巻二十四

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巻二十四第七話 医師の宴に現れた体を腫らした女の話

巻24第7話 行典薬寮治病女語 第七 今は昔、典薬頭(てんやくのかみ・医薬のことをつかさどる典薬寮の長官)□□という人がいました。 医薬の道については、すぐれた医師(くすし)であるので、公私にわたって重んじられていました。 ある年の七...
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巻二十四第六話 碁打ち・寛蓮の話

巻24第6話 碁擲寛蓮値碁擲女語 第六 今は昔、第六十代醍醐天皇の御代に、碁勢(ごせい)と寛蓮(かんれん)という、碁の名人である二人の僧がいました。 寛蓮は家柄も卑しくなく、宇多院の殿上法師であったので、天皇も常に召して碁のお相手になさ...
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巻二十四第五十五話 大隅の郡司が歌を詠んで許された話

巻24第55話 大隅国郡司読和歌語 第五十五 今は昔、大隅(鹿児島県)の守␣(欠字。「拾遺集」によると桜島忠信が該当。以後忠信とする。)という人がいました。任国に下って政務を執り行っていたが、郡司※1に職務怠慢の行為があったので、「す...
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巻二十四第五十二話 大江匡衡、和琴を詠む

巻24第52話 大江匡衡和琴読和歌語 今は昔、式部大夫(しきぶのたいふ・式部省の次官)大江匡衡(おおえのまさひら)という人がいました。 まだ学生(がくしょう)であったころ、風雅の才はあったのですが、のっぽで怒り肩をしており、...
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巻二十四第五十一話 大江匡衡の妻・赤染衛門、歌を詠む

巻24第51話 大江匡衡妻赤染読和歌語 今は昔、大江匡衡(おおえのまさひら)の妻は、赤染時望(あかぞめのときもち)という人の娘であります。 匡衡はこの妻に挙周(たかちか)を生ませたのです。 その挙周は、成長してから漢詩文の道に達してい...
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巻二十四第四十九話 亡き親に歌をそなえた貧しい娘の話

巻24第49話 七月十五日立盆女読和歌語 第四十九 今は昔、七月十五日の盂蘭盆の日※1に、たいそう貧しい女が、亡き親のために食べ物を供えることができないので、着ていたたった一つの薄紫色の綾の衣を盆に載せて、その上を蓮の葉で覆い、それを持っ...
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巻二十四第四十八話 大江定基、飢えたる女の和歌に感動する

巻24第48話 参河守大江定基送来読和歌語 第四十八 今は昔、大江定基朝臣(おおえのさだもとのあそん)が三河守(みかわのかみ・現在の愛知県東部の国司)だったころ、世の中が大飢饉に見舞われ、食べ物がまったく無い時期があり、その五月の長雨のと...
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巻二十四第四十五話 小野篁、隠岐に流され歌を詠む

巻24第45話 小野篁被流隠岐国時読和歌語 今は昔、小野篁(おののたかむら)という人がいました。 ある罪により、隠岐国(おきのくに・現在の島根県隠岐諸島、中世まで流刑地)に流されたとき、船に乗って出発しようとして、京の知人の許に、こう詠...
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巻二十四第四十四話 阿倍仲麻呂、唐で故郷を思う歌

巻24第44話 安陪仲麿於唐読和歌語 今は昔、安陪仲麿(あべのなかまろ、仲麻呂。百人一首でも仲麿と表記)という人がいました。 遣唐使として、さまざまなことを習うために、かの国へ渡りました。 長年、帰国できませんでしたが、その後また、日...
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巻二十四第四十三話 紀貫之が死んだ子を悼み歌を詠んだ話

巻24第43話 土佐守紀貫之子死読和歌語 第四十三 今は昔、紀貫之※1という歌人がいました。土佐守になってその国に下っていましたが、やがて任期が終わりました。 貫之には、年の頃七つ八つばかりの男の子※2がいて、かわいらしい子であったので...
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巻二十四第四十話 円融天皇の葬送の歌

巻24第40話 円融院御葬送夜朝光卿読和歌語 今は昔、円融法皇が崩御なさって、紫野にご葬送申し上げましたが、先年、この地に子(ね)の日の行幸があったことなど思い出して、人びとが深い悲しみに打たれているとき、閑院左大将(かんいんのさだいしょ...
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巻二十四第三十九話 藤原義孝、死んだ後に歌を詠む

巻24第39話 藤原義孝朝臣死後読和歌語 今は昔、右近少将・藤原義孝(ふじわのよしたか)という人がいました。 この人は、一条の摂政殿(藤原伊尹)の御子であります。 容貌・人柄をはじめ、気立ても才能もすべて人にすぐれていました。 また...
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巻二十四第三十七話 藤原実方、陸奥国で歌を詠む

巻24第37話 藤原実方朝臣於陸奥国読和歌語 第卅七 今は昔、藤原実方朝臣(ふじわらのさねかたのあそん)という人がいました。 小一条(こいちじょう)の大将・済時(なりとき)の大納言という人の子であります。 一条天皇の御代に...
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巻二十四第三十五話 在原業平が東国に下った話

巻24第35話 在原業平中将行東方読和歌語 第卅五  今は昔、在原業平中将(ありはらのなりひらのちゅうじょう)という人がいました。世に知られた␣(欠字。おそらく「好き」)者でした。しかし、自分は、わが身はこの世に生きていて甲斐のないもの者...
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巻二十四第三十四話 公任の大納言、白川の家で歌を詠む

巻24第34話 公任大納言於白川家読和歌語 今は昔、公任大納言(きんとうのだいなごん)が春のころ、白川の家(山荘)へおいでになっていたとき、そこへしかるべき殿上人(てんじょうびと)が四、五人訪れてきて、「花がたいへんきれいなので、見にうか...
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