巻六(全)

巻六第六話① 般若心経を得た三蔵法師の話

巻6第6話 玄奘三蔵渡天竺伝法帰来語 第六 今は昔、唐の玄宗皇帝の時代、震旦に、玄奘法師という聖人がありました。 天竺に至る道の途上、広野を歩んでいるとき、日が暮れてしまいました。宿泊するところもなかったので、ただ足に任せて歩いていくと、...
巻十七(全)

巻十七第二十七話 立山の地獄に堕ちた女の話

巻17第27話 堕越中立山地獄女蒙地蔵助語 第廿七 今は昔、仏の道を修行する僧がありました。名を延好といいます。 越中の国(富山県)立山(飛騨山脈/北アルプス)に参って籠もっているとき、丑の時(午前二時)ごろ、人の影のような者が出てきまし...
巻二十七(全)

巻二十七第四十話 狐が守り神となった話

巻27第40話 狐託人被取玉乞返報恩語 第四十 今は昔、もののけがとりつく病にかかった人がありました。もののけは巫女の口を借りて言いました。 「おれは狐だ。たたりのために来たのではない。ただ、『こういうところにはおいしい食べ物がたくさんある...
巻二十七(全)

巻二十七第三十九話 狐が人妻に化けて家に来た話

巻27第39話 狐変人妻形来家語 第卅九 今は昔、今日にいた雑色(ぞうしき)の男の妻が、夕暮れ時の暗くなって来た頃に、用事があって大路を出た所、大分長いこと帰ってこなかったので、夫は、「どうしてこんな遅くになってるのに帰ってこないんだ」と...
巻二十七(全)

巻二十七第三十八話 女に化けて誘惑した狐の話

巻27第38話 狐変女形値播磨安高語 第卅八 今は昔、播磨国(兵庫県)に安高という近衛舎人(このえとねり、*1)がいました。右近の将監(*2)であった貞正の子です。法建院の御随人(みずいじん、*3)を務めていて、安高がまだ若かった頃に、殿...
巻二十七(全)

巻二十七第三十七話 狐が大きな杉の木に変身して射殺された話

巻27第37話 狐変大椙木被射殺語 第卅七 今は昔、□□の頃、春日神社の宮司であった中臣□□という者がいました。彼の甥に中大夫□という者がいました。彼の馬が、草を食んでいる間に見えなくなったので、馬を探して中大夫は従者を一人連れて、自らは...
巻二十(全)

巻二十第二十五話 乞食を打って報いを受けた人の話

巻20第25話 古京人打乞食感現報語 第廿五 今は昔、奈良に都があった時代、一人の人がありました。愚かな心をもち、因果(仏の教え)をまったく信じませんでした。 ある日、乞食の僧がやってきて、その人の居室に至りました。その人は乞食を見ておお...
巻三十(全)

巻三十第十四話 白鳥となって飛び消えた妻の話

巻30第14話 人妻化成弓後成鳥飛失語 第十四 今は昔、□□の国□□の郡に住んでいる男がありました。その妻は美しくうるわしくすばらしい姿をしていたために、男は離れがたく感じ、ともに住んでいました。ある日、妻と同衾しているとき、男は夢を見ま...
巻六(全)

巻六第五話 仏教を中国に伝えた鳩摩羅什とその父の話

巻6第5話 鳩摩羅焔奉盗仏伝震旦語 第五 今は昔、仏が摩耶夫人(まやぶにん、釈尊の実母)を教化するため忉利天(とうりてん)に昇り、九十日間滞在することがありました。天竺の優填王(うでんおう、ウダヤナ)は仏の不在をかなしみ、仏を恋い、赤...
巻二十三(全)

巻二十三第十六話 橘季通の逃走

巻23第16話 駿河前司橘季通構逃語 第(十六) 今は昔、駿河前司(するがのぜんじ・現在の静岡県中央部の前の国司)橘季通(たちばなのすえみち)という人がいました。この人が若いとき、自分の仕えている家ではない、さる高貴な家の女房と深い仲にな...
巻二十三(全)

巻二十三第十五話 橘則光、かたり男に功を譲る

巻23第15話 陸奥前司橘則光切殺人語 第(十五) 今は昔、陸奥前司(むつのぜんじ・東北地方の前の国司)橘則光(たちばなののりみつ)という人がいました。武人の家の出身ではないですが、きわめて豪胆で思慮深く、腕力などが非常に強いのでした。容...
巻二十七(全)

巻二十七第三十六話 山中の無人の小屋で葬列を見た話

巻27第36話 於播磨国印南野殺野猪語 第卅六 今は昔、西国から飛脚として上京してきた男がいました。昼夜をとおしてたった一人で京に向かって走り続けていましたが、播磨国(兵庫県)の印南野(いなみの)を通りかかった時に日が暮れました。一夜の宿...
巻二十七(全)

巻二十七第三十五話 死人を訪れる怪異を退治した兄弟の話

巻27第35話 有光来死人傍野猪被殺語 第卅五 今は昔、□□国の□□郡に兄弟が住んでいました。二人とも勇ましい心の持ち主で、思慮分別がありました。 そうする間、兄弟の親が亡くなったので、棺に入れて蓋を閉め、離れた一間に置きました。葬...
巻二十(全)

巻二十第二十四話 銭を惜しんで毒蛇になった僧の話

巻20第24話 奈良馬庭山寺僧依邪見受蛇身語 第廿四 今は昔、奈良に馬庭山寺という寺がありました。その山寺に、一人の僧が住んでいました。長くその寺でねんごろに勤め行っておりましたが、智りは得られず、邪見の心が深く、物を惜しんで人に与えるこ...
巻三十(全)

巻三十第十三話 夫をなくし再婚を拒んだ女の話

巻30第13話 夫死女人後不嫁他夫語 第十三 今は昔、□の国□の郡に住む親が、娘に夫を持たせました。ほどなくして夫が亡くなったので、親は他の男と結婚させようとしました。娘はこれを知って、母に言いました。 「私に夫とともにいる宿世(運命)が...
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