巻四(全)巻四第十二話 いつわりの託宣をした神官の話 巻4第12話 羅漢比丘教国王太子死語 第十二 今は昔、天竺に小国がありました。その国では神のみを信じて、仏法を信じませんでした。 国王には、一人の皇子がありました。王は他に子がありませんでしたから、皇子をまるで宝石を愛でるように愛し... 2020.11.02巻四(全)
巻四(全)巻四第十一話 打たれた児と南海のコウモリの話 巻4第11話 天竺羅漢比丘値山人打子語 第十一 今は昔、天竺に羅漢(聖者)の僧がありました。ある日、羅漢はひとりの山人(木こりなどして山で生活する人)と出会いました。山人は幼い童子をつれていて、ムチで打ち、哭(な)かせていました。 羅漢... 2020.08.31巻四(全)
今昔物語集について貨幣経済、ボランティア、テクノロジーそして千年の心 『今昔物語集』が書かれた時期は、貨幣経済がほとんどなかった時代です。 このテーマは歴史学者・網野善彦の著書にくりかえし出てきます。 じゃあ下の話はどう説明つけんのさと食ってかかりたくなりますが、当時は文盲率が驚くほど高かったですから... 2018.04.03今昔物語集について
巻四(全)巻四第十話 心に仏を宿した僧の話 巻4第10話 天竺比丘僧沢観法性生浄土語 第十 今は昔、中天竺に比丘(僧)がありました。名を僧沢といいます。怠け心がとても強く、愚か者でした。比丘の姿をしていましたが、まともに修行したことがありません。経や真言もまったく知らず、ただ寺に住... 2020.08.02巻四(全)
巻四(全)巻四第九話② 強盗に襲われた僧と狂人を装う僧の話 巻4第9話 天竺陀楼摩和尚行所々見僧行語 第九 (①より続く) 陀楼摩(だるま)和尚は山のふもとの人里に宿をとりました。 夜がふけたころ、叫び声が聞こえました。 「強盗だ! 強盗が私を殺そうとしている。年来貯えていた財宝は、みな奪わ... 2020.07.24巻四(全)
巻四(全)巻四第九話① 碁を打つ老僧の話 巻4第9話 天竺陀楼摩和尚行所々見僧行語 第九 今は昔、陀楼摩(だるま)和尚という聖人がいらっしゃいました。天竺のすべての場所に赴き、あらゆる比丘(僧侶)のおこないを見て、世に伝えました。 ある大きな寺に詣でたときのことです。ある僧房で... 2020.07.23巻四(全)
このプロジェクトについて【協力】クレジットに関して(援助について) このプロジェクトへの経済的援助を求めます。 経済的援助とは、「スタッフとして参加はできないが、ヘルプはする」というスタンスでご協力いただくことです。 援助いただいた方は、【協力】としてクレジットいたします。 個人的には、こ... 2018.02.21このプロジェクトについて
巻五(全)巻五第四話 女を背負った一角仙人が山から王宮にやってくる話 巻5第4話 一角仙人被負女人従山来王城語 第四 今は昔、天竺に一角仙人という仙人がありました。額に角がひとつ生えていたことから、そのように呼ばれていました。 山奥で長いこと修行を積んでいました。雲に乗って空を飛び、高い山を動... 2018.07.15巻五(全)
このプロジェクトについてあなたの功績は1000年残る。 あなたが華族の血筋なら別ですが、そうでないかぎり墓は100年もちません。 あなたの周囲に100年以上残ってる墓がありますか? ほとんどないはずだし、あっても誰が入ってるかわからないはずです。 つまり、墓というモニュメントは、あなた... 2018.02.21このプロジェクトについて
巻四(全)巻四第八話 ニセの仏を拝み泣いた聖人の話 巻4第8話 優婆崛多降天魔語 第八 今は昔、天竺に、優婆崛多(うばくった、ウパグプタ)という悟りに至った羅漢(聖者)がありました。人を利益すること、仏のようでした。法を説き、多くの人を教化しました。その法を聞くと、皆が利益を得て、罪を滅し... 2020.06.25巻四(全)
巻四(全)巻四第七話 仏を知る老女の話 巻4第7話 優婆崛多会波斯匿王妹語 第七 今は昔、天竺に、優婆崛多(うばくった、ウパグプタ)という悟りに至った羅漢(聖者)がありました。 仏が涅槃に入って(亡くなって)後の人ですから、仏の教えを実際に受けたことはありません。とても恋しく... 2020.06.01巻四(全)
巻七巻七第二話 死者の右手が光を放ち、蘇生した話 巻7第2話 唐高宗代書生書写大般若経語 第二 (巻七第二話 閻魔大王の裁きを待つ書記生の右手が写経の功徳で大光明を放ち、蘇生を許された話) 今は昔、震旦の唐の高宗の治世、乾封元年に、ひとりの書生がおりました。重病にかかってたちまち絶命し... 2018.01.18巻七
巻四(全)巻四第六話 美女に化けて弟子を誘惑する話 巻4第6話 天竺優婆崛多試弟子語 第六 今は昔、天竺に、仏が涅槃に入ってから百年ほどたって、優婆崛多(うばくった、ウパグプタ)という悟りに至った羅漢(聖者)がありました。 その弟子に一人の比丘(僧)がありました。優婆崛多がどう考えていた... 2020.04.24巻四(全)
今昔物語集について芥川龍之介、『今昔物語集』を語る 芥川初期の代表作『鼻』『芋粥』『羅生門』は『今昔物語集』に材をとっている。 『羅生門』は黒澤明が映画にし、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、アカデミー賞特別賞を受賞した。「世界のクロサワ」と呼ばれるようになったのはこの後だ。 ……と、ウンチク... 2017.12.21今昔物語集について
巻四(全)巻四第五話 大王が築いた地獄の話 巻4第5話 阿育王造地獄堕罪人語 第五 今は昔、天竺に阿育王(あそかおう、アショーカ王)という王がありました。王は地獄をつくり、国内の罪人を収容しました。近寄った人は決して戻ることはなく、かならず地獄に入れました。 そのころ、とても尊い... 2020.04.08巻四(全)