巻十九

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巻十九第二十三話 師の遺言を守って死んだ流浪の弟子の話

巻19第23話 般若寺覚縁律師弟子僧信師遺言語 第廿三 今は昔、般若寺という寺に、覚縁律師という人がありました。もとは東大寺の僧であり、千攀僧都という人の弟子として、優れた学生でした。のちに東寺の僧となり、広沢流の寛朝僧正という人の弟子と...
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巻十九第二十二話 そうめんが蛇に変わった話

巻19第22話 寺別当許麦縄成蛇語 第廿二 今は昔、□寺の別当に□という僧がありました。僧のすがたをしていましたが。よこしまな心をもち、毎日京中の人を集めて遊び戯れ、酒を呑み、魚類を食べることに明け暮れ、して、いささかも仏事を営むことはあ...
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巻十九第二十一話 酒に棲む無数の蛇の話

巻19第21話 以仏物餅造酒見蛇語 第廿一 今は昔、比叡山の僧がありました。山にいてもうだつがあがらないので、山を去り、もとの生土(うぶすな、地元)の摂津の国(大阪府と兵庫県)で、妻をもうけて暮らしていました。里で法事や仏経の供養などがあ...
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巻十九第二十話 別当の娘とつきあうのをやめた話

巻19第20話 大安寺別当娘許蔵人通語 第二十 今は昔、大安寺の別当の娘で美麗で姿のうるわしい娘がありました。彼女のもとに、蔵人の□という者が、忍んで毎晩通っておりました。たがいに愛しく、去り難く相思っておりましたから、時には昼もとどまっ...
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巻十九第十九話 山中で死んだ僧に出会った話

巻19第19話 東大寺僧於山値死僧語 第十九 今は昔、東大寺に住んでいる僧がありました。(仏にそなえるための)花を摘むため東の奥山に入り、道をあやまって迷ってしまいました。 谷と谷にはさまれた道を、どことも知れず、夢のように思いながら歩...
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巻十九第十八話 下ネタ連発で皇后を愚弄した僧侶の話

巻19第18話 三条太皇大后宮出家語 第十八 今は昔、三条の太皇大后宮(藤原遵子、四条が正しい)は、三条の関白太政大臣(藤原頼忠)の娘でした。 円融天皇の后となり、たいへんに時めいていましたが、やがて年月が積もり、老を重ねました。「出家...
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巻十九第十七話 みやびな暮らしをなつかしんだ大斎院の話

巻19第17話 村上天皇御子大斎院出家語 第十七 今は昔、大斎院(選子内親王)と申す方は村上天皇の御子であり、円融天皇の御妹でありました。その御代に(賀茂の)斎院となられました。世にもすばらしく趣ぶかい方でしたから、斎院には上達部や殿上人...
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巻十九第十六話 譲位せず崩御した天皇(欠話)

巻19第16話 顕基中納言出家受学真言語 第十六(欠文) 【解説】草野真一 源顕基の出家を語る。譲位せず亡くなった後一條天皇の崩御に際しての出家であった。『発心集』『十訓抄』『古今著聞集』などに記された記事と同じ内容と思われる。 ...
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巻十九第十五話 公任の大納言、出家して長谷に住む(欠話)

巻19第15話 公任大納言出家籠居長谷語 第十五 【解説】 柳瀬照美 本話は表題だけ留める本文欠話。当初よりの欠脱かと思われる。 藤原公任(ふじわらのきんとう)は、漢詩・管弦・有職に長じた歌人。藤原道長に対して才能を誇示した『三舟の...
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巻十九第十四話 人殺しの悪人が僧になって旅する話(マンガリンクあり)

巻19第14話 讃岐国多度郡五位聞法即出家語 第十四 今は昔、讃岐国多度の郡(香川県善通寺市)に、源大夫という人がありました。名はわかりません。とても猛々しい人で、殺生を生業としていました。日夜朝暮に山野に行っては鹿鳥を狩り、川海に行って...
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巻十九第十三話 雪の歌を詠み出家した男の話

巻19第13話 越前守藤原孝忠侍出家語 第十三 今は昔、越前(福井県北部)の守・藤原孝忠という人がありました。任国にあるころ、とても貧しい侍で、昼夜をおかず熱心に勤める者がありました。冬であっても、帷(かたびら、夏の衣服)だけを着ていまし...
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巻十九第十二話 余命いくばくもない老人が仏となる話

巻19第12話 於鎮西武蔵寺翁出家語 第十二 今は昔、仏道を修行するため、諸国を旅する僧がありました。鎮西(九州)を流浪しているとき、□国の□坂という所に、道祖神(さいのかみ)がありました。僧はその道祖神の祠のあたりで宿をとりました(野宿...
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巻十九第十一話 観音と呼ばれ出家した狩人の話

巻19第11話 信濃国王藤観音出家語 第十一 今は昔、信乃国(信濃国、長野県)に、筑摩の湯という湯がありました。人々はこれを薬湯と呼び、訪れては(治癒のために)浴びていきました。 あるとき、その里の人が夢を見ました。夢に人があらわれ、告...
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巻十九第十話 腐乱した妻の遺体と出家した夫の話

巻19第10話 春宮蔵人宗正出家語 第十 今は昔、□天皇が春宮(とうぐう、皇太子)でいらっしゃるときに、蔵人(くろうど、秘書)として、宗正という者が仕えていました。若く美しく、まっすぐな心を持っていたので、春宮は親愛の情を抱き、なにかにつ...
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巻十九第九話② 若君の死(出家した侍②)

(①より続く) 巻19第9話 依小児破硯侍出家語 第九 若君が乳母の家に行き着いて見ると、とても荒れた狭い小宅でした。感じたことのない心地で、おそろしく心細くすごしました。夕暮れ、若君は心苦しげな様子で、独り言に詠みました。 こころか...
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