巻二(全)

巻二第十八話 過去の善行によってミャンマーの王となった人の話

巻2第18話 金地国王詣仏所語 第(十八) 今は昔、天竺の南の方に、金地国(ミャンマー)という国がありました。その国に摩訶劫賓那(まかこうれいな)という王がありました。王は聡明で智恵があり、強い力と勇猛な心を持っていました。意気さかんな四...
巻二十五(全)

巻二十五第十一話 源頼信、盗人を説得する

巻25第11話 藤原親孝為盗人被捕質依信頼言免語 第十一 今は昔、河内守(かわちのかみ・現在の大阪府東部の国司)源頼信朝臣(みなもとのよりのぶのあそん)が上野守(こうずけのかみ・現在の群馬県の国司)としてその任国にいたころ、その乳母子(め...
巻六(全)

巻六第十五話 鉢の中に浄土がひろがっていた話

巻6第15話 震旦悟真寺恵鏡造弥陀像生極楽語 第十五 今は昔、震旦の都(長安)に、悟真寺という寺がありました。その寺に恵鏡という僧がおりました。淄州の人です。出家後は常に粗食に甘んじ、常に修行しておりました。 恵鏡は彫刻の才があり、釈迦...
巻三

巻三第三話 目連が空を飛び多くの世界を訪れた話

巻3第3話 目連為聞仏御音行他世界語 第三 今は昔、仏の御弟子の目連(モッガラーナ)尊者は神通力が一番の御弟子でした。諸々の御弟子や比丘に「我々は仏のお声を所々で聞くが、常に同じ声でただおそばで聞いているようだ。そこで、私は神通力をもって...
巻二十九

巻二十九第二十話 盗賊にメッタ刺しにされた博士の話

巻二十九第二十話 盗賊にメッタ刺しにされた博士の話 巻29第20話 明法博士善澄被殺強盗語 第二十 今は昔、明法博士(みょうほうはかせ)※1で助教(じょきょう)※2の清原善澄(きよはらのよしみず)という人がいました。学才は並ぶ者がなく...
巻二十九

巻二十九第十九話 大盗・袴垂、死んだふりをして人を殺す

巻29第19話 袴垂於関山虚死殺人語 第十九 今は昔、袴垂(はかまだれ)という盗人がいました。盗みを仕事としていたので、捕えられて牢獄につながれましたが、大赦(たいしゃ・ほとんどの罪人を赦免すること)に浴して出獄したものの、頼って行く所も...
巻二(全)

巻二第十七話 塔を修治した金色に輝く子の話

巻2第17話 迦毗羅城金色長者語 第(十七) 今は昔、天竺の迦毗羅城(かぴらじょう、釈尊の出身地カピラバストゥ)に、長者がありました。その家は大いに富み、はかることもできないほど財宝がありました。その家に一人の男子が生まれました。その児は...
巻六(全)

巻六第十四話 身代わりに雷を受けた仏の話

巻6第14話 震旦幽州都督張亮値雷依仏助存命語 第十四 今は昔、震旦の幽州の都督(地方官)に張亮という人がありました。府の長吏(官吏)でした。仏法を貴び、信じていました。 この人が以前、寺に入ったとき、仏の身長を計ってみると、自分と同じで...
巻二十五(全)

巻二十五第十話 主君でない者に殺人を命じられた平貞道の話

巻25第10話 依頼信言平貞道切人頭語 今は昔、源頼光朝臣(みなもとのよりみつあそん)の家に多くの客が集まって酒宴をしていましたが、その中に、弟の頼信朝臣(よりのぶあそん)も来ていました。その頼光朝臣の郎等に、平貞道(たいらのさだみち)と...
巻二十(全)

巻二十第二十八話 兎を捕らえ皮をはぎ殺した男の話

巻20第28話 大和国人捕菟感現報語 第廿八 今は昔、大和国(奈良県)□郡に住む人がありました。荒々しい心をもち、あわれみの心はありませんでした。好んで昼夜に生命を殺し、それを仕事にしていました。 あるとき、この人は野で兎をとらえて、生き...
巻二十六

巻二十六第五話② 継母の陰謀(埋められた児の話②)

巻26第5話 陸奥国府官大夫介子語 第五 (①より続く) 夫はこれを聞くと、鼻で笑って言いました。 「おまえは、さも難しいところであり、大事なことであるように言うなあ。私にまかせておけ。御前(継母)さえ許していただければ、誰がした...
巻十一(全)

巻十一第五話 優れた僧・道慈と経論を発見した神叡の話

巻11第5話 道慈亙唐伝三論帰来神叡在朝試語 第五 今は昔、聖武天皇の御代に、道慈・神叡という二人の僧がありました。 道慈は大和国の添下の郡(奈良県生駒市)の人、俗姓は額田の氏です。心智り広く、法の道を学ぶに明るく、法を深く学び伝えるため...
巻六(全)

巻六第十三話 刺された男が縫いつけのある仏に助けられた話

巻6第13話 震旦李大安依仏助被害得活 第十三 今は昔、震旦の隴西に、李大安という人がありました。工部尚書(唐の役人、長官)大亮という人の兄です。武徳年間(西暦616~626、唐の時代)に、弟の大亮は、越州の総官を任じられました。兄の大安...
巻十七(全)

巻十七第三十話 予言どおりに縁日に死んだ僧の話

巻17第30話 下野国僧依地蔵助知死期語 第三十 今は昔、下野国(栃木県)に薬師寺という寺がありました。戒壇(解説参照)の置かれた寺で、とてもありがたい寺でした。その寺に一人の堂童子の僧があり、名を蔵縁と申しました。その僧はずっと地蔵菩薩...
巻二十九

巻二十九第十八話 羅城門の老婆の話(芥川龍之介『羅生門』元話)

巻29第18話 羅城門登上層見死人盗人語 第十八 今は昔、摂津の国(大阪府)から、盗みをするために京に入ってきた男がありました。 羅城門に至りましたが、日が暮れる前だったので、まだ朱雀大路(京のメインストリート)の方に向かっていく人が多くあ...
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