巻二十五(全)

巻二十五第十三話 前九年の役(その2)

巻25第13話 源頼義朝臣罸安陪貞任等語 第十三 (巻二十五第十三話より続く) その後、守は兵を休息させようと、あえて追撃しませんでした。また、長雨のため、十八日間ここに留まりました。その間、兵粮が底を尽き、食べ物がなくなりました。守は多...
巻二十五(全)

巻二十五第十三話 前九年の役(その1)

巻25第13話 源頼義朝臣罸安陪貞任等語 第十三 今は昔、後冷泉院(ごれいぜいいん・後朱雀天皇の第一皇子で、母は藤原道長の娘・嬉子)の御代に、奥州六郡(胆沢・和賀・江刺・稗貫・斯波・岩手)の内に安陪頼良(あべのよりよし)という者がいました...
巻六(全)

巻六第十九話 地獄に堕ちた人々を救った仏像の話

巻6第19話 震旦并州道如造弥陀像語 第十九 今は昔、震旦の并州に、道如という僧がありました。晋陽の人です。道綽法師の孫弟子にあたります。慈悲深く、すべての人をあわれむ心がありました。 往生浄土の業を修しましたが、自分よりまず他を救いたい...
巻十九

巻十九第十話 腐乱した妻の遺体と出家した夫の話

巻19第10話 春宮蔵人宗正出家語 第十 今は昔、□天皇が春宮(とうぐう、皇太子)でいらっしゃるときに、蔵人(くろうど、秘書)として、宗正という者が仕えていました。若く美しく、まっすぐな心を持っていたので、春宮は親愛の情を抱き、なにかにつ...
巻十一(全)

巻十一第十一話 慈覚大師円仁が追われ毒を飲まされる話

巻11第11話 慈覚大師亙唐伝顕密法帰来語 第十一 今は昔、承和の御代(西暦834年~848年)に慈覚大師という聖がありました。俗姓は壬生の氏、下野国都賀の郡(栃木県小山市・都賀郡)の人です。 誕生のとき、家を紫の雲がおおいました。そのこ...
巻十七(全)

巻十七第三十三話② 目覚めると女が消えていた話

(①より続く) 巻17第33話 比叡山僧依虚空蔵助得智語 第卅三 それから、僧は学問につとめて、日夜怠りませんでした。「あの人に会いたい」と思う気持ちが、頭を焦がす炎のように思えて、心を尽くし肝を砕いて学問しました。二年ばかり経つと、学生...
巻十七(全)

巻十七第三十三話① 比叡山の僧が女のために真剣に学びはじめる話

巻17第33話 比叡山僧依虚空蔵助得智語 第卅三 今は昔、比叡山に若い僧がありました。出家してから、学問の志はあったのですが、遊び戯れることに夢中になり、学問することはありませんでした。わずかに法華経を受け習うばかりでした。とはいえ、まっ...
巻十一(全)

巻十一第十話 伝教大師最澄が天台の教えを広めた話

巻11第10話 伝教大師亙唐伝天台宗帰来語 第十 今は昔、桓武天皇の御代に、伝教大師という聖がありました。俗姓は三津の氏、近江の国志賀郡(滋賀県大津市)の人です。幼いときより賢く、七歳になるころには、明らかな智恵があり、多くのことを知...
巻三

巻三第四話 閉じこもった舎利弗の話

巻3第4話 舎利弗攀縁暫籠居語 第四 今は昔、天竺にて、仏の御弟子達がそれぞれの場所で安居修行を終えて仏の御前に参集なさったとき、舎利弗(サーリプッタ)と羅睺羅(ラーフラ)が御前に来られてその左右にお座りになりました。仏は羅睺羅に「私の弟...
巻二(全)

巻二第二十二話 常に頭上に傘がある人の話

巻2第22話 常具天蓋人語 第(廿二) 今は昔、天竺に一人の人がありました。その人の頭上には、常に天蓋(傘)がありました。人々はこれを奇異に思い、仏にたずねました。この人はどんな行いをしたために、常に頭上に天蓋があるのですか」 仏は説きま...
巻十一(全)

巻十一第九話② 弘法大師空海が大日如来となった話

(①より続く) 巻11第9話 弘法大師渡唐伝真言教帰来語 第九 ちょうどそのとき、遣唐大使として、越前の守正三位藤原朝臣葛野麻呂(かどのまろ)という人が唐にわたることになりました。ともに海の道三千里を行くことになりました。 まず蘇...
巻十一(全)

巻十一第九話① 弘法大師空海が真言を学ぶことを決意した話

巻11第9話 弘法大師渡唐伝真言教帰来語 第九 今は昔、弘法大師という聖がありました。俗姓は佐伯の氏、讃岐の国多度の郡屏風の浦(香川県善通寺市)の人です。母である阿刀の氏は、聖人があらわれて胎の中に入る夢を見て懐妊し、大師を生みました。 ...
巻二(全)

巻二第二十一話 智恵の眼を得た天人の話

巻2第21話 天人聞法得法眼浄語 第(廿一) 今は昔、仏が祇園精舎にいらっしゃるとき、天人が一人、下り来たりました。 仏はこの天人を見て、四諦の法を説き聞かせました。天人はこの法を聞くと、たちまちに法眼浄(真理を見通す智恵の眼)を得ました...
巻十七(全)

巻十七第三十二話 上総守時重、法華経を読誦して地蔵の助けを受ける

巻17第32話 上総守時重書写法花蒙地蔵助語 第卅二 今は昔、上総守(かずさのかみ・現在の千葉県中央部の国司)藤原時重朝臣(ふじわらのときしげのあそん)という人がいました。かの国の国司(上総国は親王任国なので、臣下の守はないが、介を守と通...
巻三十一

巻三十一第三十三話 空に去っていった娘の話(かぐや姫の物語)

巻31第33話 竹取翁見付女児養語 第卅三 今は昔、ひとりのおじいさんがおりました。竹を取って籠をつくり、それを売って生活していました。 おじいさんがいつものように籠をつくろうと竹の林に入っていくと、光る竹がありました。竹の節の中には、三寸...
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