巻二十四巻二十四第二十九話 藤原義忠が藤原資業の詩を非難した話 巻24第29話 藤原資業作詩義忠難語 第廿九 今は昔、藤原資業(ふじわらのすけなり)という文章博士がいました。 鷹司殿(たかつかさどの・源倫子)の御屏風の色紙形に書く詩を、詩文の達人である博士たちにお命じになり、詩をつくらせましたが、こ... 2023.05.09巻二十四
巻二十四巻二十四第二十八話 菅原道真が夢で詩の読み方を教えてくれた話 巻24第28話 天神御製詩読示人夢給語 第廿八 今は昔、天神(菅原道真)がおつくりになった詩があります。 東行西行雲眇々 (とうこうさいこうくもびょうびょう) 二月三月日遅々 (にがつさんがつひちちたり) この詩を後世の人は、も... 2023.04.10巻二十四
巻二十四巻二十四第五十五話 大隅の郡司が歌を詠んで許された話 巻24第55話 大隅国郡司読和歌語 第五十五 今は昔、大隅(鹿児島県)の守␣(欠字。「拾遺集」によると桜島忠信が該当。以後忠信とする。)という人がいました。任国に下って政務を執り行っていたが、郡司※1に職務怠慢の行為があったので、「す... 2021.08.15巻二十四
巻二十四巻二十四第五十二話 大江匡衡、和琴を詠む 巻24第52話 大江匡衡和琴読和歌語 今は昔、式部大夫(しきぶのたいふ・式部省の次官)大江匡衡(おおえのまさひら)という人がいました。 まだ学生(がくしょう)であったころ、風雅の才はあったのですが、のっぽで怒り肩をしており、... 2020.07.06巻二十四
巻二十四巻二十四第五十一話 大江匡衡の妻・赤染衛門、歌を詠む 巻24第51話 大江匡衡妻赤染読和歌語 今は昔、大江匡衡(おおえのまさひら)の妻は、赤染時望(あかぞめのときもち)という人の娘であります。 匡衡はこの妻に挙周(たかちか)を生ませたのです。 その挙周は、成長してから漢詩文の道に達してい... 2020.07.05巻二十四
巻二十四巻二十四第四十九話 亡き親に歌をそなえた貧しい娘の話 巻24第49話 七月十五日立盆女読和歌語 第四十九 今は昔、七月十五日の盂蘭盆の日※1に、たいそう貧しい女が、亡き親のために食べ物を供えることができないので、着ていたたった一つの薄紫色の綾の衣を盆に載せて、その上を蓮の葉で覆い、それを持っ... 2021.08.19巻二十四
巻二十四巻二十四第四十八話 大江定基、飢えたる女の和歌に感動する 巻24第48話 参河守大江定基送来読和歌語 第四十八 今は昔、大江定基朝臣(おおえのさだもとのあそん)が三河守(みかわのかみ・現在の愛知県東部の国司)だったころ、世の中が大飢饉に見舞われ、食べ物がまったく無い時期があり、その五月の長雨のと... 2019.11.19巻二十四
巻二十四巻二十四第四十五話 小野篁、隠岐に流され歌を詠む 巻24第45話 小野篁被流隠岐国時読和歌語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 ある罪により、隠岐国(おきのくに・現在の島根県隠岐諸島、中世まで流刑地)に流されたとき、船に乗って出発しようとして、京の知人の許に、こう詠... 2020.05.28巻二十四
巻二十四巻二十四第四十四話 阿倍仲麻呂、唐で故郷を思う歌 巻24第44話 安陪仲麿於唐読和歌語 今は昔、安陪仲麿(あべのなかまろ、仲麻呂。百人一首でも仲麿と表記)という人がいました。 遣唐使として、さまざまなことを習うために、かの国へ渡りました。 長年、帰国できませんでしたが、その後また、日... 2019.10.09巻二十四
巻二十四巻二十四第四十三話 紀貫之が死んだ子を悼み歌を詠んだ話 巻24第43話 土佐守紀貫之子死読和歌語 第四十三 今は昔、紀貫之※1という歌人がいました。土佐守になってその国に下っていましたが、やがて任期が終わりました。 貫之には、年の頃七つ八つばかりの男の子※2がいて、かわいらしい子であったので... 2021.08.19巻二十四
巻二十四巻二十四第四十話 円融天皇の葬送の歌 巻24第40話 円融院御葬送夜朝光卿読和歌語 今は昔、円融法皇が崩御なさって、紫野にご葬送申し上げましたが、先年、この地に子(ね)の日の行幸があったことなど思い出して、人びとが深い悲しみに打たれているとき、閑院左大将(かんいんのさだいしょ... 2020.04.05巻二十四
巻二十四巻二十四第三十九話 藤原義孝、死んだ後に歌を詠む 巻24第39話 藤原義孝朝臣死後読和歌語 今は昔、右近少将・藤原義孝(ふじわのよしたか)という人がいました。 この人は、一条の摂政殿(藤原伊尹)の御子であります。 容貌・人柄をはじめ、気立ても才能もすべて人にすぐれていました。 また... 2020.04.04巻二十四
巻二十四巻二十四第三十七話 藤原実方、陸奥国で歌を詠む 巻24第37話 藤原実方朝臣於陸奥国読和歌語 第卅七 今は昔、藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたのあそん)という人がいました。 小一条(こいちじょう)の大将・済時(なりとき)の大納言という人の子であります。 一条天皇の御代に... 2020.02.12巻二十四
巻二十四巻二十四第三十五話 在原業平が東国に下った話 巻24第35話 在原業平中将行東方読和歌語 第卅五 今は昔、在原業平中将(ありはらのなりひらのちゅうじょう)という人がいました。世に知られた␣(欠字。おそらく「好き」)者でした。しかし、自分は、わが身はこの世に生きていて甲斐のないもの者... 2021.08.21巻二十四
巻二十四巻二十四第三十四話 公任の大納言、白川の家で歌を詠む 巻24第34話 公任大納言於白川家読和歌語 今は昔、公任大納言(きんとうのだいなごん)が春のころ、白川の家(山荘)へおいでになっていたとき、そこへしかるべき殿上人(てんじょうびと)が四、五人訪れてきて、「花がたいへんきれいなので、見にうか... 2020.01.25巻二十四