い病を得て床につき、数か月が経ちました。国王はこれを...
巻十七(全)

巻十七第二十一話 六波羅蜜寺の地蔵像の由来

巻17第21話 但馬前司□□国挙依地蔵助得活語 第廿一 今は昔、但馬(兵庫県)の前司(ぜんじ、前任の国司)国挙(くにたか)という人がありました。長く公務をつとめ、私も充実させているうち、身に病を受け、死ぬことになりました。すぐに閻魔の庁に...
巻五(全)

巻五第二十七話 山中で象におそわれた僧の話

巻5第27話 天竺象足踏立株謀人令抜語 第廿七 今は昔、天竺に一人の比丘(僧)がありました。深い山の中を歩いていると、大象を見ました。比丘は恐れ、いそいで高い木に昇り、葉の中に隠れました。象は木の下を通っていきました。比丘は「うまく隠...
巻二十七(全)

巻二十七第十話 油を盗む怪異の話

巻27第10話 仁寿殿台代御灯油取物来語 第十 今は昔、延喜(醍醐天皇)の御世に、物が仁寿殿の対代(たいしろ、建て増しの部屋)の灯用油を夜半くらいに取りに来て、紫宸殿(ししんでん、*1)の方に去っていくということが毎夜ありました。 天皇...
巻二十八

巻二十八第五話 越前守為盛の六衛府の官人への言いわけ

巻28第5話 越前守為盛付六衛府官人語 第五 今は昔、藤原為盛朝臣(ふじわらのためもりのあそん)という人がいました。越前守(えちぜんのかみ・現在の福井県東部の国司)であったとき、六衛府の下級役人に支給すべき大粮米(だいろうのよね・官給の米...
巻二十七(全)

巻二十七第九話 未明の役所で消えた役人の話

巻27第9話 参官朝庁弁為鬼被噉語 第九 今は昔、太政官(だいじょうかん、中央官庁)が朝庁という事を行っていました。未明に人が参るものでした。 その時、史(さかん、三等官)□□の□□という者が遅刻し、弁(史の上司)は早出して席に座って...
巻二十七(全)

巻二十七第八話 内裏で起こったバラバラ殺人、手足だけが見つかった話

巻27第8話 於内裏松原鬼成人形噉女語 第八 今は昔、小松(光孝)天皇の御世に、武徳殿の松原を若い女三人が連れ立って内裏へ向かって歩いていました。八月十七日の夜だったので、大変明るい月夜でございました。 すると、松の木のもとに男が一...
巻二十八

巻二十八第四話 老人が宮中行事で笑いものにされた話

巻28第4話 尾張守□□五節所語 第四 今は昔、□天皇の御代に、□という者がおりました。万年受領で、官位にありつけずうだつのあがらないままだったところ、やっとのことで尾張守に任命されたので、喜びいさんで任地にくだりましたが、尾張国はすたれ...
巻十七(全)

巻十七第二十話 父の行いによって救われた僧の話

巻17第20話 播磨国公真依地蔵助得活語 第二十 今は昔、播磨の国印南の郡(兵庫県高砂市)歌見の浦というところに、極楽寺という寺がありました。その寺に公真という僧がありました。公真は三尺(約90センチ)の彩色の地蔵菩薩像をつくり、寺に...
巻三十(全)

巻三十第三話 娘とちぎってしまった高僧の話

巻30第3話 近江守娘通浄蔵大徳語 第三 今は昔、近江(滋賀県琵琶湖周辺)の守□□という人がありました。家は豊かで、子が多くあった中に、娘がひとりありました。 まだ少女のうちから、姿かたちが美しく、髪が長く、有様がすばらしかったので、父母...
巻十七(全)

巻十七第十九話 子供のころ遊びでつくった地蔵が助けてくれた話

巻17第19話 三井寺浄照依地蔵助得活語 第十九 今は昔、三井寺(園城寺、滋賀県大津市)に一人の僧がありました。名を浄照といいます。 十一、二歳ぐらい、まだ出家していない子供のころ、同じぐらいの年齢の子と、戯れに僧形の像を刻んで、こ...
巻五(全)

巻五第二十六話 盲目の母象の子が捕らえられた話

巻5第26話 天竺林中盲象為母致孝語 第廿六 今は昔、天竺の林に、目の見えない母象と子象が住んでいました。子象は木の実や果物などを集めたり、清水をくんできたりして、盲目の母象を養っていました。 ある日、ひとりの人が林の中で道を見失い...
巻五(全)

巻五第二十五話 猿と亀のだましあいの話

巻5第25話 亀為猿被謀語 第廿五 今は昔、天竺の海辺に山がありました。一匹の猿が、木の実を食べて暮らしていました。山の近くの海に、亀の夫妻が住んでいました。妻の亀が夫の亀に言いました。「私はあなたの子を妊娠しました。しかし、私は腹に病が...
巻四(全)

巻四第三十一話 王の殺意から逃れた名医の話

巻4第31話 天竺国王服乳成嗔擬殺耆婆語 第卅一 今は昔、インドに国王がありました。心はねじ曲がっていたし、いつもうとうとして、眠ってばかりいました。まるで寝ることが仕事のようでした。 こんな人はそうはいません。大臣や公卿は「これは病だ...
巻二十七(全)

巻二十七第七話 在原業平の女が鬼に食われた話

巻27第7話 在原業平中将女被噉鬼語 第七 今は昔、右近の中将在原業平という人がおりました。大変な女好きで、世に美人がいると聞けば、官人でも人の娘でも見逃さず、全て恋人にしたいと思っている所に、ある人の娘の容姿といい心映えといい、この世の...
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