巻二十四

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巻二十四第十九話 播磨国の陰陽師・智徳法師のこと

巻24第19話 播磨国陰陽師智徳法師語 今は昔、播磨国(はりまのくに・現在の兵庫県南西部)の□□郡に陰陽師のことをする法師がいました。 名を智徳(ちとく)といいます。 長年、その国に住んで、この道を行っていましたが、この法師は陰陽道に...
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巻二十四第十八話 陰陽の術で人を殺す話

巻24第18話 以陰陽術殺人語 第十八 今は昔、主計頭(かずえのかみ)※1で、小槻糸平(おつきのいとひら)という者がおりました。その子に算の先生(さんのせんじょう)と呼ばれている男がおりました。名を茂助(もちすけ)と言いました。主計頭忠臣...
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巻二十四第十七話 賀茂保憲と安倍清明、覆物を占う(欠話)

巻24第17話 保憲清明共占覆物語 【解説】柳瀬照美 本話は表題のみの本文欠話。初めから欠脱していたか、とも思われる。 陰陽道の天才、賀茂保憲と安倍清明の術くらべ。表題より、覆い隠された物を当てる試合のようであったと推察される。 陰...
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巻二十四第十六話 安倍清明、師に従って道を習う

巻24第16話 安倍清明随忠行習道語 今は昔、天文博士・安倍清明(あべのせいめい)という陰陽師がいました。 昔の大家にも恥じぬほどのすぐれた陰陽師でありました。 幼いときから、賀茂忠行(かものただゆき)という陰陽師について...
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巻二十四第十五話 賀茂忠行、息子・保憲の才を知る

巻24第15話 賀茂忠行道伝子保憲語 今は昔、賀茂忠行(かものただゆき)という陰陽師(おんみょうじ)がいました。 その道については昔の名陰陽師にも恥じず、当時においても肩を並べる者がいませんでした。 そこで、公私にわたって重く用いられ...
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巻二十四第十四話 夢占いで妻の浮気を知った話

巻24第14話 天文博士弓削是雄占夢語 第十四 今は昔、[伴世継(とものよつぎ)]※1という者がおりました。穀蔵院(こくぞういん・民部省所管の倉庫)の使者として、その封戸(ふこ)の税を徴収する※2ために東国に行き、何日かしてから帰京する途...
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巻二十四第十三話 地神に追われた陰陽師の話

巻24第13話 慈岳川人被追地神語 第十三 今は昔、文徳天皇が崩御されました。陵墓の地を定める勅命を受けて、大納言安陪安仁が従者を連れて御陵の地に赴きました。 その時、慈岳(しげをか)の川人(かわひと)という陰陽師がいました。陰陽道にお...
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巻二十四第十二話 医師・雅忠、家の様子を見て、瘡病の人がいることを言い当てる (欠話)

巻24第12話 雅忠見人家指有瘡病語 第十二(欠文) 【解説】柳瀬照美 表題より内容を察するに、忠明の子・雅忠が外部から家の様子をうかがい見ただけで、家の内に瘡(かさ・皮膚病)の病を患う人がいることを言い当てたという話。 前話に登場した...
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巻二十四第十一話 竜を見た男を治した名医の話

巻24第11話 忠明治値竜者語 第十一 今は昔、□□天皇の御代に、天皇が内裏においでになっている間、ちょうど夏の頃のことで、涼もうと、滝口(たきぐち・宮中警護の武士)の侍たちの多くが八省(はっしょう・八省院のこと。朝堂院ともいい、中央行政...
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巻二十四第十話 唐人の名医・長秀の話

巻24第10話 震旦僧長秀来此朝被仕医師語 第十 今は昔、天暦(てんりゃく・村上天皇)の御代に、震旦(しんたん)から渡来した僧がいました。 名を長秀(ちょうじゅう)といいます。 もとは医師でありましたが、九州に住みついて帰国するつもり...
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巻二十四第九話 蛇と交接した女の話

巻24第9話 嫁蛇女医師治語 第九 今は昔、河内国讚良郡馬甘郷(かわちのくにささらのこおりうまかいのさと)に住んでいる人がいました。 身分は卑しかったのですが、家はたいそう裕福でありました。そこに若い娘が一人ありました。 四月ごろのこ...
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巻二十四第八話 好色な典薬頭を出し抜いた女の話

巻24第8話 女行医師家治瘡逃語 第八 今は昔、典薬頭(てんやくのかみ・医薬を司る典薬寮の長官)に□□という優れた医師(くすし)がいました。 当代に並びない者でありましたから、人びとは皆、この人を重んじていました。 ある日、この典薬頭...
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巻二十四第七話 医師の宴に現れた体を腫らした女の話

巻24第7話 行典薬寮治病女語 第七 今は昔、典薬頭(てんやくのかみ・医薬のことをつかさどる典薬寮の長官)□□という人がいました。 医薬の道については、すぐれた医師(くすし)であるので、公私にわたって重んじられていました。 ある年の七...
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巻二十四第六話 碁打ち・寛蓮の話

巻24第6話 碁擲寛蓮値碁擲女語 第六 今は昔、第六十代醍醐天皇の御代に、碁勢(ごせい)と寛蓮(かんれん)という、碁の名人である二人の僧がいました。 寛蓮は家柄も卑しくなく、宇多院の殿上法師であったので、天皇も常に召して碁のお相手になさ...
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巻二十四第五話 百済川成が飛弾の工に挑んだ話 

巻24第5話 百済川成飛騨工挑語 第五 今は昔、百済川成(くだらのかわなり)※1と呼ばれる絵師がいました。世に並ぶものが無いほどの名人でした。滝殿(たきどの)※2の石もこの川成が設計したものです。同じ御堂の壁の絵も、この川成が描いたもので...
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