巻二十三(全)

巻二十三第十九話 比叡山の実因僧都の怪力

巻23第19話 比叡山実因僧都強力語 第(十九) 今は昔、比叡山の西塔に実因僧都(じついんそうず)という人がいました。小松の僧都とも言われていました。顕教・密教の双方に達した人でした。その上、たいへん力の強い人でありました。 ある日、僧都...
巻六(全)

巻六第二十話 鬼神も死もおそれず旅だった人の話

巻6第20話 江陵僧亮鋳弥陀像語 第二十 今は昔、震旦の江陵に僧がありました。名を僧亮といいます。極楽浄土をを願う心が深く、「阿弥陀仏の丈六(一丈六尺、約4.85メートル。仏像にもっとも適当とされる大きさ)の像をつくりたい」と考えました。...
巻二十(全)

巻二十第三十二話 飢えた母と報いを受けて死んだ娘の話

巻20第32話 古京女為母依不孝感現報語 第卅二 今は昔、古京の時(都が奈良にあったころ)、一人の女がありました。孝養の心をもたず、母を養いませんでした。 母は寡婦で貧しく食がなく、飯を炊くことができなかったとき、思いました。 「娘の...
巻十七(全)

巻十七第三十四話 柴の木に弥勒菩薩があらわれた話

巻17第34話 弥勒菩薩化柴上給語 第卅四 今は昔、近江の国坂田の郡の表江の里(滋賀県米原市)に人がありました。家は大きく富み、多くの財を持っていました。「瑜伽論という法文を書写する」と願を発しましたが、公私にわたり忙しかったので、その願...
巻十一(全)

巻十一第十二話② 智証大師円珍が大陸の火事を鎮めた話

(①より続く) 巻11第12話 智証大師亙唐伝顕密法帰来語 第十二 和尚は本意のとおり天台山に登り、禅林寺で定光禅の菩提樹を礼拝しました(智顗による植樹があったか)。また、天台大師(智顗)が眠っている墳墓に礼しました。禅林寺は、天台大師の...
巻十一(全)

巻十一第十二話① 智証大師円珍が金色の不動尊を得た話

巻11第12話 智証大師亙唐伝顕密法帰来語 第十二 今は昔、文徳天皇の御代に、智証大師(円珍)という聖がありました。俗姓は和気の氏。讃岐の国那珂の郡金倉の郷(香川県丸亀市)の人です。 父は財産家で、母は佐伯の氏、高野の弘法大師(空海)の姪...
巻二十三(全)

巻二十三第十八話 尾張の小女の怪力話

巻23第18話 尾張国女取返細畳語 第(十八) 今は昔、聖武天皇の御代、尾張国中島郡(おわりくになかしまのこおり)に尾張久坂利(おわりのくさかり)という者がいました。この郡の大領(だいりょう・長官)です。妻は同国愛智郡片輪郷の者で、道場法...
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4-27 Bhāviveka enters a cave of venomous serpents in darkness

Once upon a time, there lived a Buddhist philosopher called Dharmapala Bodhisattva. He was a disciple of Vasubandhu Bod...
巻二十(全)

巻二十第三十一話 母を責めて狂気に死んだ男の話

巻20第31話 大和国人為母依不孝得現報語 第卅一 今は昔、大和国添の上の郡(奈良県奈良市)に住む人がありました。字を瞻保(みやす)と言いました。朝廷につかえる学生(官僚候補生)でした。明け暮れ書物を学んでいましたが、心に智はありませんで...
巻二十三(全)

巻二十三第十七話 尾張の小女が美濃の大女をこらしめる話

巻23第17話 尾張国女伏美濃狐語 第十七 今は昔、聖武天皇の御代に美濃国方県郡(みののくにかたがたのこおり・現在の岐阜県稲葉郡と本巣郡)小川の市(おがわのいち・岐阜県稲葉郡黒崎村古市場)に非常に力の強い女がいました。たいへんな大女です。...
巻二(全)

巻二第二十三話 王より豊かな長者の話

巻2第23話 樹提伽長者福報語 第(廿三) 今は昔、天竺の国王の宮の前に、車輪のように大きな花や手巾(たのごい、手ぬぐい)が降ってきました。国王はこれを見て、大臣や公卿とともに喜び、言いました。「天がわれわれの国を感心なさって、花と手巾を...
巻二十五(全)

巻二十五十四話 後三年の役(欠話)

巻25第14話 源義家朝臣罸清原武衡等語 第十四(欠文) 【解説】 柳瀬照美 本話は表題だけをとどめる。表題から、後三年の役の顛末を記す予定だったもの。これによって、頼信・頼義・義家と清和源氏の嫡流の武功が代を追って列記されることになるは...
巻二十五(全)

巻二十五第十三話 前九年の役(その2)

巻25第13話 源頼義朝臣罸安陪貞任等語 第十三 (巻二十五第十三話より続く) その後、守は兵を休息させようと、あえて追撃しませんでした。また、長雨のため、十八日間ここに留まりました。その間、兵粮が底を尽き、食べ物がなくなりました。守は多...
巻二十五(全)

巻二十五第十三話 前九年の役(その1)

巻25第13話 源頼義朝臣罸安陪貞任等語 第十三 今は昔、後冷泉院(ごれいぜいいん・後朱雀天皇の第一皇子で、母は藤原道長の娘・嬉子)の御代に、奥州六郡(胆沢・和賀・江刺・稗貫・斯波・岩手)の内に安陪頼良(あべのよりよし)という者がいました...
巻六(全)

巻六第十九話 地獄に堕ちた人々を救った仏像の話

巻6第19話 震旦并州道如造弥陀像語 第十九 今は昔、震旦の并州に、道如という僧がありました。晋陽の人です。道綽法師の孫弟子にあたります。慈悲深く、すべての人をあわれむ心がありました。 往生浄土の業を修しましたが、自分よりまず他を救いたい...
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