巻十一(全)

巻十一第三十七話 龍門寺を建てた話(欠話)

巻11第37話 □始建龍門寺語 第卅七(欠文) 【解説】草野真一 吉野の龍門山は古くから神仙境とされ、女の色香に惑って能力を失った久米仙人は龍門寺で修行している(巻11第24話)。 一時は数々の堂宇を備えた大寺として栄えたが、次第に勢力...
巻二十四(全)

巻二十四第五十四話 好色漢の親王と身持ちの堅い女の話

巻24第54話 陽成院之御子元良親王読和歌語 今は昔、陽成天皇の御子に元良親王(もとよしのしんのう)と申す方がおられました。 たいそうな色好みでいらっしゃったので、当時の女で美人の聞こえある者には、すでに会ったことのある者であろうとなか...
巻十四

巻十四第八話 地獄に母をさがした三人の子の話

巻14第8話 越中国書生妻死堕立山地獄語 第八 今は昔、越中の国(富山県)に書生(書記官)がありました。三人の男子があり、毎日国府(国司の役所)に出かけて公事を勤めておりました。 あるとき、書生の妻がとつぜん病にかかり、何日かわずらって...
巻十一(全)

巻十一第三十六話 山の頂に五色の雲を見た話(信貴山縁起)

巻11第36話 修行僧明練始建信貴山語 第卅六 今は昔、仏道を修行する僧がありました。名を明練(命蓮)といいます。常陸の国(茨城県)の人です。心に深く仏の道を願って、故郷の国を捨て、霊験で名高い地を転々として修行するうち、大和国(奈良県)...
巻二十六(全)

巻二十六第十五話 金の採掘者が姿を消した話

巻26第15話 能登国掘鉄者行佐渡国掘金語 第十五 今は昔、能登国(石川県)は、鉄(くろがね)の䥫(すがね、鉱石)を採掘し、国司におさめていました。 六人組の採掘者があって、長(おさ)が仲間に話しました。 「佐渡の国(新潟県佐渡市)に...
巻九

巻九第三話 血を流す母の木像と殺された隣人の話

巻9第3話 震旦丁蘭造木母致孝養語 第三 今は昔、震旦(中国)の漢の時代、河内(河南省)に丁蘭という人がありました。幼少のとき、母をなくしました。 十五歳になるとき、丁蘭は母のすがたを恋い、工人に母の木像をつくらせました。帳(とばり)の...
巻十一(全)

巻十一第三十五話 馬が見つけた毘沙門天(鞍馬寺の由来)

巻11第35話 藤原伊勢人始建鞍馬寺語 第卅五 今は昔、桓武天皇の御代に、従四位の藤原伊勢人という人がありました。心は賢く智恵深い人でした。 そのころ、天皇は東寺を建造されていました。伊勢人はその行事(造営責任者)でしたが、心の中では思...
巻十九

巻十九第十九話 山中で死んだ僧に出会った話

巻19第19話 東大寺僧於山値死僧語 第十九 今は昔、東大寺に住んでいる僧がありました。(仏にそなえるための)花を摘むため東の奥山に入り、道をあやまって迷ってしまいました。 谷と谷にはさまれた道を、どことも知れず、夢のように思いながら歩...
巻十九

巻十九第十八話 下ネタ連発で皇后を愚弄した僧侶の話

巻19第18話 三条太皇大后宮出家語 第十八 今は昔、三条の太皇大后宮(藤原遵子、四条が正しい)は、三条の関白太政大臣(藤原頼忠)の娘でした。 円融天皇の后となり、たいへんに時めいていましたが、やがて年月が積もり、老を重ねました。「出家...
巻十九

巻十九第十七話 みやびな暮らしをなつかしんだ大斎院の話

巻19第17話 村上天皇御子大斎院出家語 第十七 今は昔、大斎院(選子内親王)と申す方は村上天皇の御子であり、円融天皇の御妹でありました。その御代に(賀茂の)斎院となられました。世にもすばらしく趣ぶかい方でしたから、斎院には上達部や殿上人...
巻二十六(全)

巻二十六第十四話 陸奥守に仕えていた男、黄金を見つけて裕福になる

巻26第14話 付陸奥守人見付金得富語 第十四 今は昔、陸奥守(むつのかみ・現在の東北地方の国司)□□という人がいました。 また同じころ、□□という者がいました。 二人が若いころ、守が意外にも自分をひどく憎んでいることがあった...
巻二十四(全)

巻二十四第五十三話 大中臣輔親、ほととぎすを詠む

巻24第53話 祭主大中臣輔親郭公読和歌語 第五十三 今は昔、御堂殿(みどうどの・藤原道長)がまだ大納言で一条殿(妻・倫子の父、源雅信邸)に住んでおられたときのこと。 ときは四月初めのころ、日暮れ方になったので男たちを呼び、 「御格子...
巻九

巻九第二話 孝養の子の庭にタケノコが生えた話

巻9第2話 震旦孟宗孝老母得冬笋語 第二 今は昔、震旦(中国)の呉の時代、江都(江蘇省)に、孟宗という人がありました。父は亡くなり、母は存命でした。孝養の心が深く、老母を養っておりました。 この母は以前より、笋(たかんな、タケノコ)がな...
巻二十六(全)

巻二十六第十三話 貧しい家に銀を見つけ豊かになった人の話

巻26第13話 兵衛佐上緌主於西八条見得銀語 第十三 今は昔、兵衛佐の□という人がありました。冠の上緌(上緒、あげお)が長かったので、世間の人は上緌の主と呼んでいました。 西八条の大路と京極の大路が交差するあたりの畑の中に、貧しい小家が...
巻十九

巻十九第十六話 譲位せず崩御した天皇(欠話)

巻19第16話 顕基中納言出家受学真言語 第十六(欠文) 【解説】草野真一 源顕基の出家を語る。譲位せず亡くなった後一條天皇の崩御に際しての出家であった。『発心集』『十訓抄』『古今著聞集』などに記された記事と同じ内容と思われる。 ...
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